夏の皿|たったひとつを叶える旅<9>
旅の目的は「たったひとつ」で良い
旅の目的は「たったひとつ」が潔いと思いませんか。
あれもこれもと盛りだくさんは、大人には野暮というもの。情報が氾濫している現代だからこそ、余計なものは削ぎ落として、自分の「たったひとつ」を選び取るのが粋。旅の荷物はシンプルに、期待だけを詰めて。
私たちがまだ訪れたことのない、未知の場所や絶景。
笑顔で迎えてくれる、あたたかい地元のひと。
生産地ならではの、新鮮で美味しいもの。
珠玉のように散らばる日本各地の魅力を発信する「ONESTORY(ワンストーリー)」。「ONE=1ヵ所」を求めて日本を旅するメディアから、私たちの「たったひとつ」が見つかりそうです。
夏の涼感
日本ほど、四季のはっきりした国は他にはないかもしれません。各季節を過ごすための工夫も、日本独特のやりかたですね。
うちわで扇ぐ風
打ち水
すだれ
ちりんと鳴る風鈴
京都の川床
びいどろのグラス
冷たいお蕎麦や素麺
井戸水で冷やしたスイカ
竹筒に入った水羊羹
涼を求める工夫は、なんと風情があるのでしょう。考えただけで汗がひく、日本の夏の愉しみかたです。
夏のブルー
コース「和魂洋才五膳」(3,500円 要予約・数量限定)の一皿。佐賀牛を出汁とともに低温で2時間かけて調理したローストビーフ。
涼を呼ぶ、夏のブルー。
やわらかな青磁の皿に、薔薇色のローストビーフ。どんな料理にも合いそうな美しいお皿は、「中島ブルー」と呼ばれる青磁作家で人間国宝・故中島宏氏の手によるもの。
花火のような華やかさ
志士リアンライス(1,500円)。
対して、夏のエネルギーを感じる皿に盛られた、華やかな志士リアンライス。約40年前に佐賀のイタリアン・シェフがまかない用として考案した、佐賀のご当地グルメ。ライスの上に肉とポーチドエッグ、たっぷりの生野菜をのせ、マヨネーズをかけたもの。皿は、明治期に流行した赤濃金彩唐草の有田焼。皿一つで料理がゴージャスになる、器の意義を実証しています。
人間国宝の有田焼で供する料理
美しすぎる皿は、人間国宝や今右衛門窯、有田の柿右衛門窯など、美術館で飾られるレベルのもの。素晴らしい器で供される料理はワンプレートで1500円〜、コースで3500円と、私たちの手が届くお値段にもビックリ。ぜひ行ってみたくなりますね。
雰囲気のあるレトロな洋館
明治20年佐賀県警察部庁舎として建てられた洋館を移設。アーチ型の窓が優しい雰囲気を醸し出します。
2019年1月14日までの期間限定
鹿鳴館を思わせる洋館で、名皿に盛られたお料理いただける企画”USEUM SAGA”。美術品で供されるお料理は、2019年1月14日(月・祝)までの限定。佐賀の食材と佐賀の美術品の豪華な饗宴は、見逃したくないチャンス。今回のたったひとつは、佐賀県の美意識を集めた美しい料理。私たちが旅へ向かわずにいられないのは、日常では求められない「たったひとつ」に出逢うためなのです。
ONESTORY(ワンストーリー)
美術館に飾るような器で食事を楽しむ、“予約の取れないレストラン”が復活。[USEUM SAGA/佐賀県佐賀市]
さがレトロ館
期間限定:2018年3月17日(土) 〜 2019年1月14日(月・祝) 要予約
住所:佐賀県佐賀市城内2丁目8−8
電話:0952-97-9300
営業時間:ランチ 11:30~15:00 / ディナー 17:30~22:00
定休日:月曜定休、年末年始
公式サイト:https://useumsaga.jp/