メキシコは隠れチーズ大国！在住者がオアハカで見つけた2大チーズの魅力

こんにちは！オアハカ在住ライターのHISAKOです。

日本でも一大旋風を巻き起こした人気グルメ、チーズ。そのまま食べても、料理にトッピングしてもおいしいですよね。私自身も、メニューにチーズの文字があるだけで盲目的に注文してしまうほどのチーズファンです！

そんなチーズ好きがメキシコに来てまず驚いたのが、この国では日本以上にチーズを食べる文化があること。この記事では、メキシコの、そして筆者が住んでいるオアハカのチーズについて紹介していきます。

メキシコがチーズ大国だって知ってた？

メキシコといえば、まず最初に思い浮かぶのがとうもろこし。タコスやケサディーヤに使われるトルティーヤをイメージする方もきっと多いかと思います。

ただ、メキシコの料理ひとつひとつをよく見てみると、多くの料理にチーズが使われている、という事実に気づくはず。それもそのはず、実はメキシコは、世界の中でも屈指のチーズ消費大国だから！

Nation Masterの統計によると、2020年の世界のチーズ消費量ランキングにおいてメキシコはなんと第4位にランクインしています。とうもろこしを主体とした食文化のイメージが強いだけに、この統計結果はちょっぴり意外ですよね。

ちなみに日本は第9位。日本以上に、メキシコではチーズを食べる文化があるようです。

植民地時代にもたらされたチーズの製法技術が発展し、各地域で独自の改良がなされたことによって、現代のメキシコにはさまざまな種類のチーズが存在しています。筆者の住むオアハカでは「ケシージョ」と「ケソ・フレスコ」というチーズが最もポピュラーで、街の至るところでこれらのチーズを販売している場面に出くわします。

オアハカグルメのシンボル？「ケシージョ」とは

まずはオアハカを代表するチーズ「ケシージョ（Quesillo）」の紹介から。ケソ・オアハカという別名を持つこのチーズは、その名の通りオアハカが原産で、毛糸のボールのように巻かれた見た目が最大の特徴です。

丸くまとめられた「ケシージョ」は、ほどいてみるとその長さにも驚くはず。料理に使用するときは、適当な長さに切ったあと、手でチーズを割きます。

この工程を聞いて、日本でもおなじみのさけるチーズを思い出しませんか？実は「ケシージョ」はさけるチーズをはじめとした「ストリングチーズ」という種類のチーズに似た食感を持っています。

味わいはモッツァレラチーズに近いイメージ。塩味はそこまで強くないので、おつまみとしても気軽に食べられるチーズです♪加熱すると水分が外に放出されるため、チーズのミルクが溢れだして一気にジューシーさが増すのもポイント。

オアハカの家庭料理に欠かせない！「ケソ・フレスコ」とは

もうひとつオアハカでポピュラーなのが「ケソ・フレスコ（Queso Fresco）」。日本でもお菓子作りなどでよく使われるリコッタチーズのような見た目、味わいのチーズです。

ふわふわとした食感で、火を通してもとろ〜りと溶けないところが特徴的。オアハカでは主に、トルティーヤに豆のペーストを塗った定番朝食グルメの「メメラス」や、トルティーヤに具材を詰めてソースをかけた「エンチラーダス」などの家庭料理で、トッピングとして用いられています。

「ケソ・フレスコ」の大半は、小さな茶色いバスケットに入れて売られています。「ケシージョ」とは対照的におつまみ向けのチーズではないため、調理のために買う以外は、レストランや屋台の料理で「ケソ・フレスコ」を試してみることをおすすめします！

オアハカのチーズを味わえるグルメ

ここでは、オアハカ旅行で「ケシージョ」と「ケソ・フレスコ」を味わいたいあなたに、筆者からおすすめのグルメをご提案しましょう。

ケシージョを使った料理

「ケシージョ」の魅力を存分に発揮する料理のひとつがテテラ（Tetela）。大きめのトルティーヤの中に具を詰め込み、三角形に折りたたんで焼いた料理です。

トルティーヤの中にチーズを閉じ込めて焼くため、アツアツかつたっぷりとミルクの汁を含んだチーズを食べることができますよ。

オアハカでは、レフォルマ地区にある郷土料理のレストラン「イタノニ（Itanoni）」のテテラが有名。豆のペーストと「ケシージョ」だけのシンプルな組み合わせですが、素材そのものの味が際立つ一品です。

オアハカの名物料理であるトラユーダ（Tlayuda）も、「ケシージョ」のおいしさを味わえる料理です。メキシコ版のピザともいわれるこのトラユーダは、巨大なトルティーヤの中に野菜、チーズを入れ、炭火で焼いたもの。写真はこれでも通常のトラユーダの半分のサイズです！

オアハカ・セントロ内にいくつか店舗を持つ「エル・ネグロ（El Negro）」は、地元民で賑わうトラユーダ専門店。タサホと呼ばれる炭火焼きの乾燥肉をトッピングした、食べごたえ抜群のトラユーダが有名です。

ケソ・フレスコを使った料理

日本でいうおにぎり的存在の料理、タマーレス（Tamales）。販売するお店によって味はさまざまですが、上の写真左のような「ケソ・フレスコ」を混ぜ込んで作るタマーレスは一度試してみる価値あり。

タマレスは路上での移動販売やメルカドなどで買うことができますが、なかなか見つからない場合は、セントロ内のレストラン「レバドゥーラ・デ・オリャ（Levadura de Olla）」でチーズとカボチャの花を使ったタマレスを食べられますよ。

揚げたトルティーヤのサクサク食感がたまらないトスターダス（Tostadas）料理にも「ケソ・フレスコ」がよく用いられます。

「ラス・トラユーダス・デ・リブレス（Las Tlayudas de Libres）」はトラユーダがメインのお店ですが、フレッシュな「ケソ・フレスコ」がのったトスターダスが筆者のお気に入りメニューです。酸味がきいたマイルドなチリソースをじゃがいもと和えたチレ・アホのトスターダスは、ほのかなチーズの塩味と相性がピッタリ！

2大チーズは日本でも買える？

今回とりあげたオアハカの2大チーズは、残念ながら日本国内の通販での購入は難しいのが現状です。しかしさきほど紹介したように、味わいや食感の似たチーズは日本でも流通しているので、オアハカのチーズグルメをおうちで再現する際の参考にしてみてください。

オアハカは、チーズ好きにはたまらない街！

チーズの多様性が溢れるメキシコ。メキシコに訪れるチャンスがある方は、現地でぜひチーズ料理を試してみてくださいね！

All photos by Hisako Tanaka