ロシアの治安は?物価は?ロシア旅行に必要な基本情報まとめ
世界で一番広大な領土を有するロシア連邦。日本の隣国でもありますが、その割には物価や治安など、ロシアに関する基本情報が少ないのも現実です。
そこで今回は、3回ロシアを旅行した私がロシアの治安や物価など、気になる基本情報を解説します。
*編集部追記
2016年10月に公開した記事に新たに加筆しました。(2017/8/23)
2017年8月に公開した記事に新たに加筆しました。(2019/05/20)
2016年10月時点での情報なので、実際に訪れた方で古い情報を見つけた方はmedia@tabippo.netまでご連絡ください。
ロシアを旅した感想
私は今まで3回ロシアを旅しています。訪れた都市はモスクワ、サンクトペテルブルク、ムールマンスク、ウラジオストク、ハバロフスクです。一言で感想を述べるなら「ロシアはワンダーランド」。もう少し詳しく書くと、ユルいところとキツいところの差が激しい国です。
例えば、国境審査はとても厳しいですが、街中でマンホールから水が溢れてもみんな知らんぷり。「なぜ、こうなるの」と不思議に思うことがたくさん起こる国です。
ロシアの旅行ルート
3回の旅行ルートは以下の通りです。ただし、ルートは概略です。
1回目:日本→サンクトペテルブルク(2泊)→エストニア(1泊)→フィンランド(1泊)→サンクトペテルブルク(1泊)→日本
2回目:日本→サンクトペテルブルク(3泊)→ムールマンスク(3泊)→モスクワ(3泊)→日本
3回目:日本→ウラジオストク(1泊)→シベリア鉄道(1泊)→ハバロフスク(1泊)→日本
おすすめの都市
ロシアで訪れた都市のなかで、オススメできるのはムールマンスクです。ムールマンスクは北極圏にある都市。人口は約30万人です。北極圏にあるので、冬になるとオーロラが見られます。残念ながら、私は見られませんでしたが、スコーンと澄み切った青空が印象に残っています。
なお、冬になると-20度以下になります。しっかりとした防寒着を着ることをオススメします。
ロシアの物価
近年、ロシアの経済が落ち込んでいるため、物価は以前と比較するとかなり安くなっています。例えばモスクワにあるホステルのドミトリーですと、1泊700ルーブル(約1,200円)、ウラジオストク空港近くにあるビジネスホテルで1泊3,720ルーブル(約6,100円)になります。
ただし、レストランはそれほど安くはありません。日本と比較しても「少し安いかな」という程度です。市内の交通費は大変安く、20ルーブル(約30円前後)となっています。
ロシアの治安
まずロシアが初めての方は、北カフカース地方は避けるべきです。テロ事件が発生している地域なので、入念な準備が必要となります。それ以外の地域は、基本的に安全に旅行ができます。
ただし、日本と比較すると軽犯罪が多いのも事実。特に地下鉄に乗る際は注意しましょう。また、単独での深夜の外出も考えもの。夕食を済ませたら、ホテルに戻った方がいいでしょう。
ロシアの危険度レベル・治安が悪い地域は?
外務省が発表している危険・スポット・広域情報によると、2019年3月にチェチェン、イングーシ、ダゲスタン、北オセチア・アラニア、カバルダ・バルカル、カラチャイ・チェルケスの各共和国及びスタヴロポリ地方で、武装勢力による攻撃や自爆テロが発生していたことからレベル3の「渡航は止めてください(渡航中止勧告)」が出ています。
首都のモスクワを含むその他の地域は、2019/05/20現在危険レベルは「1」。「十分注意してください」の発表がされています。
2019年4月には外務省から、「サンクトペテルブルクにおけるスリ被害に関する注意喚起」が出ていました。渡航前には必ず安全情報を確認し、外務省海外旅行登録「たびレジ」に登録しておきましょう。
ロシアの気候・服装・旅行シーズン
ロシアは日本と比べると、日中と夜間との温度差が激しいです。夏であっても、長袖のシャツやカーディガンを持っていくことをオススメします。オススメのシーズン5月~9月にかけて。10月になると一気に冷え込みます。
厳冬のロシアもオススメ。日本では見ることのできない白銀の世界が広がります。ただし、気温は-20度以下まで冷え込むことがあります。上着を着込むことはもちろん、耳あてや帽子も必須です。
また、盲点なのが靴下。厚めで丈夫な靴下を2枚重ねにするなど、下半身・足元対策もしっかりと練ってくださいね。
ロシアの通貨
通貨はロシア・ルーブル(以下ルーブル)になります。近年、ルーブルの下落が続いており、2016年10月時点でのレートは1ルーブル=1.66円です。両替は国内の銀行でルーブルに両替できますが、レートがとても悪いです。
そこで、最低限度のルーブル以外はユーロに両替しましょう。そして、現地でユーロからルーブルに両替するといいです。ロシアではクレジットカードも広く通用します。案外、ルーブルの出番は少ないかもしれません。
ロシアのビザ
ロシア旅行の一番の関門はビザです。現在でも一部例外を除き、ロシアへ渡航するにはビザが必要となります。しかも、作業が少々煩雑です。
必要な書類は、パスポート、申請書(ロシア外務省からダウンロード)、4.5cm×3.5cmの写真(申請書に貼り付ける)、バウチャー。
問題はバウチャーです。バウチャーは基本的に、宿泊するホテルのホームページから申請します。インターネットを見ると、簡単にバウチャーが入手できる「空バウチャー」もありますが、「空バウチャー」は正式なバウチャーではありません。
現地でトラブルが発生した場合、問題になることがあります。きちんと正規のルートでバウチャーを取得することをオススメします。
初めてロシアに行かれる方は、ロシア専門の旅行会社にビザ発行を依頼するのもいいでしょう。ただしビザの発行には時間を要するので、時間に余裕を持って申請してください。
ロシアのコンセント
ロシアのコンセントはCタイプで、電圧は220V、周波数は50Hz。ロシア極東(ウラジオストクやサハリン)にある一部のホテルでは変圧器がありますが、基本的には国内で変圧器の用意をしておきましょう。
ロシアのインターネット
ロシアでも、無料のWiFiが楽しめるホテルやレストランが増えてきました。最近では、鉄道の車内でもWiFiが使えるようになっています。ロシアではあまり、インターネットの心配はいらないと思います。
田舎に行くと、インターネットが使えるレストランは極端に少なくなりますので、ご注意ください。
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ロシアの食事
ロシア料理を一言で表すと「重厚」。一見ボリュームがなさそうに思えても、すぐにお腹いっぱいになります。ロシア料理のもうひとつの特徴は、周辺諸国からの文化の影響を受けていることです。
例えば、スープのボルシチは隣国、ウクライナ発祥。焼き鳥のようなシャシリクはコーカサス料理、餃子のようなペリメ二はシベリア生まれの料理です。
私がオススメするロシア料理は、魚の入ったスープ「ウハー」。魚の美味しさとスラヴ文化特有の酸っぱい味付けとのコンビネーションがたまりません。
ロシアの有名観光スポット・世界遺産
これだけ大きい国ですので、至る所に観光スポットがあります。初めてロシアを訪れる方はモスクワとサンクトペテルブルクをオススメします。
モスクワで必見の観光スポット・世界遺産は赤の広場にある聖ワシリイ大聖堂。華やかで独特の形状をしたドームにきっと驚かれることでしょう。
第二都市、サンクトペテルブルクにはエルミタージュ美術館や夏の宮殿など、華やかな宮殿がたくさんあります。ぜひ、ロシア独特の色使いや内装をお楽しみください。
ロシアのイベント
ロシアで開催されたビックイベントと言えば「2018年ワールドカップ」。身近になりつつあるロシアでは、電子ビザの適用地域が拡大しています。
文化的なイベントですと、1月7日のクリスマスが挙げられます。ロシアでは旧暦に従い、クリスマスは1月7日になります。西側のクリスマスとは異なった、ロシア独自のクリスマスをお楽しみください。
ロシアのチップ事情
ロシアでは基本的にチップの習慣はありません。ただし、観光客がよく訪れるレストランではチップが期待されることがあります。チップの目安は総額の10%程度です。多くのレストランではサービス料が料金に含まれています。
ロシアで気をつけたいマナー
ヨーロッパと同じく、お店に入ったとき、出る前に挨拶は交わしましょう。ただし、ロシアはヨーロッパのような愛想笑いはしません。また、ロシア人もあなたの愛想笑いは期待していません。一見すると「ムスッ」として怖そうに見えますが、実際のところ怒っているわけではないのでご安心を。
またロシアでは、地下鉄に乗るときは男性が女性に席を譲る、基本的に男性がおごる、などヨーロッパと一部異なるレディファーストの習慣があるようです。
ロシアで話される言語
ロシアの公用語はロシア語です。ところが、ロシア語は本当に難しいです。ここでは簡単な挨拶を紹介します。
こんにちは:Здравствуйте!(正式:ズドラーストヴィチェ)、Привет(ラフ:プリィヴェート)
さようなら:До свидания(正式:ダスヴィダーニャ)、Пока(ラフ:パカー)
ありがとう:спасибо(スパスィーバ)
私の名前は~:Меня зовут ~(ミニャ ザヴゥート~)
よろしく:Очень приятно(オーチニィ プリヤートナ)
特徴のあるキリル文字を読めるようになると、より旅を楽しめます。
最後に
今まで「近くて遠い国」というイメージがあったロシア。それでも、経済的、文化的にもロシアとの交流は盛んに行われるようになっています。
国内でもロシアに関するイベントが増えているので、ロシアに関心がある方はチェックしてみましょう。