こんにちは、トラベルライターの土庄です。12月下旬、福井県鯖江市で行われたワーケーションモニターツアーに参加してきたので、今回はそのレポートを寄稿したいと思います。

ワーケーションは、房総半島に続き、2度目の経験。こちらはアウトドア色強めで、バケーションとワークの両立に主眼が置かれていましたが、今回は着眼点がガラリと変わったツアーとなりました。

普通の旅とは違った「」という概念。鯖江では、”伝統産業”と””を両輪に据えることで、地方創生の一つのモデルを垣間見せてくれたような気がします。学びと同時に、癒しも存分に得られた今回の旅。私と同世代の若者がメッチャ盛り上げている町・鯖江。その魅力を振り返っていきましょう!

福井アンバサダーから「鯖江ワーケーションツアー」へ



本取り組みの発端となったのは、私が普段仕事を頂いている旅人求人サイト・SAGOJOが募集していた「福井アンバサダー」。福井県の各種自治体と個性豊かな旅人をマッチングして、福井を盛り上げていこう!というプロジェクトです。



今回その一環として、12月下旬に「鯖江ワーケーションモニターツアー」にお誘い頂きました。JCH(Japan Craft House)という大きな古民家で仕事をしながら、鯖江観光や地域の伝統工芸を見学&体験しよう!という4泊5日のツアーになります。



福井県には何度も足を運んでいますが、鯖江は初。”メガネの町”という程度しか知らなかったのですが、この滞在の中で実感したのは、”ディープな魅力が根付く”鯖江の顔。「暮らすように旅をする」という響きが非常によくマッチする町です。

鯖江ワーケーションツアーの振り返り



それでは「鯖江ワーケーションツアー」の内容を振り返ってみましょう!

現地での各種イベントを並べてみると、鯖江は”一般的な観光とはまた違うポテンシャルをもった地域”だと、改めて気付かされます。キーワードは「伝統工芸」と「人」の2つです!



広々とした古民家・JCHに宿泊。快適なドミトリー、Wifi環境も充実していて嬉しい!



ツアーで漆琳堂で越前漆器を見学!スタイリッシュな見た目が漆器のイメージを変えます。



緩やかな輪となって地域を盛り上げる、若い移住者たちとの交流が楽しい!



「Hacoa」の木製品作り。”図面はものを作ってから描く”というこだわりに驚き!



お気に入りのメガネフレームで、個性的なバングル作り!意外と映えませんか!?(笑)



地元の方々とお餅つきで交流!子供の頃に戻ったような、どこか懐かしさを感じる時間。



つきたてのお餅をいただく。ちょっぴり辛いおろし醤油餅は病みつきになるおいしさ。



「めがねミュージアム」で、職人技の歴史に触れる!(金ピカめがね欲しい。。。)



ショップでおしゃれメガネを装着!すごく似合ってたけど(自画自賛)、お値段で断念。



車で山間部へ走れば、そこは水墨画の世界。今年初の雪景色にテンションUP!!



SAGOJO旅人みんなで「永平寺」へ。しっとりとした静けさと情緒が溶け込んでいました。



鯖江の伝統的調味料・山ウニ作り!表情が物語っているけど、意外と体力勝負なんだよな(笑)



鯖江の町歩きでは欠かせない!食べ歩けるソースカツ丼「鯖江ドッグ」にかぶりつく。



お茶漬けに、お雑煮に、たこ焼きに、何にでも「山ウニ」が本当に合う!気になる人は「山うにの里「ほやっ停」|越前隊」をチェックしてみてね!



地域憩いの場・尾花屋でクリスマスパーティー。畳の大広間は居心地が良すぎて・・・!!



パーティでは鯖江ならではの”温かい地域の輪”に加わる。実質半分カラオケ大会だったけど(笑)。



地域の人と旅人で食卓を囲む。このなにげないひとときが、当たり前なようで実は一番の幸せだったり。



誰もが温かく、ナチュラル受け入れてくれる鯖江は、また必ず帰りたい場所。みおりちゃん、また来るね!

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RENEWが醸成!緩やかにポジティブに結びつく鯖江



「RENEW(リニュー)」というイベントをご存じでしょうか?福井県鯖江市・越前市・越前町で年に一度だけ開催される、ものづくりを見て・知って・触れる工房見学イベントです。2020年で6回目の開催を迎えました。

会期中、越前漆器・越前和紙・越前打刃物・越前箪笥(たんす)・越前焼・眼鏡・繊維の7産地の工房・企業を一斉開放し、見学やワークショップを通じて、一般の人々が作り手の想いや背景を知り、技術を体験しながら商品の購入を楽しめます。



そして同時に、鯖江で生業を営む作り手が、自らの技術や生み出す製品に誇りを持ち、さらに深化させていくという役割も担っており、一般の人々と作り手の相互作用による地域活性化をコンセプトに掲げています。

今回強く感じたのは、このRENEWがもたらしている”新しい風”。



自転車旅で日本の田舎をよく訪れる私ですが、そこでは「田舎は何にもない場所」と、自分の住むエリアを卑下する地元の方に出会います。しかしながら今回は、そうした発言をまったく聞かず、「魅力的な鯖江をもっと楽しみ、味わってほしい!」という方々に多く出会いました。

この地に暮らす人々の気風を、ポジティブ思考へ。これこそRENEW最大の功績で、鯖江の魅力の核となっています。「地域の人々が、緩やかに同じ方向を向ける」これこそ地方創生において一番大事なことかもしれません。

伝統から新しいものを紡ぐ!伝統産業の最先端



今回のワーケーションでは、仕事の隙間時間を使って、鯖江が誇る伝統工芸の工房やショップを中心に巡りました。そこでは前述したように、この地域の工芸の魅力を深く知ることができたのですが、その中でひとつ大きな学びがありました。

それは「伝統から新たなものを紡ぐ」ということ。



越前漆器の塗装技術を生かして生まれた「tokyobike」。



セルロースアステート(メガネ素材)の商社としてメガネメーカーのニーズに応えてきたことで、加工技術力をつけ、その技術をアクセサリー事業へ転換した「KISSO」。



従来、木で作られてこなかった日常のあらゆるものを、木で作り上げることで、木材の素材的価値や見方を変える「Hocoa」。

今まで歩んできた中で培った技術を駆使して新たなものを世の中に生み出そう!という情熱と気概を感じられました。



半径10キロメートル圏内に7つの伝統工芸が集まり、絶えず革新を生み出している「鯖江」という地は、まさに日本の伝統工芸の最先端と言っていいかもしれません。



一方で、この学びは、何も「ものづくり」だけにとどまらないはず!鯖江の伝統工芸と同じように、私たち個人としても、社会人として培ったスキルや経験を、何か新しいものを生み出すために活用していく。将来、何かを生み出すために、スキルや経験を磨いていく。

それがとっても大切だということを、まさに教えてくれているようです。

若い移住者たちが実践!ローカルな悠々自適ライフを知る



コロナ禍で働き方が大きく変わってきた昨今。

・今後の人生をどのように設計していくか?
・フルリモートワークを導入しても、仕事をできるんじゃないか?
・生活をする上で何を大切にしたいのか?理想としたいのか?

仕事やプライベートについて考える機会も増えたのではないでしょうか。



そんな今だからこそ、今回の「鯖江ワーケーションツアー」に参加できたことが、大きな意義を持っていたように感じられます。

モニターツアーでは、至るところでJCH近くのシェアハウス(通称・森ハウス)に住む同世代の若いフリーランスの人たちとの交流がありました。



いろいろな仕事を掛け持ちながら悠々自適に暮らしている姿が印象的で、みんなお互いのマイペースを尊重し合いながら、自然と歩調を合わせ、緩やかに一体感をもって動いていました。

「自分がどのように暮らしたいのか?」「何をして地域を盛り上げていきたいか?」主体的に考えて、試行錯誤を繰り返しながら、仕事を楽しんでいたのです。



これは都会で会社員をするだけでは見つからない働き方や価値観、そして人生の過ごし方。

多様な生き方が可能になった現代だからこそ、自分と180度境遇が違う人たちと、自然体で、素で向き合える時間は、きっと自分の人生へ何かヒントを与えてくれるのではないかと思います。

<伝統工芸と人>鯖江が見出すワーケーションの可能性



日本各地には魅力的な地域がたくさんあります。それぞれに、自然、食、歴史、人など、さまざまな魅力があるでしょう。しかしながら、そうした地域において”ワーケーションツアー”を企画する場合、ともすると組み合わせる要素が多すぎて、なんだかわからないツアーになってしまう可能性があります。



ワーケーションという以上、仕事が前提です。バケーション要素が多い地域だと、ワークとのバランスが難しいという問題もあります。

そこで今回の鯖江に立ち戻ってみましょう。確かにバラエティー豊かな側面もある鯖江ですが、最大の強みとしては「ものづくり」の一点特化型。打ち出すべきテーマが明確です。

しかも「ものづくり」は、観光色が強すぎず、見学の時間もさほど要しません。仕事の合間にサクッと伝統工芸を学び、地域の理解を深める体験は新鮮で、ワーケーションと非常に相性がいいと感じました。

一点特化型の「鯖江」だからこそ、リピーターを生み出しやすいという展望も見出せました。例えば、以下2つのワーケーションの併用を私の解として、地域へフィードバックさせていただいています。

①今回のような、数日間の単発ワーケーションツアー



多くの人が対象。鯖江には一度きりという人が出る一方で、鯖江の魅力の認知度向上。少しずつでもリピーターを増やす。

②伝統工芸の職人に弟子入りワーケーションプログラム



仮に漆器なら、漆器製作を12講座に分け、1年の間で、1回目のワーケーションは1〜3講、2回目のワーケーションは4〜6講など、年間で複数回ワーケーションを行う。(日程調整は参加者の自由)。

もともと伝統工芸に興味を持っている層が対象。リピーターになりそうな人を、確実にリピーターにするのが目的。一回で1週間ほど滞在する中で、現地の暮らしや地域の輪にどっぷり浸かってもらう。



上記であれば、鯖江の最大の強み=ものづくりにフォーカスして、鯖江という地を知ってくれる人を増やし、そしてリピーターも確実に生むことができるのではないかと思います。

生活に彩りを!地域の魅力を買える「鯖江」+αの魅力



以上のように、今回お世話になった鯖江のワーケーションの可能性を見つめてみました。その中で最後に、結びとして紹介したいのが、”鯖江の魅力を持ち帰れる”ということ。

地域に滞在する中で、職人さんと会話をしながら「ものづくり」へ造詣を深めて、終わりではありません。その学びと思い出が詰まった工芸品を実際に購入して持ち帰ることができるのです。



コロナ禍により家にいることが多くなった今。鯖江での忘れられない時間を思い起こさせる、工芸品を手に取ることは、気が滅入りそうになる日常生活を少し前向きに、明るく彩ってくれるかもしれません。

普通の観光とは違う、福井県鯖江でのワーケーション。RENEWとともに、地域の新たな魅力を発信する一つのムーブメントになっていく可能性があるのではないでしょうか。

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