お墓でパーティー!ルーマニアの「世界一陽気なお墓」に行ったら死に対する考え方が変わった
皆さんは、「世界一陽気なお墓」を聞いたことがありますか?
お墓というと、陽気というイメージを持っている方は少ないと思います。どちらかというと悲しいイメージのある場所のはず。でも世界には、悲しいはずのお墓なのに、とってもカラフルで可愛らしく、なんだか明るい気分になってしまうお墓があったのです!
今回はルーマニアで発見した、そんな不思議なお墓をご紹介したいと思います。
まるで芸術作品!「世界一陽気なお墓」とは?
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「世界一陽気なお墓」とは、その名の通り死者の方が眠るお墓です。しかし、そのお墓に並んでいる墓標はカラフルでとてもユニークなものばかりで、パッと見は何かのオブジェや芸術作品のようであることから、「陽気なお墓」と呼ばれています。
そんな「世界一陽気なお墓」があるのは、ルーマニアのサプンツァという小さな村。サプンツァ村のある地方では昔から、死が近付いてきたと感じた人は、自分の人生を振り返って詩で表現していたそう。
1935年、村の木彫り職人の青年スタン・イオン・パトラシュさんという方が、愛する人を失った悲しみが癒えることを願って、墓標を明るいものにしよう思い立ち、故人が残した詩と絵を彫りつけたのが「陽気な墓」の始まりなんだそうです。
陽気なお墓までの行き方
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まずお伝えしたいのが、ルーマニアは交通機関がそこまで発達していないので、「陽気なお墓」に行くための道のりは覚悟してください…!
サプンツァ村に行くためには、シゲトゥマルマツィエイという街を拠点にするのがおすすめ。ホテルやゲストハウス、レストランもあり、観光客でも不自由なく過ごせる場所です。
まず、各地からシゲトゥマルマツィエイに辿り着くためには、バヤマーレという街を経由する必要があります。一例として、ルーマニアの首都ブカレストからであれば、バヤマーレまでは夜行列車が走っています。
バヤマーレまで辿り着ければ、シゲトゥマルマツィエイまではあと少し。ミニバス1本で向かうこともできますが、本数が少ないのでタクシーで行くのも良いかと思います。ミニバスだと、途中で人の乗り降りがあるので2時間30分程度、タクシーだと2時間程度で到着します。
そして、シゲトゥマルマツィエイまで辿り着ければ「陽気なお墓」まであと一息!Satu Mareという場所行きの乗り合いバスに乗れば、30分程度でサプンツァ村に到着します。降りたらすぐに、「陽気なお墓=Cimitirull Vesel」という看板がありますので、看板に従って10分ほど歩けば、やっと目的地に到着です!
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ちなみに、シゲトゥマルマツィエイとサプンツァ村を結ぶバスの本数は非常に少ないので、帰りはヒッチハイクで帰るのが主流のようです。地元民の方もよく使っている移動手段のようで、手を挙げればすぐに停まってくれましたのでご安心を!
行ってみたら、本当に陽気なお墓だった!
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そして、お待ちかねの「世界一陽気なお墓」がコチラになります!真っ青な墓標に、様々な絵が彫られ、カラフルなペンキで装飾されている様子は、お墓とは思えないほどなんとも可愛いらしく、まったく悲しい気持ちにはなりません。むしろ楽しい気分になれる場所なのです…!
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お墓には、亡くなった方の好きだったものや、生前の職業などが可愛らしく彫られています。
中には、死因が彫られている墓標も!きっとこの絵にしようと思ったのはご家族のはず。大切な家族が亡くなってしまうことは悲しいことに違いありません。でもこの地方の人々は、このように墓標に残すことによって、家族の死を乗り越えてきたのかもしれませんね。
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ちなみに、この陽気なお墓を始めたスタン・イオン・パトラシュさんのお墓もありますので、探してみてください!
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日本とは違う死に対する考え方
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このお墓とは別に、グラ・フモールルイという街の「ヴォロネツ修道院」の隣にあるお墓でも、陽気な体験をすることができました。
ルーマニアの聖霊君臨の祝日(日本でいうお盆のような日)にお墓を訪れたところ、たくさんの人がいて、お菓子やお酒、ジュースだを配りながら、パーティーが開催されていたのです!日本のお墓でパーティーをするという発想は全くありませんでしたが、ルーマニアではそれが普通のようでした。
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日本だと、お墓参りは悲しいイメージの方が強いかと思いますが、ルーマニアではそんなに悲しいものではないのかもしれません。残れた人々が悲しみを乗り越え、みんなで楽しく生きているよ!ということを、天国にいる大切な人に届けているのかもしれませんね。
世界にはいろいろな考え方があるのだなと、これまでの死に対する考え方が少しだけ変わった体験ができたのでした。
あなたもお墓で陽気な体験をしてみて!
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いかがでしたか?行くのは少し大変な場所ですが、お墓、しいては死に対する考え方について、少し新たな発見をできる場所である「世界一陽気なお墓」。
自分が死んだときには、どんな物語をお墓に彫ってもらおうか…。家族はどんな物語を彫ってくれるのだろうか…。そんなことを考えるきっかけにもなった場所でした。
ぜひ皆様も、訪れて陽気な体験をしてみてくださいね!