こんにちは。現在ポルトガル在住で、元パティシエのYuです。私は甘いものが大好きで、旅好きと甘いもの好きがあいまって、旅行に行くとその国ならではのスイーツを食べまくります。

今まで28ヵ国を旅し、日本でも圧倒的人気のフランス菓子、バームクーヘンやシュトーレンで有名なドイツ菓子、日本に出店しては話題になるアメリカのスイーツなど、さまざまな国のお菓子を食べてきましたが、個人的に感動するほどの美味しさだったのが、ポルトガルのお菓子!

そこで今回は、あまり日本ではメジャーではないけれど、とっても美味しいポルトガルのスイーツについて紹介します。

パステル・デ・ナタ


まず紹介するのは、パイ生地の中にカスタードクリームをたっぷり詰めて焼き上げた、ポルトガル人が大好きな国民的お菓子「パステル・デ・ナタ」。サクサクのパイ生地と、濃厚で絶妙な甘さのクリームの組み合わせが抜群なんです!

日本で一時期大ブームになった「エッグタルト」は、実は、ここポルトガルが発祥なんです。日本のエッグタルトはその名の通りベースがタルト生地のものが多かったですが、こちらは必ずパイ生地。個人的にはパイ生地のほうが食べ応えも軽く、何個でもいけてしまう美味しさでした。

ポルトガル中どこででも見かけるお菓子なので、いろいろなお店で食べ比べするのも楽しいですよ。

おすすめのお店「Manteigaria」


こちらはポルトとリスボンに数店舗展開するパステル・デ・ナタの専門店。国内外さまざまなメディアで「ポルトガルでナンバーワンのパステル・デ・ナタ」とか「ポルトガルに行ったら必ず行くべきペイストリー」などと紹介されています。


店内のカウンター奥のキッチンで、パイ生地やカスタードクリームを職人さんたちが作っているのが眺められます。

細かく焼き上がりの時間を分けていることで、常にパイ生地がサクサクの焼き上がりに近い状態で味わえるのも魅力の一つ。タイミングが合えば、焼き立てホカホカの温かいパステル・デ・ナタも味わえ、それはもう、悶絶物の美味しさなんです。


私はシンプルに何もかけずに食べるのが好きですが、シナモンや砂糖をたっぷり振りかけて食べるのがポルトガル流。また違った美味しさなので、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。

■詳細情報
・名称:Manteigaria
・住所:Rua dos Clérigos nº37, 4050-205 Porto
・地図: ・アクセス:ポルトのサン・ベント駅より徒歩3分
・営業時間:8:00~0:00
・定休日:なし
・電話番号:22 208 2582
・公式サイトURL:https://www.instagram.com/manteigaria.oficial/

ケイジャーダ

ケイジャーダとは、フレッシュチーズを使ったポルトガル版チーズタルト。パリッとした薄い生地に、チーズを使ったしっとりとしたフィリングを流し込んで焼き上げており、地域ごとに異なる味のケイジャーダがあります。

また、店によってはオレンジ味、ココナッツ味、パッションフルーツ味など、さまざまなバリエーションが。毎日ケイジャーダを食べ続けても、毎日新しい味に出会えると言っても過言ではないほど、種類が豊富なのも特徴です。

おすすめのお店「Cafe Arcada」

ポルトガル各地を旅する中で、さまざまなケイジャーダを食べましたが、一番のおすすめは、ポルトガル中部エヴォラという都市にある「Cafe Arcada」のケイジャーダ・デ・エヴォラ。その名も「エヴォラのチーズタルト」です。

創業70年を超える、老舗カフェのショーケースには、このケイジャーダが山盛り陳列されていて、見た目からしてとても美味しそう。

生地は薄くパリッとしていて、中はもっちり、しっとり。甘すぎず、ほのかにチーズの風味を感じられ、ホッとするような美味しさでした。

■詳細情報
・名称:Cafe Arcada
・住所:Praça do Giraldo 7, 7000-508 Évora
・地図: ・電話番号:21 425 9350
・公式サイトURL:https://www.facebook.com/Cafe.Arcada.Evora

ボーロ・レイ(Bolo Rei)

「ボーロ・レイ(Bolo Rei)」とは、ポルトガルでクリスマスから新年の時期に食べられる、ドライフルーツとナッツがたっぷり入った焼き菓子です。その歴史は200年前にも遡るんだとか。11月に入ると、街中のケーキ屋さんで徐々にこのボーロ・レイを見かけるようになり、一気にクリスマス気分が高まります。

ポルトガルでは、クリスマスといえばこのケーキで「このケーキ無くしてクリスマスは迎えられない」と言われるほど、ポルトガル人に愛されているケーキなんです。

私は、もともとドライフルーツやナッツを使った焼き菓子が好きなので、冬になると近所のケーキ屋さんでボーロ・レイを買い、3時のおやつにして毎日食べていました。

おすすめのお店「Cafetaria Picasso」


高級ショップが立ち並ぶ、リスボンのリベルダーデ大通りから、横道に入ったところにある「Cafetaria Picasso」。リベルダーデ通り沿いには、高級感溢れる最先端のカフェが立ち並ぶのですが、こちらのお店は近場で仕事をする人たちが集う、とても庶民的なカフェです。


たまたま車を停めたところの近くにあり、休憩がてら入ったのですが、大きなショーケースにはずらりとケーキやパンが並び、圧巻の一言。ふとショーケースの横を見ると、たくさんのボーロ・レイが!着席して注文したケーキがどれも美味しかったので、試しに購入してみたところ、これがとても美味しかったのです。

冬場にリスボンを訪れる際には、ショッピングのついでに、ぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

■詳細情報
・名称:Cafetaria Picasso
・住所:R. Barata Salgueiro 31, 1250-096 Lisboa
・地図: ・営業時間:平日は7:00~19:30、土曜日は7:00~13:00
・定休日:日曜日
・電話番号:21 355 6625

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パン・デ・ロー


「パン・デ・ロー(Pao de lo)」は、カステラの原型とも言われている、ポルトガル版スポンジケーキ。ポルトガルでは、主に2種類のパン・デ・ローがあり、多く見られるのは日本のカステラのようなフワフワ生地のものでしょう。

フワフワ、しっとりのケーキはシンプルな味で、好き嫌いのない優しい味。常温保存で日持ちもするので、日本へのお土産にも最適です。

もう一つは、北部のオヴァール(Ovar)という街が発祥の「パン・デ・ロー・デ・オヴァール(Pao de lo de ovar)」。こちらは、中身は半生で、卵の黄身の風味が強く感じられる独特な味わいが魅力の物です。

おすすめのお店「Pastelaria Confeitaria Ramos」


ポルトガル第二の都市ポルトから、電車で一時間の街アヴェイロにおすすめのお店があります。アヴェイロ自体、「ポルトガルのヴェニス」と言われる美しい運河の街なので、日帰り旅行におすすめ。もし訪れる機会があるなら、こちらのカフェに行ってみてください。店内の大きなショーケースには、さまざまなケーキやペイストリーが並び、どれもとても美味しかったです。


そして、こちらのパン・デ・ローは陶器で焼かれていて、ショーケースにはそのまま陶器ごと陳列されています。注文すると、それを切り分けて提供してくれます。

中はとろーり半生で、卵の風味が強く感じられ、食べ応えたっぷり。好みが分かれるかもしれませんが、私は大好きな味でした。

■詳細情報
・名称:Pastelaria Confeitaria Ramos
・住所:Av. Dr. Lourenço Peixinho 86 e 88, 3800-159 Aveiro
・地図:
・アクセス:アヴェイロ駅より徒歩10分
・営業時間:月~土曜日は8:00~20:00、日曜日は15:00~20:00
・定休日:なし
・電話番号:234 423 289
・公式サイトURL:http://pastelariaramos.com/

パッションフルーツのムース


南国フルーツのイメージがないかもしれませんが、ポルトガルはパッションフルーツの一大産地ということをご存じでしょうか。ポルトガル領のマデイラ島とアゾレス諸島はトロピカルフルーツの産地として有名で、パッションフルーツもその一つ。ポルトガル語で「マラクジャ」と呼ばれるその味は、酸味と甘みが凝縮され、果物本来の味でとても美味しいのです。

そして、そんなパッションフルーツを使ったデザートの中でも定番のパッションフルーツのムースは、コンデンスミルクとパッションフルーツをミックスしたクリーミーなムースに、パッションフルーツソースをかけたものが定番です。ボリュームのある食事をした後でも、とろける口どけのムースとさっぱりとしたパッションフルーツの後味で、何個でもいけそうな美味しさですよ。

おすすめのお店「A Muralha」

おすすめは、パッションフルーツの産地であるポルトガル領マデイラ島にある「A Muralha」というレストラン。マデイラ島の中心街であるフンシャルの旧市街にある雰囲気の良いお店で、マデイラ島ならではの料理が味わえるおすすめのレストランです。


そして、こちらが食後に頼んだパッションフルーツのムース。産地直送の味の濃いパッションフルーツがふんだんに使われていました。ミルクとコンデンスミルク、そしてパッションフルーツが合わさったクリーミーなムースの上には、酸味と甘みがちょうど良いバランスの、パッションフルーツのゼリーがのっていて、種の食感も楽しいです。

マデイラ島の名物料理も各種味わえるこちらのレストランは、サービスも気持ちよく、どの料理もとても美味しかったので、とてもおすすめです!

■詳細情報
・名称:A Muralha
・住所:Largo do Corpo Santo 2, 9060-075 Funchal
・地図: ・営業時間:11:00~23:00
・定休日:なし
・電話番号:913 171 003
・公式サイトURL:https://www.facebook.com/amuralharestaurante.funchal/

ポルトガルの絶品スイーツを楽しもう

今回はあまり日本ではメジャーではないけれど、実は、とっても美味しいポルトガルのスイーツを紹介しました。16世紀にポルトガル人が鉄砲とともに南蛮料理を紹介してきたころから、日本とポルトガルの食文化には繋がりがあり、カステラやボーロ、金平糖など、日本人に馴染み深いお菓子も、実は、ポルトガルから紹介されたもの。そのため、ポルトガルのお菓子は、どれも日本人の口にピッタリ合うものばかりなんです。

ポルトガルに行ったら、ぜひいろいろなケーキ屋さんやカフェに入って、いろいろなスイーツを楽しんでみてくださいね。

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