シンボルである由布岳を中心に豊かな自然が広がる由布院の町。

古くから温泉地として人気を博し、源泉数と湧出量は同県内の別府に次ぐ全国第2位と言われています。

そんな自然と温泉が一緒に楽しめる由布院は、忙しない日常から離れ、ゆっくりとリトリートするのにぴったりの地域。今回はそんな由布院に新しく誕生した星野リゾートの温泉旅館ブランド「界 由布院」での滞在をご紹介したいと思います。

到着までの“時間”を楽しむのも旅の醍醐味に

由布院へのアクセス方法は主に2通り。関東や関西などから飛行機で大分県へ訪れる場合は、大分空港から由布院行きのバスに乗車後約1時間ほど。

福岡市内や大分市内からのアクセスの場合は、JRの特急電車で由布院の中心部へのアクセスが可能です。


由布院駅前から「界 由布院」までは徒歩約30分、約2km程の道のりです。事前に予約しておけば、タクシーによる無料送迎が利用できるため、とても便利に訪れることができます。

九州地方4施設目となる新施設、星野リゾートの温泉旅館ブランド「界 由布院」


星野リゾートが運営する「界」は、全国各地に20以上を展開する温泉旅館ブランド。

和の快適さを追求した空間と、その場所その季節でしか体験できないおもてなしが特徴的。空間や体験を通してその地域ならではの魅力や、上質な温泉を存分に楽しむことができるお宿です。


今回私が宿泊した「界 由布院」は、2022年8月にオープンしたばかり。九州地方では阿蘇・霧島・別府に次ぐ、4つ目となる新たな施設です。設計・デザインは日本を代表する建築家、隈研吾氏によって手掛けられ、そのこだわりが随所に光ります。

じつは一説によると”大きい田んぼ”が県名の由来とも言われている大分県。由布院も古くから農業が盛んで、棚田が各地に点在していました。

「界 由布院」ではそんなルーツになぞらえて、お宿の周りに広がる棚田が最大の特徴。由布院の原風景である美しい田園風景や自然を存分に満喫し、上質な温泉に浸かって、ゆっくりと日々の疲れをリセットできるお宿なのです。

随所に“大分らしさ”が光る外観や空間設計


お宿に到着すると、エントランスではスタッフさんと大分の名産品でもある竹をあしらった、明るく美しいデザインのエントランスがお出迎えしてくれました。


エントランスをくぐるとその雰囲気は一変。農家の土間を思わせる黒を基調とした落ち着いた佇まいの空間に。照明などのインテリアひとつひとつにこだわりを感じ、上品な空間設計にちょっぴりワクワクします。


フロントには、田園風景に囲まれたお宿らしく、御釜をモチーフにしたインテリアが配置。細部の設計にまで、そのこだわりを感じます。

棚田ビュー風景が美しい、ご当地部屋「蛍かごの間」


「界 由布院」の客室は、地域の魅力がふんだんに取り入れられた、全室ご当地部屋の「蛍かごの間」。国東半島で栽培される希少な素材「七島藺(しちとうい)」を使用した「蛍かご照明」が魅力のひとつです。

螺旋状にデザインされたハイセンスな照明は、水辺に淡い光を点滅させる蛍をイメージしているのだそう。


今回お世話になったのは、そのなかでも露天風呂付きの「棚田離れ」のお部屋。「棚田離れ」とは、文字通り棚田の中に佇むお部屋。

絵画のような風景が楽しめる客室内のピクチャーウィンドウから一面美しい田園風景が眺められるのが特徴的です。自然をいっぱいに感じる美しい眺望に思わずうっとりしてしまいますね。


また、お部屋に露天風呂が付いているのも嬉しいポイント。棚田を眺めながら、上質な温泉にゆっくりと入浴するひとときは贅沢そのもの。

耳を澄ますと風の音や虫の声がどこからともなく聞こえてきて、五感を通じて自然と温泉を存分に楽しむことができます。

由布岳を眺める極上の温泉でリフレッシュ


お部屋に露天風呂が付いている方も、日が暮れる前にぜひおすすめしたいのが大浴場です。

大浴場の内湯には、体の芯までポカポカと温まる「熱湯」と、ゆっくりとリラックスできる「ぬる湯」の温度帯のそれぞれ異なる湯船がラインナップ。


無色透明の温泉はお肌に優しい単純温泉。刺激が少なく肌あたりが優しい泉質のため、お肌への負担が少なく、敏感肌や乾燥肌の人も安心して楽しめます。ゆっくりと好きなだけ温泉に浸かっていられるのが嬉しいですよね。


露天風呂からは由布院のシンボルともいえる雄大な由布岳を眺めながら、開放的な湯浴みが楽しめます。四季折々の自然の風景を眺め、ゆっくりと温泉に浸かると、日々の疲れも癒されるのではないでしょうか。

由布院を知り、温泉を知る、「温泉いろは」


現代社会を生きる人たちのために、日本全国の「界」では、1泊2日で温泉の効果を最大限引き出す「うるはし現代湯治」を提案しています。その取り組みのひとつが「温泉いろは」。

「温泉いろは」の内容は全国各地の施設で異なり、「界 由布院」では由布院の温泉の特徴や歴史などを紙芝居で学ぶことができます。地域ごとの温泉について深く学び、効能や入浴方法などを知ることで、温泉に入浴する際にいつもとは違う目線で湯浴みが楽しめますね。


また、温泉いろは参加者は御朱印帳ならぬ「お湯印帳」を頂くことができます。「お湯印帳」は日本全国の界でスタンプを押すことが可能。

温泉の特徴や効果効能が一目でわかるだけでなく、訪れた時の感想をメモすることもできるので、旅の思い出にもぴったりの一冊です。

棚田を眺めながらゆるやかに過ごす「棚田テラス」


夕食までの空き時間を過ごし、個人的にお気に入りの場所となったのが棚田が一望できる「棚田テラス」です。棚田テラスからは棚田全体と周囲を囲む山々を見渡すことができ、改めて由布院が持つ自然の美しさを感じられる場所でした。


時間帯や季節によって、その姿を変えるのも魅力的。早朝は美しい朝霧、日中は青々と晴れた風景、日が暮れると宿泊棟の光がロマンティックな雰囲気を演出します。


併設のトラベルライブラリーでは、この地にゆかりのある本や、コーヒー・紅茶などのドリンクを24時間いつでも好きな時に楽しめます。もちろん、本やドリンクは棚田テラスへ持っていくことも可能。

美しい風景の移ろいを眺めながらゆっくりと過ごす時間は、都会で過ごす日々では感じられない贅沢なひとときです。

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地元食材を使用した絶品の夕食をいただく


夕食は17:30~と19:30~の2つの時間帯があり、私たちは19:30からの夕食を頂きました。地元の食材が楽しめる絶品の夕食のお供は、幻のお酒と言われることも多いほど、県外には出回ることの少ない「兼八」。

麦チョコのようなロースト感の強い香ばしさが特徴的で、ほんのりとした甘みのある香りが楽しめる、お酒が好きな方にはぜひ味わって頂きたい地元大分ならではの麦焼酎です。


次々と提供されるお料理はどれを食べても絶品。そのなかでもひときわ目を惹いたのが、地元の食材を使用した、彩り豊かな「宝楽盛り」です。

どのお料理もお酒と相性が良く、お箸がどんどん進むラインナップ。料理だけでなく、大分名産の竹を使用したうつわなど、視覚的にも随所に“大分らしさ”を感じられました。


そして「界 由布院」での夕食を語るうえで外すことのできないお料理が、山の野性味を頂く「山のももんじ鍋」。穴熊、鹿、猪、そして牛肉と、自然に囲まれた由布院ならではの山の恵みを頂くことができます。


色合いの鮮やかなお肉は、スッポンの出汁でしゃぶしゃぶして頂きます。というのも、大分県はすっぽんの産地としても有名なのだそうで、栄養価が高く、低脂肪で淡白な味わいは、脂の乗ったお肉と相性が抜群。


それぞれのお肉には、専用のつけダレも用意されていて、お肉が持つ個性を最大限に味わうことができます。初めて頂く山の幸の奥深さに、大満足の夕食となりました。

朝霧の絶景と澄んだ空気の中で行う「現代湯治体操」


うるはし現代湯治の一環として、全国の界で実施されている「現代湯治体操」。「界 由布院」では豊かな自然を満喫するべく、屋外にある朝霧テラスで毎朝開催されています。

その日の気象条件次第ですが、朝霧テラスは文字通り、早朝の時間帯には眼下に朝霧を望むテラス。

この日は運が良いことに朝霧が発生し、幻想的な風景を眺めることができました。朝の澄んだ空気の中で行う体操は心も身体もスッキリするので、日常的に取り入れたいくらい……。


「現代湯治体操」のベースは星野リゾートオリジナルの「温泉呼吸法」。4拍でゆっくりと息を吸い込み8拍で吐き出していく、丹田を意識した呼吸法です。

ゆっくりと呼吸を繰り返しながらストレッチを行うことで少しずつ身体がほぐれ、日々の疲れをリセットできます。


プログラムの後半には由布院のオリジナルの体操が組み込まれ、前半のゆったりとしたストレッチとはうって変わり、農作業を模したエクササイズが取り入れられています。

後半の体操は見かけ以上にハードで、日頃運動不足気味の私はすぐに下半身がパンパンに。筋肉に負荷はかけつつも、地域ならではの動きが取り入れられている点がおもしろく、無理なく身体を動かすことができました。

棚田ビューでいただく美味しい朝ごはん


朝から体操をしてお腹が減ってきたところで、お待ちかねの朝ごはんの時間です。「界 由布院」の朝食は、和食と洋食から好きな方を選ぶことができます。迷いに迷った末に私は洋食を選びました。

洋食は5種類のパンを中心に彩り豊かなラインナップ。新鮮なお野菜やこんがりと焼けたパンは、どれを食べてもほっぺた落ちそうなくらい美味しくて、朝から幸せな時間を過ごすことができました。


和食はご覧のようなラインナップ。お魚や卵、煮物やお味噌汁など、いわゆる“日本の朝ごはん”にご飯がすすみそう!


和食・洋食どちらも、お野菜は七輪で焼いて頂く炭火焼きスタイル。窓の外に広がる棚田の風景を眺めながら、野菜が焼けるのをじっくりと待つ時間は、忙しない日々を過ごす現代人に、ときにはゆっくりと過ごす時間の大切さを教えてくれているかのよう。

七輪で焼いて頂くお野菜は最もシンプルな食べ方ですが、山の恵みを最大限引き立たせてくれました。

ご当地楽「わら綯い」を体験


日本全国の「界」では、それぞれの地域の特徴的な魅力を楽しむことができるよう、伝統工芸や芸能、食などを満喫できるおもてなし「ご当地楽」が開催されています。

「界 由布院」のご当地楽は、農閑期に行われる手仕事「わら綯い体験」。“綯う”とは“藁をより合わせること”を意味し、縄は手を合わせてできることから「祈りのカタチ」と言われています。


足で縄を固定し、右手を前から後ろにスライドさせて少しずつ藁を綯っていきます。手で藁を綯う様子がさながら祈りを込めるよう。


藁が綯い終わると形を整えてお守りの完成です。手を合わせて作っただけに、ご利益がありそう……!完成したお守りは、体験だけでなく旅の思い出として、お土産に持って帰ることができますよ。

自然と温泉と地域の魅力がギュッと詰まった「界 由布院」

豊かな自然や豊富な温泉が魅力的な「界 由布院」は、日常から飛び出して、ゆっくりと過ごすのにぴったりのとても素敵なお宿でした。

上質な温泉を肌で感じ、移り変わる風景や自然の音を楽しみ、美味しい食事に舌鼓。「界 由布院」で五感を研ぎ澄ませて日々の疲れを癒す、ちょっと贅沢なリトリート旅にお出かけしてみてはいかがでしょうか?

■詳細情報
・名称:界 由布院
・住所:〒879-5102 大分県由布市湯布院町川上398
・地図:
・アクセス:JR由布院駅より無料送迎有(要事前予約)
・営業時間:チェックイン15:00~/チェックアウト~12:00
・定休日:なし
・電話番号:050-3134-8092
・公式サイトURL:https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/kaiyufuin/

 

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