仮面部族が大集合するパプアニューギニアの奇祭「マスクフェスティバル」が予想以上に面白い!
オーストラリアの北、赤道直下に位置する「パプアニューギニア」。未だ手つかずの自然が多く残る美しい国ですが、ガイドブック等が少ないことからまだまだ観光業は発展途上のようです。
今回はそんなマニアックな国の離島で開催される、マニアックな奇祭「マスクフェスティバル」についてご紹介します。
実際このお祭りに行った筆者は、次々に現れる奇妙・珍妙・シュールな部族に、笑いをこらえるのに必死でした!B級好き、穴場好きな方にもおすすめの、ちょっと変わったお祭です。
「マスクフェスティバル」とは?
photo by SHIHO
マスクフェスティバルとは、パプアニューギニア全土から様々な部族が集まり、それぞれの部族に伝わる民族舞踊「シンシン」を披露するお祭りです。
つまり、1ヶ所で沢山の部族と伝統的な民族舞踊を見ることが出来る、何ともお得感満載のフェスティバルなのです!
治安面などから外国人観光客が少ないパプアニューギニアですが、今回紹介するお祭りが開催される「ココポ」という町は、国内では比較的治安も良く、その割に観光地化されていないローカルさもあるので、町自体も非常に楽しめるでしょう。
度肝を抜く精霊「トゥブアン」を迎えよう!
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お祭りの初日は、「トゥブアン」を迎えることから始まります。「トゥブアン」とは、お祭りが開催されているニューブリテイン島の主要民族であるトーライ族が崇める精霊です。
トゥブアンは海の向こうからやってくるので、夜も明けていない暗闇の中、地元の人達と一緒に歩いて海へと向かいます。
朝5時から6時くらいに来るとのことでしたが、パプアニューギニアには「パプアタイム」という時間帯が存在するため、予定はあって無いようなものなのです。
この日は空が明るくなり始めた6時頃に、「ドンドコ、シャンシャン……」という太鼓や鈴の音と、奇声ともとれるような歌と共に、海の遥か彼方から、わっさわっさと蠢く精霊が小舟に乗って登場しました。
もう一度言います。精霊です。
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葉っぱからむき出しているのが、おっさんの生足のように見えるのは、きっと気のせいです。
だって精霊ですから。
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トゥブアンの登場シーンは非常にインパクトがあるので、マスクフェスティバルに行かれる方は、是非初日から見ることをおすすめします。
絶対見ておきたい!おすすめ部族ベスト3
トゥブアンを迎えた後は、みんなぞろぞろとお祭りの行われる会場へと移動します。会場では観光客は外国人用チケットを購入し、中へ入ります。
この広場でプログラムに沿って各部族がシンシンを披露するのですが、ここでもプログラムはあってないようなものなので、パプアタイムに身を任せましょう。
様々な部族を見ることができますが、中でも必ず見ておきたい、おすすめの部族を紹介します。
トーライ族
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先程の精霊を崇めるこの土地の部族です。全身に纏った葉っぱが特徴で、様々な形をしています。
もちろん精霊トゥブアンも登場し、子供の頭をつついたり、シェルマネーで叩かれて喜んだり、謎の儀式が沢山あるのですが、ツアーで行ってないので謎のまま終わりました。
マッドマン
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全身に泥を塗り、土色のお面を被った部族です。
弓を構え、凶暴な部族かと思いきや、民族舞踊も無くただただそろ~り、そろ~りと歩くだけの何ともシュールな光景に、含み笑いがこらえきれません。
ニューギニア島のマウントハーゲンに住む部族ですが、このお祭りのためにはるばる来ているそうです。
バイニン族
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バイニン族は『ゲゲゲの鬼太郎』の作者・水木しげるの世界に出てきそうな、ギョロリとした大きな目に大きなくちばし、鳥のような奇妙なお面がインパクト大の部族。
バイニン族を見れるのは夜。会場から離れた村で、暗闇の中行われるファイヤーダンスは、何ともカオスな空間で、非現実な世界へとトリップできます。
お祭りの予算によって開催されない可能性もあるそうなので、事前にご確認を。
これらの部族の他にも、名前は分かりませんが、動物の骨や牙を纏った部族や、カラフルなお面を被った部族など、沢山の部族が登場するので、カメラのバッテリーの準備はお忘れなく。
マスクフェスティバルでお土産を買おう!
お祭り会場周辺では、出店も出ています。ココナッツジュースや軽食の他にも、地元の人が作るオリジナルグッズが売られています。そのほとんどが手作りなので、旅の記念に買ってみてはいかがでしょうか。
以下で紹介するものは、その年によってあるかどうか分からないので、ご参考程度に。
パプアニューギニア オリジナルグッズ
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写真は、パプアニューギニアで起こった海難事故を描いた、ブラックユーモア満載のTシャツです。こんな不吉なTシャツ、一体誰が着るのか謎ですね。
パプアニューギニアには大きな工場が少ないので、こうしたシルクスクリーンで1枚ずつ手作業でプリントされたTシャツやラプラプ(腰巻き)が売られています。
マスクファスティバルでは、トゥブアンやバイニン族がプリントされたTシャツや布バッグもあります。持っていると地元民の人気者になるかも?
トゥブアン人形
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最初はおっさんの生足ばかりに気を取られる精霊トゥブアンですが、お祭りが進むごとになぜかだんだん好きになってくるのです……。
このお祭りできっとトゥブアンにハマる人もいるはず!なかなか売られていないので、見つけるとレアな一品です。
マッドマンのお面
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マッドマンの登場終了後、写真を撮らせてもらっていると、「このお面、買わないか?」と向こうから声を掛けてきました。
値段は約8,000円。私はその後の旅が長くなる予定だったので、購入しませんでしたが、短期旅行なら買っていたかもしれません。
4.シェルマネー
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パプアニューギニアではかつてシェルマネーが使われていました。今はどうか分かりませんが、私が初めてこの国を訪れた2011年の時点では、遠方の島ではまだシェルマネーが使用されていました。
ただ、お土産屋で見ることもあまり無いので、見つけるとラッキーです。
ビルム
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「ビルム」とは、この国の女性達が紐のような糸を手で編んで作る手作りのバッグで、カラフルな色と多様なデザインが特徴。
パプアニューギニアでは老若男女ビルムを使っているほどの国民的バッグなので、マーケット等でも比較的手に入りやすいです。
マスクフェスティバル概要(期間・アクセスなど)
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パプアニューギニア、特に離島では非常にのんびりした時間が流れています。予定というものは、あって無いようなものなので、時間・期間には余裕を持って行きましょう。
・名称:マスクフェスティバル
・開催場所:ニューブリテン島,ココポ(ラバウル)
・アクセス:首都のあるポートモレスビー空港からラバウル空港へ。空港から車で約15分でホテルなどあるココポ市内へ。お祭りが開催されるビーチ、広場へは徒歩で移動可能。
・開催時期:毎年7月
・開催期間:大体3日~7日くらい ※その年による
・入場料:150キナ(約6,000円)※期間中通し券(2018年の価格)
・公式サイトURL:パプアニューギニア駐日大使館公式ホームページ
マスクフェスティバルでの注意事項
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暑さ対策をしっかりと
非常に暑い時期に開催され、会場は日陰も少ないです。帽子、日焼け止めは必須。出来れば日傘もあるといいでしょう。
熱中症対策として忘れてはいけないのが水分補給。飲み物は会場で生ココナッツジュースや水も購入でき、商店などで買う価格とそれ程変わりません。
日本から持って行くのであれば、粉末のスポーツ飲料などを持って行って、水で溶かして飲むのもおすすめです。
旅行期間、時間には余裕を持ってスケジュールを組もう
前述したように、パプアニューギニアの「パプアタイム」はそれはもぅゆるやかに流れます。予定が狂うことは当たり前、というくらいの覚悟で、旅程を組みましょう。
スリ、強盗に注意!
島をあげての一大イベントなので、非常に人が多いです。スリやひったくりに遭わないためにも、荷物は肌身離さずしっかり管理しましょう。
また、夜は出歩かないことはもちろん、ホテルなどから出てくる外国人観光客狙いの強盗もいるので、昼間でも人気の無い所へは一人で出歩かないようにしてください。
ラバウル観光も楽しもう♪
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せっかくここまで来たのなら、お祭りだけではなく、観光もしましょう!
世界各地の海を潜ったダイバーも絶賛する透明度の高い海では、シュノーケリングでも、クマノミやエンゼルフィッシュなど、カラフルな魚が沢山見ることが出来ます。
その他にも、ココポから車で約1時間ほど行った所に「タブルブル山」という幾度となく噴火を繰り返している活火山があります。
かつてはこの地にラバウル空港があったのですが、1994年の噴火により、町が壊滅してしまいまい、現在もタブルブル山麓の黒い火山灰の下には町が埋まっています。
第二次世界大戦で日本軍が駐屯していたラバウルでは、司令長官・山本五十六の軍事基地や当時使われていた日本の軍用機や、戦争慰霊碑などもあります。
ジャングルの中に打ち捨てられた軍用機はまるでラピュタの世界のようでした。
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ラバウルの観光スポットへは、公共の交通機関で行くのは非常に難しいので、宿泊しているホテルの人に聞いてみましょう。
多少高くても安全に快適な旅をしたいのであれば、ツアーやアクテイビティが充実しているホテル「Kokopo Beach Bungalow Resort」がおすすめです。
空港からの送迎はもちろん、マスクファスティバルの際には専用のツアーも開催されます。
私はお祭りの情報を聞きに何度かこのホテルに行きましたが、宿泊していないにも関わらずとても親切に対応して頂きました。
Kokopo Beach Bungalow Resort公式ホームページ
他では類を見ないお祭り!「マスク・フェスティバル」
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世に変わったお祭りは沢山あれども、これほどインパクトのあるお祭りにはなかなか巡り合いません。
精霊「トゥブアン」は、あんなに変わった出で立ちなのに、見ている内にどんどん可愛く見えてくるし、バイニン族の真夜中のファイヤーダンスは、今もなお鮮明に脳裏に焼き付けられています。
是非一度、このマスクフェスティバルの開催時期に合わせて、パプアニューギニアに訪れてみて下さい。きっと今までには無い、変わった旅の思い出ができること間違いなし!