【数奇な運命をたどる】フランスの要塞フォール・ボワヤール
世の中には、数奇な運命をたどった建造物が数多くあります。今や世界有数の人気を誇る「モンサンミッシェル」でさえ、一時期は牢獄として使用されていたほどです。それ以上に数奇な運命をたどっているのが、フランスにある「フォール・ボワヤール」でしょう。
フォール・ボワヤールの誕生
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フォール・ボワヤールは、大西洋岸のラ・ロシェルという街の沖にある島…というか建物です。フォール・ボワヤールはもともと、19世紀中ごろに完成をした要塞です。
フォール・ボワヤールは縦が31メートル、横が68メートル、高さが20メートルにも及ぶ、まるで戦艦のような要塞。対イギリスでは重要な拠点だったのですが、間もなく長距離砲が本土などに配備されると、その優位性は無くなりました。
テレビによって救われたフォール・ボワヤール
その後、反乱者をニューカレドニアへ流刑に処すまでの収監の地として使われ、20世紀になると砲台すら鉄くず業者に売り払われてしまいました。
第二次大戦後、国によって復興計画が立てられましたが、その後なぜか歯医者が落札して、要塞をホテルに改装しようとしましたが、結局それも頓挫。
忘却のかなたに流されようとしていたフォール・ボワヤールを救ったのは、フランスのテレビ局でした。1980年代、ここをテレビの宝探しの舞台としたのです。こうして、フォール・ボワヤールは再び日の目を見ることとなりました。
フォール・ボワヤールへの行き方
すると気になるのが、ここへの行き方です。沖にあるので当然ながら陸路の行き方はありません。船で行こうにも、港すらありませんので船は接岸できません。ラ・ロシェルから観光船が出ており、外から見ることしかできないのです。
フォール・ボワヤールは無断立ち入り禁止
そもそも、現在のフォール・ボワヤールはテレビ局の所有となっているので、勝手に入れません。要塞内には当然ホテルもありませんので、ラ・ロシェルでホテルを取るほかありません。いくら予算を積んでも、残念ながらいけないものはいけないのです。
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