東西の世界が交わる場所「トルコ」の世界遺産17ヶ所を全て紹介
TABIPPO.NETでは、各国の世界遺産と観光名所を紹介しています。2017年時点で世界遺産の登録件数は1073件(167カ国)になりましたが、特に有名な場所以外はまだまだ知られていない場所もあります。
ヨーロッパとアジアの文化が重なるトルコでは、自然・文化の両面で多くの世界遺産が あります。そこで今回は、トルコの世界遺産全17ヶ所を紹介します。特にパムッカレがおすすめですよ。
イスタンブール歴史地域
アジアとヨーロッパの間に位置していることで東西文明の十字路と言われてきたイスタンブールは、歴史上常に重要な地位を占めてきました。
ローマ帝国、ビザンチン帝国、オスマン帝国の首都となってきたイスタンブールには、ブルー・モスクやアヤ・ソフィア大聖堂、トプカプ宮殿など、今なお旧市街に歴史的建造物が多く残っています。
photo by Enrique Freire
ギョレメ国立公園とカッパドキアの岩窟群
古代よりカッパドキアと呼ばれた地域の中心にあるギョレメ渓谷には、奇岩群が乱立するまさに自然の驚異と言える類まれなる絶景が繰り広げられています。
何万年にも渡る侵食や風化によって削り取られた凝灰岩で、その形は奇跡とも言えます。キリスト教徒によって6世紀頃から作られた洞窟聖堂や洞窟修道院などもあり、中にあるフレスコ画も重要な遺跡の一つです。
サフランボル市街
香料のサフランの集積地として繁栄したことから、サフランボルという名前がつきました。ここには先史時代からローマ時代にかけての遺跡が残っており、旧市街には博物館やモスク、トルコ式浴場や隊商宿など数多くの古い建造物が保存されています。
残されているイスラム建築による住居も数百もの数に上ります。1994年に世界文化遺産に登録されました。
ネムルット・ダー
標高2150メートルのネムルット山の頂上にある墳墓です。紀元前1世紀に栄えたコンマゲネ王国の国王、アンティオコス1世の墓です。
円錐形の墓の東西にはテラスがあり、ギリシャ神話の神ゼウス、ヘラクレス、アポロン、守護女神テュケ、アンティオコス王自身の5対の巨大な像の頭部が並んでいます。1987年に世界文化遺産に登録されました。
ヒエラポリス-パムッカレ
綿の宮殿を意味するパムッカレは、かつてより良質の綿花が多く産出される一大生産地です。石灰華段丘からなる丘陵地には、真っ白な棚田のように見える絶景が広がります。
その丘の一番上にはヒエラポリス遺跡があり、かつてはローマ帝国の温泉保養地として繁栄し、ローマ劇場やローマ浴場などが残っています。1988年に複合遺産として世界遺産登録されました。
セリミエ・モスクとその社会複合施設
エディルネにあるオスマン帝国時代に建てられたモスクです。建築家ミマール・スィナンにより建設され、スィナン自身が最高傑作とするイスラム建築の頂点の一つに建つ建築物です。
4基のミナレットが高く聳え、巨大なドームを有するモスクは大変美しく、キュッリイェと呼ばれる生活複合施設の中にあります。2011年に世界文化遺産に登録されました。
ディヴリーイの大モスクと病院
13世紀に建設された大モスクと病院。ルーム・セルジューク朝のアフメット王とその妻の命により建設されました。どちらも建築家アフラト・クルラムシャードによって建てられ、石造りの大モスクにはアナトリアとイスラムの混合様式が見られます。
扉には幾何学模様や植物や動物が描かれており、碑文も確認されています。1985年に世界文化遺産に登録されました。
クサントス-レトーン
トルコ南部にあるクサントスとレトーンは、どちらも海洋民族リュキア人の古代都市遺跡です。地中海に面している両都市は商業において発展しましたが、ペルシャ、マケドニア、ギリシャに侵略され、最後のローマによる攻撃で壊滅しました。
ローマ時代の遺構も残されており、劇場や教会、神殿などを見ることができます。1988年に世界文化遺産に登録されました。
ハットゥシャ :ヒッタイトの首都
紀元前17世紀から紀元前13世紀にかけて栄えたヒッタイト王国の首都であったハットゥシャ。ヒッタイト民族は中央アジアから移住してきた騎馬民族で、軍事的な技術に非常に長けていたと言われています。
8キロにも及ぶ城壁に囲まれた遺跡には、王宮や神殿が残されており、当時の繁栄ぶりを今に伝えています。1986年に世界文化遺産に登録されました。
トロイの古代遺跡
ずっと神話上の都市だと思われていたイリアスは、ハインリッヒ・シュリーマンによって1870年より3年の年月をかけて発掘された遺跡により、実在したことが証明されました。
この都は「トロイの木馬」の計略により、一夜にして壊滅した伝説の都市です。現在、遺跡には神話を元に復元された木馬が建てられています。1998年に世界文化遺産に登録されました。
チャタルヒュユクの新石器時代の遺跡
20メートルほどの高さの小さな二つの丘に新石器時代の遺跡が発見されました。東の丘では紀元前7400年から紀元前6200年頃の遺構が発掘され、日常生活や宗教儀礼などを描いた壁画やレリーフなどが見つかり、西の丘では紀元前6200年から紀元前5200年頃に描かれた写実的な女性像が多く発見されています。2012年に世界文化遺産に登録されました。
ブルサとジュマルクズク:オスマン誕生の地
オスマン帝国最初の首都であったブルサには歴史的建造物が数多く残されています。また、ジュマルクズクは700年もの歴史を持つ古い町で、オスマン帝国時代の生活の様子が伺える住宅などが残されています。
農村生活のコミュニティやかつての商業文化を今に伝えている二つの都市が、共に2014年に世界文化遺産に登録されました。
ペルガモンとその多層文化の景観
バクルチャイ平原の高台の高台にあるイズミルのペルガモン遺跡。古代ペルガモン王国の首都であったアクロポリスには、現在も神殿をはじめ、劇場、ギムナジウム、祭壇、柱廊、図書館などが残されています。
周辺の丘には石彫りのキベレの聖域と呼ばれる遺跡もあります。全てまとめて、2014年に世界文化遺産に登録されました。
ディヤルバクルの城塞とへヴセル庭園の文化的景観
ディヤルバクルの城塞とへヴセル庭園の文化的景観が位置するのは、肥沃な三日月地帯として知られるティグリス川上流盆地。長い間、中心地として発展してきた様子が表れています。
長さ5.8kmの城塞は、中国の万里の長城に次いで2番目の長さだと言われています。
エフェソス
イズミル県のセルチュク近郊に位置するトルコの古代都市。有名なアルテミス神殿は、紀元前356年の放火によって焼尽。市民は、放火したとされる者の名前を記録から消そうとしましたが、失敗してヘロストラトスという名前が残っています。
その後神殿は再建され、遺構は「世界の7不思議」とされています。
アニの考古遺跡
961年から1045年まで、バグラトゥニ朝アルメニアの首都として栄えたアニ。1236年のモンゴル人による侵略や地震によって、衰退の一途を辿りました。
キリスト教とイスラム教の影響を受けたアニには、文化が融合した建築が多く残されています。
photo by Panegyrics of Granovetter
アフロディシアス
トルコ西部カラジャスに位置する都市。女神アフロディテを祀る神殿で知られるアフロディシアスは、紀元前2世紀から西暦6世紀ごろまで栄えていました。
近くに大理石の採石場があったことから、芸術文化が盛んだったとのこと。
photo by Ana Raquel S. Hernandes
まとめ
いかがだったでしょうか。日本からイスタンブール(トルコ)へは直行便は運行されています。また、ヨーロッパやアジアの各都市を経由でも、様々な航路があります。ぜひ、東西の魅力が交わるトルコへ旅してみてはいかがでしょうか。