在独5年目の私がベルリンを移住先としておすすめする10のメリットと5のデメリット
こんにちは、在独5年目のErikaです。日本人の約100人に1人は海外在住者となったのはご存じでしょうか。ヨーロッパの先進国ドイツのベルリンは、首都でありながらも他のドイツの都市とは一味違い、世界中から人が集まり、自由に自己表現をするアーティスティックな街です。
近年では物価が安いことから、大都市のニューヨークやパリ・ロンドンから移住してくる人も多くなりました。そんな、ミックスカルチャーの自由で個性的な街・ベルリンを移住先としておすすめする理由をまとめてご紹介します。
ベルリンに移住するメリット
東南アジアへの移住が年々人気を高める中、ヨーロッパのベルリンを移住先としておすすめするメリットは、こちらの10個です。
首都でありながら物価が安い
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ニューヨークやパリ、ロンドン、東京と首都になればやはり人口が多く、物価も高くなるのが一般的。そんな中でもベルリンは今なお、スーパーへ行くとパスタ35円、野菜50円、 ビール50円と、500円あれば充分たくさんのものを買えます。
ベルリン市民の大好きなケバブやコロッケのようなファラフェルは、一つ約350円ほどから食べられるため、ランチにもディナーにもとても人気です。
レストランではランチは一食590円ほど、ディナーは約1,000円程度と、首都にしては比較的お手軽な価格で食事ができます。
インターナショナルなのでいろんな国の人と出会える
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人口約375万人のベルリンの国籍の割合は、ドイツ人が70%。それに続き約30%のトルコ人、そして、ポーランド人、イタリア人、アメリカ人です。ドイツの他の大都市では、約90〜150ヵ国の国籍の移民がいるのに対して、ベルリンの国籍はなんと190カ国とオルタナティブなのが特徴的。
私自身もドイツに住んでいながら、ドイツ人の友達よりスペイン人、チリ人、イタリア人、アメリカ人とインターナショナルな友達の方が多いです。今週はインディアンパーティー、来週はメキシカンパーティー、そして、クリスマスはドイツ人となど、様々な文化を一つの街で楽しめます。
英語で充分生活できる
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ベルリンは、ドイツの中でも特にインターナショナルな都市のため、カフェやレストラン、そして、病院も英語でほぼ問題なく対応してくれます。そのため、実際10年以上英語のみで滞在している人もたくさんいます。
ただ、その国の言葉を学ぶことは、その国の文化を知れるとても大切なことなので、ドイツ語も後々は学んだ方がいいかと思います。しかし、英語が基本的に通じるということは、移住するにあたってヨーロッパの中でもハードルが低く、移住またはワーホリで滞在しやすい利点です。
ベルリーナは自由
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インターナショナルな大都市ニューヨークやロンドンでは、物価や家賃が高いことが原因で、生活するのに2〜3個掛け持ちで仕事をしている人も多いのが現実。そんな中物価が安いベルリンは、生活費も他の都市と比べてグッと抑えられるため、必要な分だけ働いたらあとは自分だけの自由な時間を、趣味にあてたり友達に会ったり、ライフスタイルを充実できます。
昼間にスポーツジムに行っても多くの人がいたり、夏は平日からパーティーしていたりと、人目を気にせず、自由に過ごせる街です。
経済が豊かな国なので仕事を見つけやすい
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GDP(国内総生産)欧州トップ・世界でも第4位のドイツは、車産業や機械産業に優れているため、ヨーロッパでも特に仕事が多め。そのことから、ヨーロッパ内からドイツへ出稼ぎに来ている人も多く見られます。
ドイツの大きなマーケットとしては、フォルクスワーゲンやBMWなど車産業ですが、今の若者からは建築やデザイナー、研究者やセラピストなども人気の分野。
2020年から、ベルリンの最低賃金は9.35ユーロ(約1,128円)になったので、最低賃金でもベルリンでの生活に困ることはないと思います。ちなみに、仕事はカフェやレストランで直接募集しているか聞くか、ネットで見つけられます。
VISA(ビザ)がおりやすい
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2019年世界の移民人口第2位のドイツは、難民はもちろんのこと、働きに来ている外国人や結婚など、毎年多くの移民を受け入れています。日本と同様に少子高齢化社会問題を抱えているドイツでは、若手の働き手が必要で、2060年までは3人に1人が移民となるとも言われています。
そんな背景から移民が暮らしやすいように、ドイツ語や職業訓練コース、そして、職業探しなど国がお金を出してサポートする制度もしっかり整っています。そのため、ワーホリから延長での雇用ビザや、ドイツの会社に採用されれば、多くの場合雇用ビザを取得できます。
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さらに、ベルリンに住んでいる外国人はアーティストが多く、絵を描いている人、写真を撮っている人、音楽を作っている人など、雇用されていなくてもフリーランサーとしてビザが取れます。
ベルリンはスタートアップの会社やアーティストが多いため、ヨーロッパでも一番フリーランスのビザが取りやすいとも言われています。多くの人から情報交換をしてビザ取得に備えられるのも魅力の一つ。
ちなみに私は、ドイツの会社で雇用されているので雇用ビザで滞在しつつ、その雇用ビザにはフリーランスも付属しているので、フリーランスでも活動できます。過去4年で、2回職場を変えたため、その都度雇用ビザを更新していますが、特に問題なく更新できました。
日本とドイツは似ている
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よくドイツ人と日本人は似ていると言われます。最初はなかなかそうは思わなかったですが、長く生活してみて、基本的な経済状態や四季があることから、人も真面目できちんとしている、時間を守る、後先を考えて行動する、少しシャイなところなど、似ていると感じることが多くなりました。
もちろん、一人一人個性があるのであくまでも一つの例ですが、長くいるには暮らしやすい場所だと感じます。
社会保障がしっかりしている
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ドイツの社会保障は、市民を守るためとてもしっかりしていています。大学無料、医療費無料、毎月のこども手当て金を初め、雇用されていれば「有給最低24日」「病休の制限なし」「育児休暇」など、多くの社会保障が付属されるのも大きなメリット。
フリーランサーは有給や病休は自分次第なものの、基本的な医療費無料や失業手当てなどの、社会保障が付属されています。また、移民への移民コース(ドイツ語・職業訓練・職探し)や失業者への手当ても全て国が援助しています。
スタートアップが世界で一番多いので、起業しやすい
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EyeeEm(写真アプリ)やN26(ネットバンク)などベルリンから始まり、現在は世界で活躍しているスタートアップがたくさんあります。物価が安い上にヨーロッパの中心であるドイツは、世界中で一番スタートアップの会社が多いそう。
そのため、スタートアップを始めるにあたっての情報やミートアップなども多く、起業をしたいと考えている人にもおすすめの場所。銀行口座・住所登録・税金番号・就労ビザがあれば、税務署へ起業手続きが可能です。小さい会社であれば登録料も約25ユーロほどで起業できます。
ヨーロッパ内を簡単に旅行できる
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ヨーロッパは「Rayanair(ライアンエアー)」を始め、「easyJet(イージージェット)」「Wizz Air(ウィズエアー」と多くの格安エアラインが飛行しています。
ベルリンからイタリア、ポーランド、アイルランド、イギリスなど、片道約11ユーロ(約1350円)からチケットが購入可能です。週末にちょこっとイタリアでパスタを食べに、ロンドンでお買い物をしに行くなんてことも。
さらには、セール中だとなんとベルリンから近場の国は、5ユーロ(約600円)〜で購入できることもあります!旅好きには嬉しい情報ですね。
ベルリンに移住するデメリット
たくさんのメリットがあるベルリンですが、実は大変なことも。デメリットも隠さずまとめてみました。
書類がたくさん
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日本で市役所への質問や登録する際は、お昼の休憩や仕事前にちょっと市役所行って登録、質問があれば電話という流れですが、ドイツは一つの登録に一苦労します。これにはドイツ人でさえヘトヘトになるほど。
住所登録や税金書類・結婚など、一つ一つの手続きを市役所に予約する必要があり、この予約も1〜3ヶ月待ちなどは当たり前です。さらには、一つでもミスや、足りない紙があると予約を取り直してまたこないといけなかったり。基本的に市役所関係は、融通が利かないので大変です。
病院の予約が平均2〜3ヶ月待ち
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基本的にドイツの医療システムは、自分のホームドクターに診てもらい、そこから紹介されて専門家に行くという流れです。ホームドクターは予約なしでも診てもらえるものの、整形外科や循環器科など専門家に行くには予約が必須。その予約は平均2〜3ヶ月待ちとなっています。
保険料は無料ですが、待機期間が長いのが問題に。ちなみに、緊急の場合は緊急病院でひとまず診断できるので安心してください。なお、ホームドクターは自分の近所のエリアでインターネットで探せます。日本の一般内科のようなイメージです。
私も先日、胃腸科に2ヶ月予約を待っていき、アレルギーテストをする方向に。テストの予約は半年後が一番早い日と言われ、今も待機中です。
危険なエリアもある
ベルリンの壁時代から、パーティーカルチャーが根付いているベルリンはドラッグの売買など、場所によっては危ないエリアもあります。よく耳にする一つが「Görityer Park」。公園内ではよく薬の売買が行われているそうなので、その周辺は特に夜は一人で歩かないようにしましょう。
また、電車内でのスリなどはスペインやイタリアなどに比べて少ないものの、アジア人はやはり狙われやすいです。しっかりチャックのあるカバンで行動しましょう。
ドイツ人でも家探しは大変
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ベルリンは首都でありながら物価が安いため、今、急速に世界中から人が集まっています。そのため、どんどん家賃が高騰中。
ドイツ人でも、シェアハウスや一人暮らしの家を見つけるのに一苦労しているそうです。私も最初の2年間は3ヶ月住んで移動、5ヶ月住んで移動と、なかなか落ち着かない生活をしていました。
ちなみに、ベルリンはWG(シェアハウス)をしている人がほとんど。場所によりますが、シェアハウスの平均価格は月350〜550ユーロ(約4万〜6万5千円)で、平均して個人部屋は約6〜12畳位の大きさのお部屋が多いです。ただ、ドイツのお部屋は天井が高いので、日本のお家よりとても大きく感じます。
冬が長い
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基本的な四季の天気は日本と似ていますが、ヨーロッパにはサマータイムがあるため、夏は22時頃まで明るくてとても快適。しかし、冬は曇りが多く陽も9〜16時頃までしか出ないので、長く感じられます。
北欧に比べればまだ日照時間は長いものの、日照時間が長い南米やアフリカからきた移民たちは、最初の2〜3年は慣れず、冬は母国へ里帰りする人も多め。ドイツ人も冬こそ有休を取り、暖かい国へ逃げるように旅行する人も多く見受けられます。
まずはベルリンへ旅してみよう!
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海外移住はワーホリや留学とは違い、将来を見据えての選択です。簡単には決められないですし、私も5年住んだ大好きなベルリンでも、老人になるまで住むかどうかはわからないのが本音です。
ベルリンは特別自然が素晴らしいという場所ではないですが、インターナショナルで平和で、自由で、快適。海外在住を考えている方に少しでも参考にしてもらえると嬉しいです。