岐阜屈指の紅葉登山。秋の霊峰「白山」平瀬道ルートで紅葉と山岳絶景を大満喫!
石川、福井、岐阜の三県にまたがる「白山(はくさん・標高2,702m)」。日本で一番西にある標高2,000m超の山として知られています。
福井側の別当出合から登るのがメジャーですが、じつは紅葉の時期に格別の人気を誇るマイナールートが存在します。
それは岐阜側の「平瀬道(ひらせどう)」です。神秘のエメラルドグリーン色の白水湖から、紅葉の稜線へ取りつき、360度大展望の山頂へ至るルートには、圧倒的な感動が待っています。
平瀬温泉の宿に前日入り

平瀬道登山口があるのは、世界遺産・白川郷合掌造り集落から車で約30km弱ほど走った山中。どう頑張っても車で4時間以上かかることと、県民割も行われていたので、宿をとって前乗りしました。

宿は平瀬温泉の「民宿 山水」さん。小さな温泉民宿では、野趣ある岩風呂と、地産地消の家庭料理を満喫しました。お母さんとの何気ない会話も楽しかったです。

話を聞いていると「民宿 山水」さんは、白山登山のお客さんがメインなのだとか。確かに平瀬道登山口まで車で約30分弱という抜群の立地。
そして、まだ真っ暗な早朝に出発した私たちを温かく見送ってくれたお母さんの姿からも、登山者に愛される理由がわかる気がしました。
・名称:民宿 山水
・住所:岐阜県大野郡白川村平瀬353-32
・地図: ・アクセス:白川郷ICから車で約10分
・営業時間:15:00~ / 〜09:30
・電話番号:05769-5-2033
・料金:1泊2食付き7,350円
・白川郷観光協会公式サイト:https://shirakawa-go.gr.jp/stay/40/
山で迎える日の出

白山の登山道の中では比較的長い「平瀬道」。そのため、夜が明ける前からヘッドライトをつけて登り始めます。朝日が昇る前の樹林帯の情緒を楽しみました。
夜が明ける前にどれだけ距離を稼げるか。これが後々大きなアドバンテージになります。

道が暗いと、良くも悪くもどれだけ進んだか感覚をつかみづらいもの。しかし、ここで頑張っておくと、明るくなってから「知らず知らずにここまで来ていたんだ!」という状況を作り出すことができ、気持ちがかなり楽になるのです。

登山開始から約1時間、日が昇ってきます。山で日の出を迎えるという非日常感がたまりません。オレンジ色に染まった登山道の光景に思わず見入ってしまいました。
平瀬道のハイライト。霊峰の山岳紅葉に出会う

日が昇ると、周囲の山肌の全貌が明らかに。絵画のような紅葉がダイナミックに展開していました。
向こう側に見えるのは、白山とともに両白山地を代表する別山(べっさん・標高2,399m)。まだわずかに雲の中ですが、圧倒的な存在感を放っています。

天気は雲もほとんどない快晴!透き通った青空に、紅葉の木々が映えます。いよいよ平瀬道のハイライトと言われる区間へ突入です。

目の前には、白山の山々が秋色の装いで鮮烈に迎えてくれます。そして山腹へと目を向ければ、紅葉に埋め尽くされる風景が……!進むたびに感動の連続です。
色彩のパレット。絵画のような紅葉の稜線へ

平瀬道の途中にある「大倉山(おおくらやま・標高2,036m)」。大倉山避難小屋が設けられ、おおよそ6合目の目印です。
ここを通り過ぎると、紅葉の稜線と山肌を進む道に。少しずつ展望の開けるポイントが増えていきます。

この区間の醍醐味は、稜線に広がる印象的な紅葉風景。明暗により劇的に表情を変えていきます。霊峰にふさわしいミステリアスな趣も醸し出していますよ。

そして何度かつづら折りを越えると、先ほど進んできた山腹を眺めます。まるで絵画の世界のようなメルヘンチックな大展望は、思わず息を呑む美しさです。
鮮やかな草紅葉。秋が進む室堂周辺

気づけばもう雲の上の高さ。鮮やかに輝く赤いナナカマドが綺麗でした。そんな木々の先には北アルプスの山脈も望むことができます。

森林限界の標高にさしかかる頃、いったん登りは終わり、ゆったりとした室堂平(むろどうだいら)へ入ります。前半に比べて雲が増えてきたものの、草紅葉と別山のコラボレーションが見事でした。

標高2,000m以上は完全に秋の趣。少しひんやりとしながらも、気持ちのいい秋晴れを感じながら、白山室堂へ到着しました。
最高峰・御前峰へ。圧倒的な雲海とアルプスの山並み

白山室堂は白山の登山拠点。1泊2日の山行の場合、この山小屋に宿泊する登山者が多く、日帰りの方も休憩に立ち寄ります。
ここまで来たら、白山の最高峰・御前峰(ごぜんがみね・標高2,702m)まで約30分です。

あと少しが意外と長いのですが、ゆっくりと山頂を目指していきます。時折振り返ると、室堂と周囲を埋め尽くす雲海!引き込まれるような山岳情緒がたまりません。

山頂へ足をかけたときの感動と達成感はひとしおです。最高の気候条件も相まって、峰々の先には日本海までくっきりと望むことができました。

そして東側には北アルプスまで続く大雲海。まるで滝雲のように漂い、わずかに顔を覗かせる紅葉とともに圧倒的な大パノラマを作り上げています。槍ヶ岳(やりがたけ・標高3,180m)や剱岳(つるぎだけ・標高2,999m)まで望めるとは驚きです!
翡翠色の池を眺めて、大汝峰にも登頂

御前峰から白山の山頂周辺を巡るのが定番ルート。ガレ場(岩屑がガラガラと積み重なった場所)と砂礫の道を歩きながら、神秘的な池の風景を楽しみます。

なかでもイチオシは「翠ヶ池(みどりがいけ)」。空の色を吸収して、まるで透き通った青い瞳のようなたたずまいを見せてくれます。

途中には、白山三山の「大汝峰(おおなんじみね・標高2,684m)」へ立ち寄り。御前峰と比べてゆったりとした山頂からは、日本海がより近く感じられました。

壮大なスケールと360度パノラマの開放感を楽しみながら、室堂から白山(御前峰・大汝峰)一周を完了。少し名残惜しいですが、あとは往路と同じ平瀬道で帰路につきます。
紅葉登山を終え、大白川露天風呂に浸かる

午後になると天気が一変。時折ガスが漂い、視界が遮られます。
しかし、これもこれで山の表情変化。壮大な自然の姿を感じさせる、野趣に富んだ時間を過ごしました。

それにしても下りが長い!「よくこれほど長距離を登ってきたなぁ〜」と我ながら感心してしまいますね(笑)。
白水湖が近づいてきたら、登山口が近い証拠。最後は気力で歩きました。

登山口に戻ったあとは、平瀬道登山者のご褒美、「大白川露天風呂」へ。エメラルドグリーンの湖を眺めながら、源泉掛け流しのお湯に浸かれます。自然へ身を投じるような入浴体験はプライスレスです。
・名称:大白川露天風呂
・住所:岐阜県大野郡白川村平瀬
・地図: ・アクセス:車で国道156号から県道451号(白山公園線)へ進むこと約30分
・営業時間:8:30~17:00
・定休日:[毎週金曜日]一部時間帯は清掃のため利用できません。
・電話番号:05769-6-1187(トヨタ白川郷自然學校)
・料金:大人(中学生以上) 500円/小人 200円
・白川郷観光協会公式URL:https://shirakawa-go.gr.jp/active/16/
憧れのコースを歩いて再確認!岐阜の自然の豊かさ

これまで登ってきた中でも、一、二を争うほど紅葉の美しい登山道。「岐阜にはまだこんなに素晴らしい自然景観があったのか!?」と思わせてくれる、充実した山行となりました。
ひとつの山であっても、季節やルートを変えるだけで、味わえる趣や景色はまったく異なってきます。近場の山の魅力をもっともっと深掘りしたい今日この頃です。
・名称:白山(御前峰)
・住所:石川県白山市白峰
・地図: ・アクセス:白川郷ICから平瀬道登山口まで車で約40分、平瀬道登山口から徒歩往復約8〜9時間
※県道白山公園線は通行規制の可能性あり。事前に確認が必要です。
・オススメの時期:10月上旬(紅葉)
All photos by Yuhei Tonosho