【2泊3日モデルコース】世界自然遺産の島「屋久島」の自然を堪能する旅へ
ユネスコ世界自然遺産の島、屋久島。苔むした森や、樹齢2,000年を超えるとされる巨木の数々、神秘的な景色を見られるという点で考えると、自然を楽しむ上で屋久島に勝る場所はほとんどないんじゃないでしょうか。
しかも、そこまでアクセスも悪くないというのは、時間のない旅人にも嬉しいポイント。


今回は、そんな屋久島を楽しむ方法を、筆者が実際に行った際の2泊3日の旅程をもとに、モデルコースという形でご紹介します。
もちろん3日ですべてを楽しむことはできませんが、屋久島の二大人気スポット「白谷雲水峡(しらたにうんすいきょう)」と「縄文杉コース」は押さえているので、訪問の際の参考にしてみてください。
屋久島を楽しむなら何日必要?


初めて屋久島を訪れるときにまず気になるのは、「何日あれば、屋久島を楽しむのに十分なのか?」という点だと思います。
実際、屋久島には数多くの見所があり、自然が好きな旅人なら、何日でもいられるくらいの魅力を持った土地です。
ただ、定番のマストスポットである「白谷雲水峡」と「縄文杉コース」を巡るのであれば、屋久島に2泊3日する旅程でも行けなくはありません。実際に筆者は、その日程で訪問しました。


屋久島は雨が多い土地としても有名なので、滞在日数を長く取れば取るほど、楽しめる可能性は高まります。
ですが、筆者は初めての屋久島滞在としては、2泊3日で十分楽しめたと感じています。今後、屋久島に行く方の参考になれば幸いです。
1日目:島に到着し、白谷雲水峡へ


まず1日目。朝、屋久島の宮之浦港に到着するところから旅は始まりました。
屋久島へのアクセスは、飛行機と船がありますが、時間を取るなら飛行機、料金を取るなら船がおすすめです。午後に着く便でもいいですが、初日に白谷雲水峡に行くなら午前便を利用しましょう。
宮之浦港から向かったのは、白谷雲水峡の登山口。白谷雲水峡というのは、島の北東部に位置する渓谷で、屋久島の中でもトップクラスの人気を誇るスポットです。


白谷雲水峡は登山といっても、それほどの高低差があったり、険しい山道を歩く必要があったり、というハードな道のりではありません。
もちろん、装備はしっかりとしていく方がベターですが、普段は登山をしない方でも、十分楽しみながら歩けるコースとなっていますよ。


登山道を歩いていると、さまざまな見どころに出会えます。渓谷の至るところで美しい水が流れている様子が見られますし、唐突にヤクシカと出会えることもあります。
ヤクシカは、道端で草を食んでいるなど、かなり近くでかわいい姿を見られることもありますが、驚かさないように優しく見守りましょう。


奥の方まで歩いていくと、どんどん緑が深くなっていき、苔に覆われた木々や岩などが目立つようになってきます。
白谷雲水峡のメインスポットとも言える「苔むす森」周辺では、その特徴はより顕著に。


登山口から1時間半ほどで苔むす森に到着!神々しささえ感じさせる絶景を一目見れば、世界中からの旅行者がここを目指す理由もわかります。
ここはスタジオジブリの映画『もののけ姫』の舞台モデルになったことでも有名ですね。苔むす森は、「もののけ姫の森」とも呼ばれています。


アニメのような世界!と言われる場所は世界中のあらゆるところにありますが、ここは宮崎駿監督が映画制作のために実際に通った場所。
映画ファンはもちろん、そうでなくとも、この景色を見るだけでも屋久島に来た甲斐があったと思える、すばらしい場所です。正真正銘の聖地訪問を楽しみましょう。


ここまででも、白谷雲水峡の魅力は十分に味わえるのですが、実はその奥にももう一つ、見どころがあります。
苔むす森から40分ほど奥へ歩けば、「太鼓岩」にたどり着きます。ここまでの道のりはほぼすべてが森の中でしたが、太鼓岩の上はかなり視界が開けた場所で、広く屋久島の景色を楽しめます。
登山口から太鼓岩までの往復だと所要時間は4〜5時間ほど。体力や時間などと相談して、行けそうならぜひチャレンジしてみてください。
1日目のアクティビティはこれにて終了。夕方以降は次の日に備えて、ゆっくりと宿で休息をとりましょう。
2日目:1日がかりの縄文杉コーストレッキング


2日目は、屋久島の中でも伝説級の樹齢を持つとされる縄文杉を目指す、所謂「縄文杉コース」を歩きます。
片道が4時間半ほど、休憩などを含めると往復10時間ほどかかる縄文杉コース。しかも、暗くなると危険なので、出発は早朝が基本です。
この日の起床時間は午前3時過ぎでした。もちろん外は真っ暗。宿を4時前に出発し、路線バスと登山バスを乗り継いで、「荒川登山口」へと向かいます。


歩き始めたのは、5時30分頃。日の出が早い8月とはいっても、まだあたりは暗いまま。空が明るくなり始めたのは、歩き始めて少し経ってからでした。
木々の間から差してくる太陽の光はとても美しく、エネルギーに満ち溢れていました。それまでは暗い道を歩くことになるので、ライトを持っておくようにしましょう。


ここで縄文杉コースの概略をご紹介しておきます。コースは簡潔にまとめると、前半がトロッコ道、後半が山道という構成になっています。
トロッコ道は平坦なので比較的歩きやすく、屋久島ならではのトレッキング風景を撮影できるので、写真映えもバッチリです。


ただ、この道をかなりの長時間歩き続ける必要があり、途中からは少し退屈さを感じるかもしれません。先に言ってしまうと、当然のように帰りもここを通ります。
体力的にはそれほど大変な道のりではないので、できるだけ疲れが出ないよう、自分のペースで歩くことを心がけましょう。


一方の後半は、少しアップダウンがあり、体力面でかなり消耗する道のりとなります。が、奥に進んでいくに連れて見どころも多くなっていくので、楽しみも増えます。
実際に筆者が歩いた時のタイムスケジュールでは、トロッコ道に片道2時間半、山道に片道1時間半かかり、休憩や昼食の時間をちょこちょことったのを合わせて1〜2時間と、最終的には10時間ほどのトレッキングとなりました。


登山やトレッキングは完全に初心者だった筆者のスケジュールなので、早くもなく遅くもなく、一般的なペースだと思われます。訪問の際には参考にしてみてください。
では、ここからは縄文杉コースの後半の見どころをズラッとご紹介します。まずは、トロッコ道の終点から30分ほど歩いたところにある「ウィルソン株」。


苔むす森や縄文杉と並ぶくらい、屋久島で人気のスポットがこちらです。外からだと、巨大な切り株であること以上はわかりませんが、中の空洞部分に入って上を見ると、この景色が。
恋愛運アップのスポットと言われる理由は、これを見ると一目でわかりますね。ポッカリと空いた部分が、キレイなハート型になっています。
ただ、ハートに見えるのは、株の内部のある場所から見たときだけ。内部は10人くらい入れるほどの広い空間となっているので、ハートが見えるスポットを探してみてください。


ウィルソン株からさらに奥に進んでいくと現れるのが、手をつないでいるように見える「夫婦杉」や、縄文杉が発見されるまで最大とされていた「大王杉」など。
トロッコ道の周辺にも立派な木がいくつも生えてはいますが、樹齢を1000年以上重ねている木々はその迫力も違っています。
このあたりは推定樹齢が2000年を超えるものも多く、進めば進むほど、大きく迫力満点の木々が見られます。ゴールはもうすぐですが、そういった点にも目を配りながら歩いていきましょう。


そして、とうとう縄文杉が目の前に。4時間近く歩いてきた疲れも、この巨大で神々しい杉の木と対面した瞬間は忘れてしまうことでしょう。
注目すべきは、胸高周囲が16.4メートルという太さ。木の保全のため根元までは近づけませんが、少し距離が離れたところからでも圧倒的な存在感を感じられます。


縄文杉を見たら、あとは帰り道です。多くの人は縄文杉までたどり着いたタイミングでお弁当を食べ、帰りの道を歩き始めます。
同じ道を戻ることになりますが、行きとは安心感が違うはず。とはいえ、最後まで油断は禁物。
実は、筆者自身が歩いた時に最もツラかったのは最後の最後、トロッコ道の終盤でした。


すでに一度通った道で少し安心したこともあり、往路よりも写真を撮ることに注力してしまった結果、ペースを乱してしまったように思います。
最後まで油断せず、自分にとって良いペースで歩いてくださいね。
3日目:最終日はあまり無理なスケジュールを組まないように注意


最終日にするべきことは、帰ることのみです。
屋久島の魅力は、もちろん白谷雲水峡と縄文杉コースだけではありません。他にも多くの見応えあるスポットに溢れています。ですが、前日の疲れが残っている場合もあるので、あまり無理なスケジューリングはしないことをおすすめします。


ちなみに、筆者の場合はどうだったかというと、3日目の夜に台風が鹿児島を直撃するという予報だったため、朝一の船に乗って鹿児島本島に戻らなければならず、朝ごはんだけを食べてすぐに帰途へ着きました(泣)。
実際に午後はすべての便が欠航になり、そのままだと島に数日間閉じ込められることになったでしょう。


今回は2泊3日のモデルコースという形でのご紹介でしたが、これはやはり最短の滞在日数だと思います。
雨や台風などのことも考えると、できるだけ日程は長い方がいいというのは、そういった理由から。屋久島へ行く際はそんなところも含めて、スケジュールを組んでみてくださいね。