みなさん、アホイ! 今回は中欧の国、スロバキアを紹介します。スロバキアはチェコの隣にある国。1993年にチェコスロバキアから独立しました。スロバキアは山が多く、冬のリゾート地として知られています。また、飾らない素朴なヨーロッパが見られるのもスロバキアの特徴です。

スロバキアの公用語はチェコ語とよく似ているスロバキア語です。冒頭の「アホイ!」はスロバキア語で「こんにちは」という意味です。スロバキア語で挨拶すると、喜ばれること間違いありません。今回はスロバキアの魅力をお伝えします。

 

スロバキアの中で訪れた都市とルート、移動方法

photo by 新田浩之

今まで、スロバキアには3回訪れています。直近は2015年9月にポーランドからスロバキアに入りました。交通手段は鉄道。ただし、観光客が滅多に使わないマイナーなルートでした。

ポーランドのカトヴィツェからズバルドン行きに乗り、ズバルドンでスロバキア鉄道のジリナ行きに乗り換え。ジリナでICに乗り、ポプラドに着きました。ポプラドで数日過ごした後、鉄道でコシツェに移動。コシツェで数泊した後、再び鉄道に乗り首都のブラチスラバへと向かいました。

ブラチスラバからはオーストリアのウィーンへと抜けました。なお、ブラチスラバからウィーンまでは快速列車で約1時間です。

 

スロバキアのエピソード(人とのエピソード)

photo by 新田浩之

私にはブラチスラバ近郊に住んでいるスロバキア人の友人がいます。スロバキアに行くたびに彼の家に泊めてもらいます。スロバキア人の印象は素朴な生活と自然を愛する、これに尽きると思います。

彼の家は庭付きの一軒家。庭では鶏を飼い、さまざまな農作物を育てています。もちろん、家で育てている農産物が日々の食卓に出るわけです。

朝食を食べていると、テーブルにアリが数匹上がってきたのですが、友人の父親は「アリは私の友人だ」と言い、なんとそのままアリを放置。このときに自然に対するカルチャーショックを受けました。スロバキア人は寡黙で取っ付きにくい印象がありますが、実はとても優しい人たちです。

 

スロバキアのエピソード(場所のエピソード)

スロバキア観光をブラチスラバで終わらす旅人が大半ですが、それはもったいない! スロバキアの魅力はブラチスラバ以外にある、と言っても過言ではありません。

私が印象に残っているスロバキアの観光地はスピシュ城です。スピシュ城は世界文化遺産に登録されていますが、ナポレオンに攻め落とされ廃墟になっています。地平からスピシュ城を見ると、すぐに到達できるように感じるはず。私もそう思っていました。ところが、スピシュ城までの登山道は遠回りになっており、40分ほどかかりました。確かに城は廃墟ですが雰囲気は抜群。もちろん、城から眺める景色がすばらしかったです。

なお、スロバキアには日本で知られていない城がたくさんあります。お城めぐりはスロバキア人がおすすめするスロバキアの楽しみ方です。

 

知っておくべきキーワードは「ハンガリー」

photo by 新田浩之

スロバキアで知っておくと便利なキーワードは「ハンガリー」です。スロバキアは第一次世界大戦までハンガリー領でした。そのため、レストランに行くとハンガリー料理が食べられます。

ハンガリーといえばワインを思い浮かべる方も多いでしょう。スロバキアでもハンガリーと同様にワインづくりが盛ん。特に白ワインは飲みやすく日本人の口に合うと思います。

スロバキア南部の町には多数のハンガリー人が住んでいます。スロバキアとハンガリーとは政治的には問題ありませんが、歴史的経緯からハンガリーに対して複雑な感情を抱くスロバキア人もいるそうです。

 

スロバキア旅行を楽しむためのアドバイス

photo by 新田浩之

スロバキアは交通手段の選択が大切です。スロバキア人の友人によると、遠距離は鉄道、短距離はバスが便利、とのこと。確かに、スロバキアの鉄道は発達しており、ブラチスラバからポプラド経由のコシツェ行き特急が走っています。

また、オーストリア、ポーランド、チェコ、ハンガリーなどの周辺諸国から国際列車が乗り入れます。なお、一部の列車はスロバキア鉄道ではなくREGIO JETなどの別会社で運行されます。スロバキア鉄道以外の列車に乗る場合は駅の専用窓口で切符を購入しましょう。もちろん、オンラインでの切符購入もできます。

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スロバキアの治安

スロバキアで「危ない」と思ったことは1回もありません。野犬もいないですから、夜でも安心です。ただし、街灯があまり明るくないので、夜に出歩く際は交通事故に気をつけましょう。

もちろん、海外ですのでスリ・置き引きに対する基本的な注意は必要です。

 

スロバキアの物価

photo by 新田浩之

意外と知られていませんが、スロバキアの通貨はユーロです。物価はそれほど高くありませんが、気をつけたいのはブラチスラバ以外の地方都市の宿泊施設です。地方都市は宿泊施設が少ないせいか、クオリティーの割に料金がとても高いです。

かと言って、宿泊代をケチるとひどい宿にあたることも。「高い」と思っても、地方都市で宿泊する場合は宿代をケチらず、評判のいい宿泊施設に泊まることをおすすめします。なお、ポプラドのホテルで1泊4,000円、コシツェのホステルで1泊2,000円でした。

レストランはメインで1,000円前後といったところ。気軽に本格的なスロバキア料理が楽しめます。

 

スロバキアの美味しかった料理や食べ物

photo by 新田浩之

スロバキアでは絶対に「コッフォラ」というチェコスロバキア(当時)原産のソフトドリンクを飲んでください。コッフォラはコーラとよく似ていますが、とてもあっさりとしています。

ほとんどのレストランにはコッフォラが用意されており、肉料理との相性は抜群! ついつい飲みすぎてしまうことでしょう。

スロバキア以外ですと、チェコでも飲むことができます。私が知っている限り、日本にはコッフォラを出す店はありません。なお、スロバキア人の友人によると「偽コッフォラ」も出回っているようなのでご注意を!

 

スロバキアのエンターテイメントやアクティビティ

photo by 新田浩之

スロバキアは冬のリゾートで有名な国です。タトラ山周辺ではスキーが楽しめます。ポーランドのザコパネとセットにするのもいいでしょう。また、夏はハイキングや登山が楽しめます。山が好きな方はスロバキアを気にいると思います。

 

スロバキアのナイトライフ

私の印象としてはナイトライフはあまり盛んではないです。ブラチスラバにもバーやクラブはありますが、ナイトライフを楽しむなら近くにあるオーストリアのウィーンのほうがいいでしょう。

また、ブラチスラバ以外の地方都市は夜になると寂しい雰囲気に。地方都市でバーやクラブに行く際はフロントに聞くしかありません。

 

スロバキアのお土産

photo by 新田浩之

全体的にお土産屋は少ないと思います。そこで、おすすめしたいのがスロバキアワイン。スロバキアのワインはとても飲みやすく、しかも安い! ぜひ、お気に入りのスロバキアワインを購入してみましょう。

なお、日本でスロバキアワインを購入することもできます。

 

スロバキアのビザ

90日以内の滞在であればビザは不要です。なお、2016年からスロバキアはワーキングホリデー協定国になっています。

 

スロバキアの基本情報(首都、通貨、言語、宗教、時間帯など)

首都:ブラチスラバ
通貨:ユーロ
言語:スロバキア語
面積:49,037平方キロメートル
人口:544.3万人
宗教:ローマ・カトリック、プロテスタント
時間帯:日本との時差は-7時間
気候:大陸性気候

 

スロバキアへの行き方(日本から行った場合)

直行便はないため、ヨーロッパの周辺都市で乗り継ぎ。

 

スロバキアにある有名な世界遺産

カルパチア山地のブナ原生林(スロバキア側)

カルパチア山地のブナ原生林

カルパチア山地のブナ原生林

photo by Giorgio Monteforti

スロバキアとウクライナに共同登録されている世界自然遺産です。カルパティア山地に広がる世界最大のブナの原生地域であり、ナラ、ボダイジュ、カエデ、モミの木など異なる種類の木が生える混合林もみられます。

古代より現在にかけても進化を続ける原始の姿を残した原生ブナ林は、陸上生態系の生物学の研究に不可欠となっています。

 

カルパチア山地のスロバキア地域の木造教会群

カルパチア山地のスロバキア地域の木造教会群

カルパチア山地のスロバキア地域の木造教会群

photo by KLMircea

カルパチア山地の山間部に、8つの古い木造のキリスト教会が立っています。このうち2つはカトリック教会、3つはプロテスタント教会、残りの3つはギリシア正教会のもので、いずれも16世紀から18世紀の間に建設されました。

小さな村の中に、3つの宗派の宗教建築物が共存しているのは大変珍しく、2008年に世界文化遺産に登録されました。

 

最後に一言

photo by 新田浩之

スロバキアは周辺諸国からアクセスしやすいヨーロッパの穴場! ぜひ、寡黙ながら温かなスロバキアの人々と交流してください。きっと、すばらしい旅の思い出ができるでしょう。

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