湖と森の国「スウェーデン」の美しい世界遺産まとめ(全15件、写真24枚)
スカンジナビア半島の東側に広がる王国「スウェーデン」は、社会福祉制度が非常に整った国として知られています。また、国土の6割は森林に覆われ、1割は湖や河という自然に恵まれた国です。
今回は、スウェーデンの美しい自然遺産を含む、すべての世界遺産をご紹介します。
ハンザ同盟都市ヴィスビュー
13世紀から14世紀にかけて、バルト海でのハンザ同盟の主要な中心地であったゴットランド島の要塞都市ヴィスビーは、かつてバイキングの拠点でもありました。
当時に建てられた城壁や倉庫、裕福な商人たちの住居が今もそのまま残っています。ジブリ映画「魔女の宅急便」の舞台にもなったと言われている美しい景色は必見です。
ラポニアン・エリア
ラップランドのうち、ラポニアン・エリアと呼ばれるスウェーデン北部の山岳地帯。最低気温−40℃を超える極寒の土地です。
サーミ人の故郷であり、先祖伝来のトナカイとの遊牧生活を現在も守っている世界で最後に残った地域の一つとして、世界文化遺産・自然遺産の両方に登録されました。神秘的なオーロラも観測されています。
タヌムの線刻画群
オスロ湾に面したストロムスタートという街にある遺跡で、紀元前1500年前から紀元前500年頃にかけての青銅器時代の遺跡が発掘されています。
狩人を含む狩りの光景、トナカイや牛などの動物、農作業に従事する人々、妊婦、呪術師、また日常生活に使われていた道具などの岩絵が残されています。1994年に世界文化遺産に登録されました。
カールスクローナの軍港
「カールの王冠」という意味をもつカールスクローナは17世紀にカール11世によって造られた難攻不落の海軍都市です。地形が複雑に入り組んだ沿岸に造られた海軍基地には、町全体を守るように7つの要塞が築かれ、約300年もの間、どの国からも攻撃を受けることがありませんでした。海軍の港と街が一体化した変わった風景が今も残っています。
ヘルシングランドの装飾された農夫の家
スウェーデン東部にある7つの木造家屋で構成されている農夫の家々は、ヘルシングランドに残る1000以上の木造建築物の中から選ばれ、2012年に世界文化遺産として登録されたものです。
中世から伝えられる木造建築を象徴する建築物として残されています。紳士階級の嗜好と民族的な伝統美術が見事に融合した装飾は、この土地ならではのものです。
photo by Britt-Marie Sohlström
ビルカとホーヴゴーデン
メーラレン湖に浮かぶ二つの島ビュルケ島とアデルスユー島には、ヴァイキングの故郷の古代遺跡があります。一つはスウェーデン最古の街とされているビルカ。
もう一つはスウェーデン最古のキリスト教集会所のあるホーヴゴーデンです。ホーヴゴーデンにはスウェーデン王族ゆかりの墳墓があり、墓や港は当時のまま残っているため、まるでタイムスリップしたような気分になれます。
ヴァールベリ・ラジオ放送局
1922年から2年間に渡り、ハッランド県ヴァールベリに超長波送信局が建設され、アメリカのロングアイランドにあるラジオセントラルとの間で、大西洋横断無線電信に運用されていました。
1960年代から使用されている二代目送信機は、現在もスウェーデン海軍が運営しています。毎年アレキサンダーソン・デーには特別記念局が開局されます。
シュトゥルーヴェの三角点アーチ観測地点群(スウェーデン内)
ドイツ系ロシア人の天文学者であるフリードリヒを中心に、ノルウェーにある世界最北の町ハンメルフェストから黒海のイズマイルまでの間を計測するために設置された三角観測地点群です。
約40年もの歳月をかけて設置され、最初はスウェーデンとノルウェーにまたがっているだけだったものが、現在は10カ国にもまたがっています。科学史においての価値を評価され、世界文化遺産に登録されました。
スクーグシュルコゴーデン
1915年から25年間かけて建設された、スウェーデン国内で最大規模を誇る共同墓地です。建築家エリック・グンナール・アスプルンドが生涯をかけて仕上げた代表作であり、葬儀に参列する遺族の気持ちまで考えて自然と調和した設計がされています。
近代建築の最高傑作のひとつとして高く評価され、1994年に世界文化遺産に登録されました。
エーランド島南部の農業景観
広大な石灰岩の大地が広がるエーランド島の南部には、牧畜を営みその自然と共存している人々が暮らしています。この土地の歴史は古く、5000年も昔から、人々はこの石灰岩質が生み出す特殊な地に適応して暮らす努力をしてきました。
今もその集落跡地が残り、その歴史的価値が評価され2000年に世界遺産として登録されました。
エンゲルスベリの製鉄所
良質な鉄鉱石が産出されるエンゲルスベリでは、17世紀から18世紀にかけて数多くの製鉄所が建設されました。製鉄業はスウェーデンの基幹産業であり、エンゲルスベリの製鉄所は20世紀初頭までそれをリードしてきました。
今現在もそれらの製鉄所が当時のままの姿で残されており、1993年より世界文化遺産に指定されています。
ルーレオーのガンメルスタードの教会街
15世紀初頭に建てられた美しい石造りの教会と、408にものぼる木造家屋や教会の倉庫が集まっている教会街です。教区が広大であったことと、昔は交通手段も限られていたために、これらの木造家屋は礼拝者の宿泊施設として使われていました。
現在でも日曜日や宗教祭事の際に使用されており、教会では結婚式をあげる人も少なくありません。
ハイ・コースト/クヴァルケン群島(スウェーデン側)
この群島一帯では、約9600年前から現在まで継続して土地が隆起するリバウンド現象が見られることで世界遺産に認定されました。
氷河期に形成されていた巨大な氷床が解けることで、地殻が盛り上がるアイソスタシーという現象によって起こる現象で、場所によっては一年間に300mも隆起した場所もあります。特にハイ・コーストではその結果、断崖絶壁にたくさんの入り江、湖、島などからなる複雑な景観を形成しています。
ドロットニングホルムの王領地
現在も国王一家が暮らしているドロットニングホルム宮殿は、メラーレン湖のほとりにある美しいバロック様式のお城です。お城を囲む公園は、フランスとイタリアから影響を受けた造りになっており、秋になると見事な紅葉を楽しむことができます。
敷地内にあるドロットニングホルム劇場では18世紀の舞台装置が今でも現役で使われており、オペラやバレエが上演されています。
ファールンの大銅山地域
13世紀のバイキングの時代から続くファールンの大鉱山は、湖や森など美しい自然に囲まれています。観光客はエレベーターを使って55mの深さまでいくことができ、坑道を通り作業室を見学することも可能です。
鉱山の洞窟内にはホテルもあり、独特でユニークな観光地として人々を楽しませています。2001年に世界遺産に登録されました。
まとめ
いかがだったでしょうか。スウェーデンの公用語は事実上スウェーデン語ですが、英語を第一言語にしない国の中で世界一と言われるほど、多くの人が英語を話すことができます。観光のベストシーズンは6月~8月の夏です。涼しく、湿気が少ないためとても過ごしやすい季節になります。
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