こんにちは。ポルトガル在住のYuです。近年、徐々に注目の旅行先として脚光を浴びている国・ポルトガル。日本でもインスタグラムを通して、そのカラフルで可愛らしい街並みが評判を呼び、人気急上昇中の国なんです。

しかし、旅行先としては首都であるリスボンと第二の都市であるポルトが人気で、他の都市まで足を延ばす人は少ないそう。もちろん、リスボンもポルトも美しく魅力あふれる街ですが、ポルトガルの魅力は地方都市にあり!そんな、ポルトガルの小都市の魅力を伝えるべく、今回はぜひ行ってほしいおすすめの小都市7選を紹介していきます。

アヴェイロ

「ポルトガルのヴェニス」と言われる美しさを誇る、運河の街・アヴェイロ。ポルトガル第二の都市であるポルトから電車で1時間の距離にあり、街自体も小さく2~3時間もあれば十分楽しめるので、日帰り旅行も可能です。


そして、アヴェイロに行ったら必ずしてほしいのが、「モリセイロ」というカラフルな小舟での運河ツアー。もともとは肥料用の海藻を運ぶために使われていたそうですが、現在は観光用として、また、アヴェイロのシンボルとして街を彩っています。

運河沿いに窓口があり、ガイド付きのツアーを直接申し込めます。運河を45分かけて巡るツアーで、一人10ユーロ。運河沿いの美しい街並みをゆったり眺めながら街の歴史を学べる、大満足のツアーでした。

街歩きでお土産とカフェを堪能


ツアーが終わったら、運河沿いや街のメインストリートを散策してみてください。こぢんまりとした街ですが、お土産屋さんや可愛いカフェがたくさん並んでいて、ぶらぶら歩くだけでも楽しめます。

ちなみに、アヴェイロは塩の産地としても有名で、お土産屋さんでは可愛くラッピングされた塩を目にするはず。「Flor de Sol=塩の花」といって、海水の表面にできた結晶だけを手作業で集めた貴重なものなんです。

味もとてもまろやかで美味しく、どんな料理にも使えるので、ぜひ購入してみてはいかがでしょうか。

また、運河沿いにはカフェが多く並んでいます。気になるカフェに入って「オヴォシュ・モーレシュ」という、最中のような皮の中に卵黄クリームが入った、アヴェイロの銘菓を試してみるのもおすすめです。

市場直営レストラン「Restaurante Mercado Peixe」


そして、観光もひと段落したころ、ランチかディナーにおすすめしたいのが「Restaurante Mercado Peixe」。直訳すると「魚市場レストラン」というこちらのお店は、その名の通り1階が魚市場になっており、2階に市場直営のレストランがあります。


おすすめはこの「カタプラーナ」という魚介鍋。アサリやエビ、イカ、白身魚、野菜などをカタプラーナという円盤型の銅鍋で蒸し煮にした、南部アルガルヴェ地方の名物料理です。魚介のだしが効いたトマト風味のスープと新鮮な魚介の味わいは、鍋好きの日本人にはどこか懐かしい味わいで、口に合うこと間違いありません。

いろいろなお店でカタプラーナを食べましたが、こちらのカタプラーナが今まで食べた中で一番美味しかったです。アヴェイロに行く際にはぜひお試しください!

■詳細情報
・名称:Restaurante Mercado Peixe
・住所:Largo da Praça do Peixe 1, 3800-243 Aveiro
・地図: ・アクセス:アヴェイロ駅より徒歩16分
・営業時間:12:15~15:00、19:30~23:00(日曜日は12:00~15:00)
・定休日:月曜日
・電話番号:968 073 652
・公式サイトURL:https://www.restaurantemercadodopeixeaveiro.pt/

アヴェイロへのアクセス・詳細情報

電車の場合、ポルトの「カンパニャン駅」から南に列車で1時間ほど、リスボンの「サンタ・アポローニア駅」から北へ2時間半ほど。交通の便も良く、多くの観光客が訪れる街です。美しい田園風景の車窓を眺めていると、あっという間に到着しました。

■詳細情報
・名称:アヴェイロ
・地図: ・アクセス:リスボンから特急電車で2時間半(直通)、ポルトから普通電車で1時間(直通)

コスタノヴァ

アヴェイロからバスで30分ほど揺られて着くのが、ビーチ沿いの可愛い港町コスタノヴァ。見どころはなんといっても、ストライプに彩られたカラフルな家並みです。

漁から帰ってきた漁師たちが「遠くからでも自分の家が見つけやすいように」との思いから、このような目立つストライプ柄に家を塗ったのがはじまりだそう。

鮮やかな黄色や赤、パステルブルーやピンクのストライプの家並みは、まるで絵本の世界のよう。歩いているだけでワクワクすること間違いありません。カメラ片手に、のんびり散策してみてはいかがでしょうか。

また、ストライプの家並みがある道沿いには、地元の人で賑わうフィッシュマーケットがあります。威勢のいいポルトガル語が行き交う中を歩くと、漁港の街としての一面を垣間見えます。

コスタノヴァへのアクセス・詳細情報

リスボンやポルトからまずは電車でアヴェイロへ出る必要があり、アヴェイロに着いたら、コスタノヴァ行きのバスに乗ります。駅からバス停までは、徒歩20分程度。

駅前からまっすぐのびているドウトール・ロウレンソ・ペイシーニョ通り(Av. Dr. Lourenço Peixinho)を進むと、運河が流れる街の中心地に到着し、バス停が見えます。案内表示板もあるので分かりやすいと思います。バスからは、アヴェイロ名物の塩田風景や、コスタノヴァのビーチリゾートの景色と、車窓からの景色も楽しめました。

ただし、滞在期間が短い方など、時間に制限のある方にはウーバーやタクシーの利用をおすすめします。所要15分ほどで到着するので、かなり時間を節約できますよ。

■詳細情報
・名称:コスタノヴァ
・住所:Costa Nova do Prado, ポルトガル
・地図: ・アクセス:アヴェイロよりバスで30分「コスタノヴァ」下車すぐ
・所要時間:1~2時間

タヴィラ

ポルトガル南部の街「タヴィラ」は、1時間もあれば歩いて回れる小さな街です。

しかし、ローマ時代に建設された橋や、ムーア人の支配時代の面影を残す建築物、アズレージョで覆われた家々など、いろいろな時代の面影を残す街並みは、ため息ものの美しさ。ただ散策するだけでも大満足できる、ぜひ訪れてほしい街の一つです。

なんでもない路地裏がこの美しさ。この街では、あえて行き先を決めずに小道や路地裏の散策を楽しみたいところです。

アズレージョで覆われた古い家。扉や小窓のデザインは、イスラム様式の影響を受けているそうです。


こちらはタヴィラ城。現在は城壁と塔が残っているのみですが、城壁の内側には季節の草花が植えられた庭園があり、のんびりと散策するのにおすすめです。


また、城壁からのタヴィラの街の眺めが素晴らしく、ついつい時間を忘れて長居してしまうこと間違いありません。

タヴィラへのアクセス・詳細情報

電車の場合、リスボンの「サンタ・アポローニア駅」からタヴィラにある「ポルタ・ノヴァ駅」まで約4時間。

車の場合、リスボンから3時間弱で行けるので、ポルトガル南部や中部の何都市かを周遊したい場合は、空港でレンタカーを借りるのもおすすめです。私はレンタカーで移動したのですが、南部にはオレンジやレモン、オリーブの木が延々と続く美しい風景が広がっているので、道中も楽しめました。

■詳細情報
・名称:タヴィラ
・地図: ・アクセス:リスボンより電車で4時間12分
・所要時間:1~2時間
・公式サイトURL:https://tavira.algarvetouristguide.com/

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ファロ

ポルトガル南部アルガルヴェ地方の中心都市であるファロは、ポルトガルにおけるイスラム勢力の終焉の地となった街。見どころは、ポルトガルとイスラムの文化が融合された美しい旧市街です。

旧市街へと続く小さな門を抜けると、イスラム支配時代の雰囲気が残る静かで美しい街並みが突如あらわれます。

狭い路地には石畳と白い家並みが続き、厳かな雰囲気です。

ポルトガルにはカラフルで明るい雰囲気の街が多いですが、ファロは厳かで静か。まったく違った雰囲気を肌で体感できます。

美しいアズレージョで覆われたレストラン「Vila Adentro」


そして、ランチやディナーにおすすめなのが「Vila Adentro」という、旧市街の中心部にあるレストラン。古いギャラリーだった建物を再利用した店内には、様々な時代を描いたアズレージョがあり、建物自体にも価値があるんだとか。美しい店内で、伝統的なポルトガル料理を楽しめます。

■詳細情報
・名称:Vila Adentro
・地図:
・住所 Praça D. Afonso III 17, 8000-167 Faro
・アクセス:ファロ駅より徒歩2分
・電話番号 289 052 173
・公式サイトURL:https://www.facebook.com/VilaAdentroFaro

ファロへのアクセス・詳細情報

電車の場合、リスボンの「サンタ・アポローニア駅」から「ファロ駅」まで約3時間半。

車の場合、リスボンから約2時間半で行けるので、ポルトガル南部や中部の何都市かを周遊したい場合は、空港でレンタカーを借りるのもおすすめです。

■詳細情報
・名称:ファロ
・地図: ・アクセス:リスボンから電車で約3時間半

エヴォラ


ローマ時代の城壁に囲まれた、中世の街並みが残る街「エヴォラ」。1986年に「エヴォラ歴史地区」の名で、城壁内にある旧市街の街並みごと世界遺産に登録されています。リスボンからは車で1時間半、電車で2時間ほどでアクセスできます。

天正遣欧少年使節も訪ねた エヴォラ大聖堂


こちらは、エヴォラのシンボルでもある大聖堂。建築様式の移行期の12~13世紀にかけて建てられたため、ゴシック建築・マヌエル建築・バロック建築と様々な建築様式が使われ、見どころも多いです。

内部にあるヨーロッパで3番目に古いパイプオルガンは、日本から訪れた天正遣欧少年使節の伊東マンショらも弾いたと伝えられているんだとか。

大聖堂とつながっているゴシック様式の回廊は、重厚な雰囲気。回廊中央部には、美しい庭園があります。

回廊部分にあるらせん階段を上っていくと、大聖堂上部に出ることができ、エヴォラの街並みを眺められます。

■詳細情報
・名称:エヴォラ大聖堂
・住所:
・地図: ・営業時間:9:00~17:00
・定休日:なし
・電話番号:266 759 330
・公式サイトURL:http://www.evoracathedral.com/

ロイオス教会

こちらは大聖堂のすぐ近くにある「ロイオス教会」。外観はとてもシンプルで目立たないのですが、教会内は一面アズレージョという装飾タイルで彩られていて、必見の美しさです。


扉とのコントラストもため息ものの美しさ。小さな教会ですが、ぜひ時間をかけてゆっくり見学してみてほしいところです。

■詳細情報
・名称:ロイオス教会
・住所:Largo do Conde de Vila Flor 7000 Evora, Portugal
・地図:

城壁内の旧市街を街歩き


一通り観光名所を回ったあとは、旧市街をぐるっと囲む城壁沿いに、ぶらぶらと街歩きをしてみてはいかがでしょうか。小さな路地裏にあるパン屋さん、生活感のある住宅街など、また違った目線でエヴォラを楽しめます。

ちょっと小道に入るだけで、こんな美しい景色が待っています。


そして、街歩きの休憩がてら食べてほしいのが、エヴォラの銘菓「ケイジャーダ・デ・エヴォラ」。このお菓子は、ポルトガル各地で見かける「ケイジャーダ」という、フレッシュチーズを使った焼き菓子のエヴォラ版。街のカフェやケーキ屋で必ず見かけるので、ぜひ試してみてくださいね。

エヴォラへのアクセス・詳細情報

電車の場合、リスボンの「オリエンテ駅」から特急列車で1時間40分。バスの場合は、リスボンの「セッテ・リオス・バスターミナル」から約1時間45分。

■詳細情報
・名称:エヴォラ
・地図:

コインブラ


ポルトガル第三の都市「コインブラ」は、世界最古の大学の一つであるコインブラ大学があることで有名です。13世紀に建てられた歴史ある大学は、2013年に世界遺産にも登録されました。

必見は、世界一美しいと評されるジョアン5世図書館。そして、装飾タイルのアズレージョで覆われた大学内の教会も美しいです。


こちらは旧市街の中心にある大聖堂。周辺には地元民にも評判のレストランが多数あるので、ランチやディナー時に合わせて訪れるのがおすすめです。

世界遺産のコインブラ大学


大聖堂から徒歩6分ほどで、コインブラ大学に到着。広々とした広場を中心に、歴史ある建物の数々が並んでいます。

こちらは、世界一美しい図書館と評される、大学図書館。入り口でツアーに申し込まないと、内部の見物はできません。混み具合によっては、待つこともあるかもしれませんが、待つ価値は大いにありますので、ぜひ見学してみてください。


そして、こちらは大学内にある教会。壁一面が、様々なデザインのアズレージョで覆われ、圧巻の美しさでした。

■詳細情報
・名称:コインブラ大学
・住所:Paço das Escolas 3004-531 Coimbra
・地図: ・公式サイトURL:https://www.uc.pt/

美しい旧市街を散策


大学を見学し終わったら、旧市街へ。大学都市らしく、オシャレなカフェやバーがたくさんあり、どこも若者でにぎわっています。


メインストリートでは、コインブラ大学の女学生たちがパフォーマンスをしていました。「夏休みの間、こうしてパフォーマンスをしてお金を稼ぎながら、みんなでポルトガル各地へ旅行しているの」と、目をキラキラさせて話す姿がとても素敵でした。


こちらは旧市街の中心にある大聖堂。周辺には地元民にも評判のレストランが多数あるので、ランチやディナー時に合わせて訪れるのがおすすめです。


夕焼けと街並みの風景は、感動する美しさ。ポルトから電車で1時間、リスボンからも1時間半の距離でアクセス抜群なので、ぜひ訪れてみてほしい街の一つです。

コインブラへのアクセス・詳細情報

電車の場合、リスボンの「オリエンテ駅」から直通で、「コインブラB駅」へ。ここだと観光のメインエリアからは遠いので、そこから1駅各駅停車に乗り換え「コインブラ駅」まで出る必要があります。

コインブラB駅までで最短1時間半ほど、コインブラ駅までだと乗り換えを含めて2時間ほどかかります。

■詳細情報
・名称:コインブラ
・地図: ・公式サイトURL:https://www.travel-in-portugal.com/coimbra

シントラ


イギリスの詩人バイロンが「この世のエデン」と称えたリスボン近郊の街「シントラ」。宮殿や城壁、王宮など歴史的価値ある建物が点在しており、1995年に「シントラの文化的景観」として、世界遺産に登録されました。

まるで絵本の中の世界!ペーナ宮殿


こちらは、シントラで1番人気の観光地である「ペーナ宮殿」。カラフルで奇抜なデザインがSNSで広まり、近年爆発的に人気を集めています。

さまざまな時代に増築が繰り返された結果、ゴシック・マヌエル・ルネッサンス・イスラムなどの建築様式がミックスされ、現在のユニークな外観となったそう。


赤・黄・青とカラフルな色彩と、ゴージャスなデザインに、まるで絵本の世界に入り込んだような錯覚を覚えます。


敷地内にはカフェがあるので、昔々王族たちが眺めたであろう絶景を見ながら食事をしてみてはいかがでしょうか。

■詳細情報
・名称:ペーナ宮殿
・住所:Estrada da Pena, 2710-609 Sintra
・地図: ・アクセス:シントラ駅よりバスで約30分「Pena Palace」下車すぐ
・営業時間:9:45〜19:00(3月〜10月)10:00〜18:00(11月〜2月)※入場は閉館45分前まで
・定休日:1月1日、12月25日
・電話番号:+351 21 923 7300
・料金:€14(3月〜10月)、€11.50(11月〜2月)
・公式サイトURL:https://www.parquesdesintra.pt/parques-jardins-e-monumentos/parque-e-palacio-nacional-da-pena/

感動の絶景が見られる、ムーア人の城壁


次におすすめなのが、ペーナ宮殿から徒歩で12分ほどで行ける、ムーア人の城壁。ここは、7~8世紀ころムーア人によって築かれた城跡で、標高450mの山頂に見事な城壁が続き、すべて徒歩で回れます。




この天空にそびえ立つ城壁から眺める景観は、言葉を失う美しさ。深い森に囲まれた、シントラの町並みを見下ろせます。

■詳細情報
・名称:ムーア人の城壁
・住所:Parques de Sintra-Monte da Lua, S. Pedro de Penaferrim, 2710 Sintra
・地図: ・アクセス:シントラ駅よりバスで約30分「Pena Palace」下車、徒歩10分
・営業時間:10:00~18:00
・定休日:なし
・電話番号:21 923 7300
・公式サイトURL:https://www.parquesdesintra.pt/

シントラの旧市街


こちらは、シントラの旧市街の街並み。リスボンから日帰りで来る人が多いため、時間が足りず後回しにされがちですが、とても可愛らしく、30分もあればまわれてしまうのでぜひ立ち寄ってみてほしいスポットです。


青や黄色など、ペーナ宮殿を彷彿とさせるカラフルな建物が並び、フォトジェニックな街並みが魅力的。

シントラへのアクセス・詳細情報

電車の場合、リスボンの「ロシオ駅」から平日なら10分おき、休日は15分に1本程度シントラ行きの電車が出ていて、所要時間は約1時間です。

■詳細情報
・名称:シントラ
・地図: ・公式サイトURL:http://www.ezportugal.com/sintra-portugal

ポルトガルの可愛い小都市へ足をのばしてみよう

今回紹介したのは、美しいポルトガルの各都市の中でも「本当に行ってよかった!」と自信を持っておすすめできる、それぞれ全く違った魅力にあふれる街々。

フォトジェニックなアヴェイロやコスタノヴァ、歴史を感じるエヴォラとコインブラ、イスラムとの融合文化が垣間見えるファロとタヴィラ、絵本の世界に入ったかのようなシントラ、どこもぜひ実際に行ってみてほしい場所です。

リスボンやポルトから日帰りで行ける都市もあるので、時間に余裕のある方はぜひ小都市のほうへも足を運んでみてください。きっと心に残る、自分だけのお気に入りの風景に出会えますよ!

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