まるで異世界。自然が造り出すレソト王国の不思議な岩山の絶景「タバ・ボシウ」
南アフリカ国の内陸に位置する小国「レソト王国」は、国全体の標高が高く「天空の国」「アフリカのスイス」などと称されます。あまり聞き慣れない国ですが、標高の高いこの国ならではの緑あふれる美しい自然は、この地に訪れる充分な理由になります。
今回はそんなレソトの雄大な自然が作りだす、正にここでしか見られない異国感満載の少し変わった絶景が見られる「タバ・ボシウ」をご紹介します。
「タバ・ボシウ」とは


photo by SHIHO
タバ・ボシウは、レソト王国の首都マセルから東へ約20kmの場所に位置する、小高い丘です。
レソトの初代国王であるモショエショエ1世は、ここに要塞を構え、約40年にわたって他民族の侵略を防いだと言われています。重要な歴史遺産であり、レソト国民にとっては聖地としても崇められています。
タバ・ボシウとはレソトの言語・ソト語で「夜の山」という意味。昼は小さな丘にすぎないのに、夜になると大きな山になるという伝説が今も残り、敵からの侵入を防ぐ天然の要塞にもなっていたそうです。
歴史的価値のある場所というだけでなく、山頂からの絶景が観光客を集める理由の一つとなっています。
ローカル感が楽しめる首都マセルのバスターミナル


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タバ・ボシウまではマセルのバスターミナルからミニバスで約1時間。バスは定員が集まり次第出発するため、人が集まらなければ2時間程度待つこともあります。時間には余裕を持って向かいましょう。


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バスターミナル周辺にはソーセージの出店や、レソトの民族衣装ともなっているブランケットのお店も沢山あるので、待ち時間の間に散策するのもいいですね。


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羊などの家畜につける鈴も沢山売られています。


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ブランケットを羽織ったソト族の男性も沢山見られました。
絶景を見ながらタバ・ボシウをトレッキング


ビジターセンター photo by SHIHO
バスを降り少し歩くと右手にビジターセンターがあるので、そちらで入山料を支払いましょう。


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ビジターセンターには藁で編まれたレソトの伝統的な円錐形の帽子「バソト・ハット(モコロトロ)」も売られています。
ちなみに「レソト」とはこの地に多く住む「ソト族の住む土地」という意味、ソト族全体を表す場合は「バソト」と言います。


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キーホルダーに出来そうな5cmほどの小さいバソト・ハットは、お土産にもいいかもしれませんね。
テーブルマウンテンに囲まれた美しい景色


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ビジターセンターの向かいにある茶褐色の小高い丘が、タバ・ボシウ。登り始めは少し未舗装の砂利道が続きます。


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少し登ったところにトレッキングルートを示した案内板もありますが、一本道なので、道に迷うことはありません。


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途中からは少し急な登り坂になりますが、手すりのついたきれいな舗装路になっているので、山登りに慣れていない方でも安心して歩けるでしょう。


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10分程度登ると、テーブルマウンテンに囲まれた集落を見渡せる、大自然のパノラマが広がります。


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来た道を振り返っても、遠くに見える山々。国全土の標高が高いレソトならではの絶景です。
歴史感じる王族の住居跡と墓地


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30分ほどで山頂に到着。山頂は平地になっていて、モショエショエ1世と王族の住居跡が残されています。


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こちらはモショエショエ1世が住んでいた家。四角い石を重ねて造られただけの簡素な住居跡は、実際中に入ると王族の住居にしては狭いことに驚かされます。
当時は炊事場などが外にあったため、住居というより部屋といったニュアンスの方が近いのかもしれません。


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ところどころにアロエから伸びたような、ひょろりと長い不思議な木が沢山にょきにょきと生えているのも、何だか面白い光景ですよね。


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住居跡から更に進むと、王族の墓地があります。石を長方形に積み上げただけのお墓がずらりと並んでいます。


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その先にあるのがモショエショエ1世のお墓。彼のものだけ立派な墓石が建てられ、柵が設けられていました。
レソトの初代国王・モショエショエ1世は、1822年、当時勢力が強かったサン族を追い出し、ソト族が住む土地としてレソト王国を建国。モショエショエ1世は紙幣のデザインにも描かれたり、レソトの国際空港の名前にもなっています。
遺跡などがあるのはここまでなのですが、この先にある場所こそ、今回一番紹介したい絶景なので、うっかりここでUターンしないようにして下さいね。
まるで異世界!谷底の集落にそびえる岩山


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タバ・ボシウで一番おすすめの絶景ポイントは、王族のお墓を過ぎて更に先へと進んだところにあります。道は二手に分かれますが、どちらでも行くことが可能です。
時間がある方はモショエショエ1世のお墓を前にして左手(南方向)に進みましょう。遠回りになりますが、トレッキングがてら緑が生い茂る自然が楽しめますよ。


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そして、一番の絶景ポイントである、岩山のある風景の登場です!大地にぽっかりと空いた、巨人の足跡のような谷底にある集落。その中心には、先が尖ったきれいな円錐形の岩山がそびえ立ちます。


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異世界を題材にした壮大な映画の舞台にもなりそうな、未だかつて見たことの無い景色に、しばし呆然。馬と一緒に絶景を眺めながら、ここでピクニックするのもいいですね。


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最初にご紹介したレソトの民族帽も、この山をモチーフにして作られたとも言われています。
・名称:タバ・ボシウ(Thaba Bosiu)
・住所:Thaba Bosiu
・地図:
・アクセス:マセルからミニバス、タバ・ボシウ行きで約1時間
・入山料:40ロチ(約300円)
・所要時間:かなりゆっくり観光して約2時間
・オススメの時期:夏
・公式サイトURL:https://visitlesotho.travel/
タバ・ボシウのかわいいホテルでの宿泊もおすすめ


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タバ・ボシウの入り口にあるビジターセンター近くに、どんぐりのかさのようなコロンとしたかわいい屋根の建物がたくさん見えます。これはレソトの伝統住居をモチーフに造られたホテルで、室内にはベッドが置かれています。
1棟(2人部屋)で1,000ロチ(約7,500円)。この国の物価から考えると高級なホテルなのですが、日本の物価からするとかなりコスパはいいので、泊まってみるのもいいですね。
敷地内にあるタバ・ボシウの歴史や当時の生活を紹介した博物館は、ホテル宿泊者以外でも見学可能です。
・名称:Thaba Bosiu Cultural Village
・住所:MM37+FG Motloang
・電話番号:+266 5884 0018
・公式サイトURL:https://www.thevillage.co.ls/
レソト観光にマスト!穴場な絶景「タバ・ボシウ」


道中出会ったレソトの学生 photo by SHIHO
雄大な自然は、時に人の考えでは思いつかないような美しい景色を生み出します。中でもタバ・ボシウの山頂から見られる谷底の岩山は、他に類を見ない絶景。
また、その景色だけではなく、道中に見られるテーブルマウンテンや、歴史を感じる集落跡地も見ものです。
レソトは小さな国なので、わざわざこの国だけ観光に訪れる人は少ないかもしれませんが、国際空港もあるのでアフリカ南部の諸国からは比較的アクセスはしやすいでしょう。
タバ・ボシウは「わざわざ行くだけの価値のある場所」ですので、レソトに行く際にはぜひ訪れてみて下さい。フレンドリーなレソトの人々との出会いも、旅の思い出になるはず。