ベネズエラの首都、カラカス。南米有数の大都市である一方、世界でもトップクラスに治安の悪い都市としても悪名を轟かせています。1日に起きる殺人事件の数は、なんと11件。人口当たりの数は2008年に世界一を記録し、およそ東京の100倍にも及びます。

警察官がいない
パトカーもない

あまりにも危険なため、カラカスの市民はできるだけ外を出歩かないようにしていて、通りも閑散としています。

その理由のひとつは、警察官の不足です。十分とされる数に対して、実際に配備されているのは30%。特に危険とされるエル・ハティロ地区では、たったの7%だと言います。さらに、パトカーが古くなって使えなくなっても、新しいものを買う予算がないという状況。

それでも市民を
守りたい

そんな八方塞がりの状況のなかで、エル・アティジョ地区が考え出した苦肉の策が、意外な効果を発揮しました。

廃車のパトカーを
キレイに

この地区が実施したのが「INVISIBLE POLICE(見えない警察官)」というプロジェクト。廃車となったパトカーの外見だけを綺麗に整え、パトランプは点灯するものの、車内には誰も乗っていません。この無人パトカーをもっとも危険なエリア数ヶ所に設置しました。

効果は絶大で、パトカーの存在によって治安は劇的に改善。それまで無人だったカラカスの通りに、再び人々が戻ってきたと言います。

「『見えない警察官』でさえ、これだけの効果があった。もしここに本物の警察がいたら、どれだけ素晴らしいだろう」

現在エル・アティジョ地区は、このプロジェクトと連動したハッシュタグ「#morerealcops」で、警察官を配備するための支援を呼びかけています。

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