海上で傾く戦艦や吹き上がる炎。そして、物凄い勢いで空を真っ黒に染めていく黒煙──。「真珠湾攻撃」の映像を初めて見たとき、前述したような光景が頭から離れなかったのを覚えています。

もう76年前の出来事ですが、この惨禍を逃れた船のひとつが今、新たな目的のもと、イギリス領バージン諸島沖の海底に沈んでいることをどれくらいの人が知っているでしょうか。

戦火をくぐり抜けた船が、今注目される理由とは?

当時の船と聞けば、すでにボロボロであることは誰もが想像できることでしょう。しかし、決して用無しの状態で海の中にあるわけではありません。

これは、北欧に伝わる海の怪物「クラーケン」をモチーフとしたアートが取り付けられた、インスタレーションなのです。

冒頭でも触れたように、船は真珠湾攻撃を“生き残った”歴史あるもの。アートと掛け合わされることで、海中でより強い存在感を放っています。

今年の春に沈められましたが、フォトグラファーOwen Buggy氏が撮影した写真が10月に公開されると、その存在は徐々に知れ渡っていきました。

また、船はサンゴの再生や生態系などを研究するためのプラットフォームとしても活躍していくそう。

ここまで話すと大活躍しているように思える船ですが、もともとはスクラップされる運命にあったということです。戦争や“ガラクタ”として扱われた過去を乗り越え、今やっと観光客誘致や研究プラットフォームという大役を担っていると思うと、妙に感慨深いものがあります。

以下の動画は、クラーケンを船に取り付ける作業から10隻以上もの船に囲まれて海の中に沈められる様子を映したショートドキュメンタリー。気になる人はぜひ視聴してみてください。

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