【保存版】太陽の国「メキシコ」の世界遺産全まとめ(34ヶ所 写真43枚)
みなさんはメキシコのことをどれくらい知っていますか?メキシコにはアートな大都会「メキシコシティ」から、ビーチリゾート「カンクン」、砂漠にジャングルと旅行者を魅了する感動がたくさんあります。
今回は中でもメキシコの世界遺産全34件をご紹介します。
古代都市チチェン-イッツァ
9世紀から13世紀にかけて栄えたマヤ文明の遺跡です。ククルカンの神殿と呼ばれる遺跡で最も際立つ階段状のピラミッドや、その隣りには生贄となった人の心臓が捧げられていた戦士の宮殿と呼ばれる建物があり、チチェンイツァでこの古代都市を築いたマヤ人たちの信仰対象や宇宙観が見てとれます。1988年に世界文化遺産に登録されました。
古代都市ウシュマル
photo by Grand Velas Riviera Maya
古典期後期から後古典期にかけてのマヤ文明の遺跡ですが、都市の占地が行われた時代ははっきりしていません。遺跡内の建造物はおよそ紀元700年から1100年の間に建てられたもので、2万5千人ほどが暮らしていたと推定されており、現在でも考古学的な研究が進められています。総督の館、魔法使いのピラミッド、尼僧院、大球戯場がとりわけ有名な建造物です。
古都グアナフアトとその銀鉱群
1548年に偶然発見された銀鉱脈から、銀工業で発展した町です。17世紀から18世紀にかけて最盛期をむかえ、不毛の地には10万人もの人が住み、スペイン風のバロック様式の建築物が次々と建築されました。
町にはサンタ・マリア・デ・グアナフアト聖堂やバレンシアーナ聖堂、グアナフアト大学などが残っています。1988年に世界文化遺産に登録されました。
古代都市テオティワカン
photo by Karl-Ludwig Poggemann
紀元前2世紀頃に築かれたといわれている古代都市テオティワカン。一度は滅びたものの、14世紀にアステカ人が聖地としたことで再度繁栄することになった古代メキシコ文化圏の中心都市です。
テオティワカン文明の中心であったこの大都市は宇宙観、宗教観が現れた巨大な宗教都市でした。1987年より世界文化遺産に登録されています。
メキシコ・シティ歴史地区とソチミルコ
メキシコシティのスペイン植民地時代の建物が並ぶ歴史地域と、水郷ソチミルコ。植民地の首都として16世紀に建設された都市で、250年もの月日をかけて改築された大聖堂、アラメダ公園、国立宮殿などが残っています。
ソチミルコにはスペイン人の侵略前に統治していたアステカ帝国の独創的な農耕法が今でも受け継がれており、これらが評価され、共に世界文化遺産に登録されました。
シアン・カアン
カリブ海に面した美しい自然保護区シアン・カアンは、古代マヤ文明の言葉で空の生まれた場所という意味を持っています。
陸には熱帯雨林、海には広大な珊瑚礁が広がり、多様で豊かな自然環境は100種類以上の哺乳類、100種類以上の鳥類、約1200種類の植物の生息地となっています。1987年に世界自然遺産に登録されました。
プエブラ歴史地区
メキシコに入植したスペイン人たちが早々に築いた街がプエブラです。それまで未開の土地であったプエブラで陶器作りに適した良質の土が多く発見されたことで、現在に残る歴史地区には、スペインの陶器産地であるタラベラから伝えられたタイル装飾のある美しい建物が立ち並んでいます。1987年に世界文化遺産に登録されました。
エル・ビスカイノのクジラ保護区
毎年12月から3月にかけて、アラスカからやってくるコククジラの繁殖地となっている保護区です。エル・ビスカイノ生物圏保護区の中で、オホ・デ・リエブレ湖とサン・イグナシオ湖の二つの潟湖が世界遺産に登録されています。
観光客による過剰なホエールウォッチングで環境が悪化したため、現在は観光に規制がかかっています。
ケレタロの歴史史跡地区
スペイン人と先住民が平等に暮らせる町を目指して、1531年にケレタロの建設が始まりました。先住民とスペイン人が共生した稀少な殖民都市です。
西にスペイン人居住区、東に先住民居住区が広がり、歴史地区にはサン・フランシスコ教会、サンタ・クルス修道院、サン・アグスティン教会など植民地時代の建物が残されています。
ソチカルコの古代遺跡地帯
650年から950年頃にかけて、トルテカ文明の中心地として栄えたソチカルコの遺跡からは、ピラミッド型神殿や石碑などが発掘されています。
神殿の壁面には、トルテカ人が崇拝していたケツァルコアトルの装飾が彫られており、トルテカ文明の特徴でもあります。遺跡には周辺の文化の要素も見られるほか、後のアステカ文明にも大きな影響を与えたと考えられています。
リュウゼツラン景観と古代テキーラ産業施設群
世界的にも有名なメキシコの名酒テキーラは、リュウゼツランという植物から作られる蒸留酒で、2000年以上前から発酵飲料として使用されていたのを入植したスペイン人が蒸留酒にしたのが始まりです。
2006年に世界遺産として登録されたエリアには大農園、蒸留所、工場とかつてテキーラを密造していたタベルナスと呼ばれる施設などが点在しています。
オアハカの中央渓谷のヤグールとミトラの先史時代の洞窟
アメリカ大陸最古の植物栽培をした跡がある遺跡で、オアハカ盆地のギラ・ナキツ洞窟の中にあります。ヒョウタンやカボチャが栽培されていた跡が発見されており、とりわけヒョウタンはアメリカ大陸で最初に栽培された植物とされています。
周辺にはサポテカ文明の考古遺跡ヤグールがあり、共にメソアメリカ文明の生活様式の変化を伝える遺跡として評価されています。
モレリア歴史地区
photo by Christopher William Adach
スペインが植民地化したメキシコの都市の中でも交通の要衝であったバリャドリードが、現在のモレリアです。旧市街にはインディオたちによって築かれた大聖堂やスペインからの独立の指揮をとったモレロスゆかりの建造物など、16世紀以降の植民地時代の建築物が多く残っており、1991年に世界文化遺産に登録されました。
ポポカテペトル山腹の16世紀初頭の修道院群
標高5452メートルのポポカテペトル山に広がる修道院群で、全ての中で代表される14が1994年に世界文化遺産に登録されました。
スペインから訪れたドミニコ修道会、フランシスコ修道会、アウグスティヌス修道会などからの修道士が布教活動をはじめて建てられたもので、屋外開放型礼拝堂という先住民が受け入れやすいように考えられた特徴的な礼拝堂を備えています。
トラコタルパンの歴史遺跡地帯
16世紀にスペイン人によって河港都市として建設された都市で、内陸の物産を運ぶ水上輸送の要所として栄えました。大火事で一度焼失したため、街並みは変わりましたが、西インド諸島とスペインの建築様式が融合した独特な景観を保っています。コロンブス広場をはじめ、カンデラリア聖堂やサン・クリストバル教会などが残されています。
ルイス・バラガン邸と仕事場
20世紀のメキシコを代表する建築家ルイス・バラガンの自宅です。仕事場としても使用されていたルイスの家は、3階建てのコンクリート造りで、ルイスの建築の特徴である内部空間の使い方や庭園の特徴が、伝統とモダニズムを融合させたスタイルという点で高い評価を受けています。2004年に世界文化遺産に登録されました。
サン・ミゲルの要塞都市とヘスス・デ・ナサレノ・デ・アトトニルコの聖地
サン・ミゲルは16世紀にグアナファト州に建設された要塞都市です。18世紀に行われた都市改造によって、メキシコ・バロック様式の建物が多く建てられました。
ヘスス・デ・ナサレノ・デ・アトトニルコの聖地には、大聖堂や6つのチャペルをはじめとするバロック様式の建築物が集中しています。2008年に世界文化遺産に登録されました。
古代都市パレンケと国立公園
古代マヤ文明後期の都市遺跡で、碑文の神殿、太陽の神殿、十字の神殿、その他宮殿などが残っています。1952年の考古学者アルベルト・ルスの調査の際に、碑文の神殿の地価墓室からはパカル王の遺体も発見されました。
遺構からはマヤの高度な文明を知ることができ、貴重な遺跡であることが評価され、1987年に世界文化遺産に登録されました。
サカテカス歴史地区
16世紀に巨大な銀行脈が発見されたサカテカスは、その富によって美しい街並みが築き上げられました。かつての銀鉱山の跡はエデンと名づけられ、観光客はトロッコに乗って坑内を見学することができます。
メキシカンバロック様式を代表するサカテカス大聖堂を中心に広がる歴史地区は、1993年に世界文化遺産に登録されました。
グアダラハラのオスピシオ・カバーニャス
オスピシオ・カバーニャスは、病院や作業所が併設された施設で、孤児や老人、身体障害者、慢性疾患患者を救済することを目的に1810年に築かれました。
施設内部は豪華な絵画で装飾されており、画家ホセ・クレメンテ・オロスコの絵は100点以上にも上ります。メキシコの福祉政策のモデルとなった施設として、1997年に世界文化遺産に登録されました。
カンペチェ州、カラクムールの古代マヤ都市
1931年に熱帯のジャングルの中で発見された古代都市遺跡です。紀元前4世紀から10世紀に栄えた都市で、最盛期にはマヤ文明最大級の都市に匹敵する規模でした。
遺跡からはピラミッドや宮殿、球戯場などが発見されており、保存状態も良好です。マヤ芸術において高い評価をうける石碑も多く発見されており、2002年に世界文化遺産に登録されました。
メキシコ国立自治大学(UNAM)の中央大学都市キャンパス
ラテンアメリカで最大規模の総合大学で、60名以上の建築家、芸術家、技術者たちの手によって築かれました。敷地内には大学本部の建物の他に、博物館、オリンピックスタジアム、彫刻空間などがあり、中でも全面にアステカ人とスペイン人をモチーフにしたモザイク画が施されている中央図書館が有名です。2007年に世界文化遺産に登録されました。
エル・ピナカーテとグラン・デシエルト・デ・アルタル生物圏保護区
北米4大砂漠の一つであるソノラ砂漠内にある生物圏保護区で、ピナカテ火山の噴火活動によってできた神秘的な地形と、巨大な砂丘群を有する広大なアルタル大砂漠によって構成されています。
ソノーラプロングホーンをはじめとする固有種が生息し、砂漠特有の乾燥した気候に適応した植物が自生しています。敷地内には10箇所の巨大なクレーターがあり、地質学的にも貴重とされ、世界自然遺産に登録されました。
オアハカ歴史地区とモンテ・アルバンの古代遺跡
16世紀から18世紀にかけてスペインの植民地となっていた時に建てられた美しい建築物が並ぶ街並みが広がる歴史地区。メキシコバロックで建てられたサント・ドミンゴ聖堂をはじめとする建築物が残っています。
モンテ・アルバンはサポテカ族によって紀元前500年頃に築かれた宗教都市で、ピラミッド型の神殿や宮殿が残り、歴史地区と共に世界遺産に登録されました。
古代都市エル・タヒン
800年頃に栄えたメソアメリカ文明の古代都市で、365個の窪みが並ぶ不思議な形のピラミッドが特徴的で、この窪みは太陽暦を現しています。
エル・タヒンというのはタヒンと呼ばれる12人の雷神の神が住んでいたというトトナカ族の神話伝承に由来する名前です。そのため、トトナカ人によって建てられたという説がありましたが、現在はワステカ人によって建設された説が有力となってきています。
カンペチェ歴史的要塞都市
16世紀にユカタン半島で最初にスペイン人によって築かれた殖民都市です。スペインとメキシコの植民地を結ぶ重要な貿易港として栄えました。
18世紀に完成した要塞は、新大陸から集まる富を狙う海賊の攻撃から街を守るために建設されましたが、現在では町の城砦の一部が残るのみとなっています。1999年に世界文化遺産に登録されました。
カリフォルニア湾の島々と保護地域群
photo by Ana Rodríguez Carrington
photo by Ana Rodríguez Carrington
複雑な形をした海底地から吹き上がる大量のプランクトンをエサとするクジラたちが集まるカリフォルニア湾。ここにはクジラ類の30%の種が生息してる他、絶滅危惧種のコガシラネズミイルカをはじめとする固有種が多く生息しています。
湾内に浮かぶ244もの島々と9箇所の保護地域がまとめて世界自然遺産に登録されました。
エル・カミーノ・レアル・デ・ティエラ・アデントロ
アメリカのサン・ファン・プエブロから、メキシコの首都メキシコシティまで続く2560キロの道路です。16世紀から19世紀にかけて、メキシコで採掘された銀を中心に様々なものがこの道を通って陸上交易の要となっており、銀の道という異名も持っていました。メキシコの部分のみが2010年より世界文化遺産として登録されています。
サンフランシスコ山地の岩絵群
バハ・カリフォルニア半島にある山岳地帯で、18世紀に発見された多数の壁画群です。洞窟の壁や天井に描かれた絵は、現在までにおよそ400箇所で発見されており、長期において人が立ち入らなかったために良好な保存状態が保たれています。
狩りをしている人間や、ピューマやクジラなどの動物が描かれており、メキシコ芸術の遺産であることが評価され1993年に世界文化遺産に登録されました。
パキメの遺跡、カサス・グランデス
メキシコ南北の先住民たちが交易した商業都市として14世紀頃に最盛期を迎えたと思われる都市遺跡。まるで迷路のように入り組んだ外観は、壁のみが残った街の遺構です。
セントラル・ヒーティングの設備もあったと思われる高度な技術が住居遺跡や出土品から見て取ることができます。1998年に世界文化遺産に登録されました。
ケレタロのシエラ・ゴルダのフランシスコ修道会伝道施設群
フランシスコ会のメキシコにおける布教活動の拠点として建設された施設です。18世紀半ばにジュニペロ・シェラ神父により、先住民の協力を得て五つの教会を建てました。
その周辺に先住民たちの集落が建設され、教会を中心に固有の文化が生まれ、これをきっかけにアメリカ南部に布教活動がさらに広がりました。これらが評価され、2003年より世界文化遺産に指定されています。
オオカバマダラ生物圏保護区
メキシコ中南部のアンガンゲオ近くの生物保護区に、冬を越すためにアメリカ北部からやってくる蝶、オオカバマダラ。秋に3000メートルもの距離を移動し、冬を越して春になるとまた北へ飛んでいきます。
なぜこの長距離を旅するのかはまだ解明されていませんが、旅立つ春には1億5,000万匹もの蝶が舞う音が森に響き渡る、自然の驚異を見ることができます。
パドレ・テンブレケ水道橋の水利システム
16世紀に建設された、メキシコのメヒコ州とイダルゴ州に位置する水道橋。ヨーロッパの水利技術とアメリカ先住民の文化との融合が優れているとして、登録されました。
レビジャヒヘド諸島
photo by Presidencia de la República Mexicana
メキシコ、コリマ州のマンサニージョ市に属しているレビジャヒヘド諸島は、2016年に世界遺産に登録されました。
サンベネディクト島、ソコロ島、ロカパルティダ島、クラリオン島の4つの火山島で形成されており、動植物が多く生息していることから「メキシコのガラパゴス」という名もあるそう。
まとめ
お疲れ様でした。 メキシコに行ってみたい!と思っていただけたでしょうか。もし、スケジュールに融通できるならメキシコ最大のお祭り「死者の日」に合わせるのがおすすめです。とにかく明るく陽気なメキシコの文化をたくさん楽しむことができますよ。