最近よく聞く「エシカル」って何?二ュージーランドで気づかされた大切なこと
最近「エシカル」や「フェアトレード」などのワードを聞くことが増えてきました。少し難しそうなイメージですが、日本でも外務省が「持続可能な開発目標」(SDGs)を発表したり、その動きがじわじわと浸透してきています。
今まで全く意識していなかった筆者が、エシカルに興味を持ち始めたのはニュージーランドがきっかけ。2018年に初めてニュージーランドに訪れたとき、自分の中で今まであまり実感のなかったことが、ようやく現実味を帯びてきました。
今回は、筆者がニュージーランドで触れてきた「エシカルな思想」や「エシカル消費」についてご紹介します。
「エシカル」ってどういう意味?
エシカルとは、英語で「倫理的」を意味します。法律で定められている決まりではなく、人が良心的に考えて良いと思う社会的規範のことを指しています。少し難しく聞こえるかもしれませんが、エシカルな消費とは優しく言うと、環境にとって良いものを選ぶということ。
例えば化粧品で考えると、化学製品が多く含まれたものよりも、自然のもので作られた化粧品の方が人間の肌にとって良いですよね。食品に関しても、オーガニックなものを取り入れた方が身体が喜びます。実際に肌の調子が良くなったり、身体の不調も少なくなったりしたように感じました。
そして途上国の生産者と適正価格で取引をし、生産者の生活の改善を目指すフェアトレードも、エシカルの考え方のうちの一つです。
「人や環境に良いものを選ぶのは理解できたけれど、やっぱり難しそう」と思う人も多いはず。日本ではまだあまり頻繁に触れる機会もなく、堅苦しいイメージがあるのも事実だと思います。筆者もそう思っていましたが、エシカル消費を取り入れるのは、意外と簡単。
ニュージーランドでは、自然と「エシカル」の考え方が根付いており、当たり前のように取り入れている環境に驚きました。ここからは筆者がニュージーランドを訪れ目にしてきた、エシカルを取り入れた事例をいくつかご紹介します。
プラスチック製のストローの代わりにステンレス製を使用
2018年には、大手のスターバックスやマクドナルド社がプラスチックのストローを廃止することを発表し、話題となりました。
プラスチックストローの多くがリサイクルされず、ごみの廃棄や野生の動物に害を与えるなどの問題が重視され、プラスチックの代わりに紙のストローを導入する企業やお店も増えてきています。
ニュージーランドの「ボーゲル・ストリート・キッチン」でドリンクをオーダーした際、運ばれてきたのはドリンクとステンレス製のストロー。洗って繰り返し使えるもので、プラスチックのストロー問題に考慮した取り組みがされています。
最近ではネット通販でも簡単に手に入れることができ、少しずつ私たちの生活にも身近になってきました。
・名称:Vogel Street Kitchen
・住所:76 VOGEL ST. WAREHOUSE PRECINCT. DUNEDIN 9016. NZ
・営業時間:(月)〜(木)7:30〜15:00、(金)7:30〜16:00、(土)(日)8:30〜16:00
・定休日:なし
・公式サイトURL:http://www.vogelstkitchen.nz/
フェアトレードで質の良い豆を仕入れて提供
ニュージーランドの都市、ウェリントンにある「フライト・コーヒー&ザ・ハンガー」は、地元の人に愛されるカフェ。朝から多くの人が訪れ、それぞれコーヒーを楽しんでいます。
こちらはコーヒー焙煎所兼カフェで、主流のエスプレッソのほかにもエアプレスやフィルターなど、さまざまな方法でコーヒー豆の味わいを楽しむことができます。同じ豆でも、こんなにも味が変わるのかと驚いてしまうほど。
カウンターには、ボトルのリサイクルを促すポップも。お店で提供した容器を再びお店に返して繰り返し使うこの動きは、カフェ以外のお店でもみられました。
お店の方に話をうかがうと、使用している豆はフェアトレードで世界中から豆を買い付けていると話してくれました。生産者とは直接取引をしていて、より良い豆を取り入れようとしているとのこと。
一般的にオーガニックやフェアトレードは品質が悪いと思われることも多いそうですが、こちらのお店では質の高さを売りにしているそうです。
コーヒーを飲むだけでは一見、自分がエシカルな消費をしているようには思えないかもしれませんが、フェアトレードのカフェを利用することで、間接的に生産者の活動を応援することにもつながります。
・名称:Flight Coffee and The Hangar
・住所:119 Dixon St, Te Aro, Wellington 6011 ニュージーランド
・電話番号:+64 4-830 0909
・公式サイトURL:https://www.wellingtonnz.com/discover/eat-and-drink/flight-coffee-hangar/
エシカルでサスティナブル(持続可能)なファッション
エシカルファッションも、海外では主流になってきました。ウェリントン生まれのファッションブランド「コウトウ」も、エシカルで持続可能なファッションを提案しています。デザインはシンプルで、使われているのは全てオーガニックコットンです。
プラスチックのボタンは使わず、ファスナーなどの金属製のものも未使用。手に取りやすいシンプルで洗練されたデザイン、そして触り心地や着心地がよく、消費者にとっても嬉しい点ばかりです。
All photo by abe saxophone
化学繊維が使われ、大量生産されたファストファッションが溢れていますが、服を買うとき、どんな背景があるのか少し考えてみませんか?
・名称:Kowtow
・住所:Level 5, Anvil House, 138-140 Wakefield Street, Te Aro, Wellington
・営業時間:月〜土曜 10:00 – 17:00、日曜 11:00 – 16:00
・公式サイトURL:https://nz.kowtowclothing.com/
生活に取り入れてみるのが、エシカル消費への第一歩
いくつか、ニュージーランドで見たエシカル消費の例をご紹介しましたが、無理にエシカル消費を取り入れようとする必要はありません。エシカルと聞くと難しい活動のように思えますが、ニュージーランドでいくつかの事例を見て、自分のできるところから取り入れることが大切なのではないかと思いました。
自分が気づいたときに、無理のない範囲で実践してみるところからはじめてみませんか。安さや便利さで選ぶのではなく、環境にとって、自分自身にとって良いものを選択してみましょう。
「ステンレス製のストローが思ったよりもよかったから、友達に勧めてみようかな」「フェアトレードを提唱していたカフェに行ってみよう」その行動だけでも、エシカル消費につながっています。
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