インスタで人気急上昇中!スペインの「サン・フアン・デ・ガステルガチェ」は見逃せない
フランスとスペインの国境にありながら、独特の文化を保つバスク地方。近年は「美食の街」として有名なサン・セバスチャンや、現代アートが盛りだくさんのビルバオなど、日本でも人気が出始めています。
しかし、バスクのもう一つの魅力が自然が生み出す絶景です。
今回の記事では、日本のガイドブックには載っていないけれど、とても魅力的な「サン・フアン・デ・ガステルガチェ」を紹介したいと思います。
そもそもバスクって?
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バスク地方はスペイン北東部と、フランス南西部にまたがる地域です。
他のラテン語由来の言語(フランス語、スペイン語、イタリア語など)とは全く異なるバスク語という言葉を話し、独自の発展を遂げてきました。例えば、スペイン語と英語はたまに似ている単語がありますが、バスク語にそのような単語は存在しません。そのため、最も難しい言語の一つとも言われているそうです。
今回筆者が訪れたのは、スペイン国内のバスク地方。一般的にはスペインバスク、フランスバスクというように区別するようです。国境をまたいでも、同じ「バスク語」を話しているという不思議な地域です。
ちなみにスペイン語だとバスク州は País Vasco (パイス・バスコ)と呼ばれ、直訳すると「バスクの国」。スペインからの独立を希望している人もいるようで、町の看板にはスペイン語とバスク語の両方が表記されています。
最近インスタで人気急上昇中の絶景スポット、サン・フアン・デ・ガステルガチェ
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そんなバスク州の人気・定番観光スポットといえば、ビルバオ。また、絶品グルメ(ピンチョス)を堪能するには、サン・セバスティアン。ほとんどの人がこの二都市を楽しんで、終わり。もちろん、それでも最高に楽しくて、感性が磨かれて、お腹も心も満足する旅ができます。
しかし!こんな絶景スポットがあるのに、訪れないなんてもったいないと思いませんか?
この美しい場所の名前は、San Juan de Gaztelugatxe(サン・フアン・デ・ガステルガチェ)。バスク語の名前なので、スペイン語に馴染みがある筆者でも覚えるのが非常に大変です。でも、心配はいりません。空港やホテル、ツーリストインフォメーションで「サン・フアン」といえば通じます。
実は小さくて可愛い教会!
「とてもきれいな写真だけど、何がどうなってるかわからない」と思った人も多いはずです。簡単に解説すると、写真の中央にある細くてうねっている通路が橋で、両側に海があります。筆者は、橋を渡り終えたところにある島(丘)に登って写真撮影をしています。写真の奥のみどりいろは、スペイン本島側。
つまり、橋があるところが谷になっているのです。この絶景をみるためにはまず坂を降りて、橋を渡って、丘を登ります。丘を登ったところにあるのは、小さな教会です。
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丘を登っている間にも、十字架があるためキリスト教の雰囲気を味わうことができます。ようやく坂を登り終えると、十字架がたくさん集まっている部分があるので、ぜひそこでも写真を撮ってください。
島はとても小さいので、歩き回るだけなら10分程度で十分。でも周り一体が海で、方角によって雰囲気や表情も異なるのでぜひゆっくり景色を味わいましょう。
教会の周りに座れる場所もあるので、昼食や軽食などを用意してのんびりピクニック気分なども楽しそうです。
サン・フアン・デ・ガステルガチェへのアクセス方法
サン・フアン・デ・ガステルガチェへ行くには、バスクの中心都市ビルバオからバスに乗っていくのが最も便利でしょう。残念ながら、サン・セバスティアンからのバスはないようです。どうしても行きたい場合は、タクシー、レンタカーもしくはヒッチハイクの選択肢があります。
ビルバオの中心のPlaza Moyua から、毎日1時間に1本バスがでています。3517番のバスに乗り、1時間程度でサン・フアン・デ・ガステルガチェに到着。
料金は2.55ユーロで、降りるバス停はGaztelubegという名前です。ほとんどの人がここで降り、運転手さんもサン・フアン・デ・ガステルガチェの名前を言うので、心配はいらないでしょう。
始発は6時40分、最終は19時40分発です。滞在時間は、2〜4時間程度なので、半日旅行に最適です。
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到着したら、正面に観光案内所があるので、地図をもらい、ルートを教えてもらうことをおすすめします。ここの建物で大きな荷物は預かってくれるようです。またルートは大きく分けて2つあるので、間違えないようにしてください。
帰りは、降りたバス停の向かい側にビルバオ行きのバスが来るので、それに乗りましょう。30分に1本程度あるようですが、バス停に時刻表がないので、注意してください。
注意点など
まず、サン・フアン・デ・ガステルガチェは自然公園の一部です。入場は無料ですが、入場券をもらう必要があります。入り口で、スペイン語または英語で説明があると思いますが、保護区域なので、植物を触る、石などを持って帰る、立入禁止区域に入るなどは絶対にやめてください。
そんなの当たり前じゃん!と思っている方には申し訳ないのですが、実際に筆者がサン・フアン・デ・ガステルガチェに行った際に、立入禁止の場所に侵入し、危険な行為をしている人がいて、非常に残念に思いました。
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次に、上記の文章からなんとなく想像している方も多いと思いますが、サン・フアン・デ・ガステルガチェは、実はハイキングコースです。坂を降りて、橋を渡り、また登る。帰りはまた坂を降りて、橋を渡り、来た道を戻る、という少し忍耐力が必要なものです。
しかし距離はそんなに長くないので、動きやすい服装と靴、そして水分補給を忘れなければ、全く問題はありません。筆者は、往路の坂を下っているときにすれちがう人々の表情を見て困惑していましたが、まったく問題なく戻ってくることができました。
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最後に、サン・フアン・デ・ガステルガチェは天候に左右されやすいので要注意。上記のとおり、自然公園の中にあり坂道なので、雨が強く降っている場合や、強風のときは公園自体が閉まってしまうことがあるようです。
ベストシーズンは夏。晴れの日が多いですが、天気の悪い日は要検討です。
またバスクの夏は30度には届かず、比較的過ごしやすいですが、スペインの日差しは強烈です。道の途中には日陰もあまりないので、日焼けと熱中症の対策を忘れないようにしてください。自然公園の周辺にはレストランやホステルなど、飲み物を買う場所はありますが、入場したあとは売店などはないので、事前の準備は必須です。
まとめ
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まだ日本のガイドブックには載っていない、穴場絶景スポット、サン・フアン・デ・ガステルガチェ。海あり、山あり、教会あり。さまざまな要素が一つの場所で楽しめる場所です。
少し運動をして、気持ちの良い汗をかきながら、この上ない景色を求めてハイキングするのはいかがですか?