フランス旅行といえば、パリを思い浮かべる方が多いと思いますが、ヨーロッパらしい芸術センスが光る街並みに、南国特有ののんびりとした空気感が漂う南フランスも魅力的。

「あまりメジャーじゃないから、旅上級者でないと楽しめないのでは?」と心配される声がよく上がりますが、パステルカラーな街並みや、写真に残したくなるかわいいスポットがたくさんあり、かつ主要な観光地は公共交通機関で比較的楽に観光できる、旅ビギナー女子にはありがたい場所。

今回はそんな南フランス旅行を弾丸2日間で巡ってきたので、観光ルートと素敵な写真スポットを中心にときめきあふれる旅を提案します。

ハイシーズンのニース空港は大混雑に注意

日本を出発して約24時間。ドバイを経由してニースのコートダジュール空港に14時ごろ到着しました。ほぼ遅延なく到着したのですが、到着後にハプニングが発生!

旅行時期が7月のベストシーズンだったからか、入国手続きのカウンターが長蛇の列になっていたのです。40分ほどで入国するができたのですが、この間に乗りたかったバスを逃してしまいました。

時間のない弾丸旅行であったため、空港からタクシーでニース駅に向かうことに。バスなら6ユーロほどだった距離に32ユーロもかけてしまう、初回から痛い出費です。

旅の拠点は南フランスの代表観光地ニース

今回は「2日間で南フランスを巡る」ということで、時間に余裕がありません。時間のロスが少ない場所を拠点にするため、中心地であるニースに宿泊することに。

ニースは南フランスの代表観光地ということもあり、他の観光地に行くための電車やバスが多数運行しています。宿泊先はニース駅すぐ近くの「Hotel du Midi」を選択。重いキャリーケースもホテルに預けて観光できるので、非常に便利でした。

■詳細情報
・名称:Hotel du Midi
・住所:16 rue d Alsace Lorraine
・地図: ・アクセス:Gare de Nice Villeより徒歩2分
・公式サイトURL:https://www.hoteldumidi-nice.com/en/location/

ニースに到着後、すぐにエズ観光へ出発

ニースに到着し、ホテルに荷物を置いたら、すぐに最初の目的地である「エズ村」へ出発します。

今回、ここまで急いで行動している理由は、次の日が日曜日だということ。日曜日はバスのダイヤが違うことが多く、この旅の主要目的地である「エズ村」へのバスもほとんど動いていない状態です。日曜日の夕方には南フランスを離れなければならない私達にとって、エズに行けるのは到着日である本日(土曜日)のみ。

ニース駅近くのホテルを選んだおかげですぐに行動できたため、結果的に1本早いバスでエズに到着することができました。弾丸旅行にとって、ホテルの場所選びは特に重要です。

エズへのアクセス方法

ニースからエズ村に車以外の方法で行くためには、バスor電車+バスorタクシーという3つの方法がありますが、タクシーは1万円以上かかるので金銭的な理由でパス。

通常ならニースから直通で行けるバスを利用するのですが、事前に調べたところ、バス停がかなりわかりづらい場所にあることがわかりました。時間が限られている旅なので、今回は電車+バスで行くことに。

国鉄ニース駅からエズ駅までは、電車で4駅。約15分で到着です。

電車に乗る時に戸惑ったのが、駅の切符販売機にエズ駅が載っていなかったこと。後ろに並んでいた方に「モナコと同じ値段だから、モナコを選んで切符を買ったら大丈夫」とアドバイスをいただけたおかげで、モナコ行きの切符を購入し、無事に電車に乗ることができました。

国鉄エズ駅からエズ村までは、1時間半の登山が必要な距離。そのため、エズ駅近くのバス停からバスに乗ります(バスの運行はシーズン限定なので注意)。山道を25分かけて登るのですが、結構揺れるので、酔いやすい方は薬を飲んでおく方が安全です。

コートダジュールの大パノラマを楽しめる熱帯植物園

無事にエズ村に到着したのは16時頃。とはいえ、7月のフランスの日没は20時半ごろ。まだまだきれいな青空を見られる時間帯です。

エズ村に着いたらまず向かってほしいのは、もっとも有名な景勝地である熱帯植物園。入園に6ユーロかかりますが、その値段の価値をはるかに超えるほどの絶景が待っています。

眼下に360度広がるコートダジュールの美しい景色を眺めていると、たくさんの人がこのエズ村に魅了される理由がわかります。

■詳細情報
・名称:熱帯植物園
・住所:06360 Eze France
・地図: ・アクセス:エズ村入り口から徒歩約20分
・営業時間:9時〜16時30分(1月~3月、11月~12月)、9時〜18時30分(4月~6月、10月)、9時〜19時30分(7月~9月)
・定休日:12月25日
・電話番号:(04)93411030
・料金:6ユーロ
・所要時間:約1時間
・公式サイトURL:https://www.jardinexotique-eze.fr/

迷路のように入り組むエズ村

熱帯植物園を堪能した後は、エズ村の中で写真撮影タイムです。石で造られた建物が立ち並び、まるでRPGの世界の中のような村の中をぐるり。迷路のように入り組んだ村の中を進んでいると、アイスを売っているカフェやかわいいお土産屋さんに吸い寄せられ、いくら時間があっても足りません。

じっくり観光すること2時間。後ろ髪惹かれる思いでエズを離れ、行きと同様電車とバスを乗り継いでニースまで帰りました。

電車で25分で隣の国に!セレブの国モナコ公国

早くも南フランス観光最終日。2日目は最初の目的地であるモナコ公国へ出発です。モナコ公国はフランスとイタリアの間にある世界で2番目に小さい国。フランスとは別の国になりますが、なんとニースからは電車で25分ほどで行けるのです。

近いとはいえ、高級ビル・クルーザーが立ち並び、ゴミ1つ落ちていない洗練されたモナコ公国はフランスとはまったく違う雰囲気。「セレブの国」と呼ばれるのもうなずけます。

ニースからモナコへのアクセス

国鉄ニース駅からモナコの駅(Gare de Monaco)まで電車で1本。所要時間は25分でした。モナコ駅から中心地までは、歩いて15分から20分ほどかかるので、時間に余裕を持って行動したいところ。

ちなみに、ニースからモナコ公国までは、バスでも行くことが可能です。

高級クルーザーが立ち並ぶエルキュール港

モナコの美しい建物と、高級クルーザーが並ぶ姿をすぐ近くで満喫できるエルキュール港。港の周りをぐるっと歩いていると、この景色が見えてきます。

この日は日曜日の朝ということで、人がほとんどいませんでしたが、逆に船が多すぎて、人を入れて写真を撮るには少し撮りづらいなと思う場面がしばしば。曜日や時間帯を変えることでクルーザーが移動して、写真を撮れるポイントが変わるのかもしれません。

モナコ公国のシンボルとも言える高層ビルとクルーザーが目の前に広がる景色は圧巻です。

■詳細情報
・名称:エルキュール港
・住所:Port Hercule
・地図: ・アクセス:Gare de Monacoから徒歩約15分

モナコの街並みを俯瞰で楽しむ大公宮殿

続いて向かった場所は、モナコの街全体を俯瞰で撮影できる大公宮殿の展望台。エルキュール港から15分ほど歩いた場所にあります。

ぎっしりと密集するように立ち並ぶ高層ビル群とずらっと整列する高級クルーザーたち。俯瞰で眺めることで、「セレブ国」と呼ばれるモナコ公国の壮大さをより感じることができます。

大公宮殿には、カラフルな色で彩られた壁もたくさん。壁を背景にかわいい写真を撮ってみてはいかがでしょうか。

■詳細情報
・名称:大公宮殿
・住所:Place Du Palais, 98015 Monaco
・地図: ・アクセス:Gare de Monacoから徒歩約15分
・営業時間:10時半~18時(4月)、9時半~18時半(5月~9月)、10時~17時半(10月)
・定休日:冬期
・料金:7ユーロ(展望台は無料)
・所要時間:約30分から1時間

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パステルカラーに胸がときめくレモンの街マントン

モナコを後にし、次に訪れた場所はマントン。まだ日本ではあまり知られていないのですが、パステルカラーな建物が立ち並ぶ、とてもかわいい街。イタリアから車で5分と近いこともあり、フランスとイタリアの空気感が入り混じる独特の魅力を放っています。

モナコからマントンまでのアクセス

大公宮殿からモナコ駅まで徒歩20分ほどかかるため、大公宮殿近くのバス停「prace d´armes」からの直通バスに乗り、マントンまで行くことに。バス停のすぐ近くには海が広がり、海沿いを歩きながら観光スポットが集まる旧市街を目指します。

マントンのバス停から旧市街までは、徒歩15分ほどで到着。

ちなみに、電車でモナコからマントンまで行くことも可能ですが、マントン駅から旧市街まで20分ほど歩く必要があります。

マントン旧市街を一望できるアンペラトリス・ウージェニ通り

パステルカラーの建物が特徴的なマントン。旧市街の中から眺める街並みも素晴らしいのですが、ぜひ見ていただきたいのがこのかわいい建物でできた街の全体像。旧市街の目の前にあるビーチの横の道「アンペラトリス・ウージェニ通り」をしばらく歩いてから振り返ると、この景色に出会うことができます。

イエローやピンクなど暖色で統一されたポップな建物は、リゾート地であるこの街にぴったり。テーマパークの世界観を表現したような非現実的な景色に、心が引き込まれます。少し大変ですが、道の左側に続く岩場に行くことができたら、上記のような岩場に座った写真を撮ることもできます。

■詳細情報
・名称:アンペラトリス・ウージェニ通り
・住所:Quai Impératrice Eugénie, 06500 Menton
・地図: ・アクセス:Gare de Mentonから徒歩約20分

絵本の世界から出てきたようなメリーゴーランド

フランスの至るところにあるメリーゴーランドですが、ここマントンのメリーゴーランドは格別にかわいい。赤と白を基調にしたおもちゃみたいな色合いに、背景のパステルカラーな建物が映えて、マントンの明るさを表現しているように見えます。

このメリーゴーランドは、マントン旧市街の中にあるので、ぜひ探してみてください。

■詳細情報
・名称:マントン旧市街
・住所:11-15 Rue Saint-Michel
・地図: ・アクセス:Gare de Mentonから徒歩約20分

ついに最後の目的地、拠点であるニースへ

マントンでランチを済ませ、急いでニースに戻ります。夕方17時には電車で次の目的地に行く必要があるため、ニースの観光は時間調整ができる最後に残しておきました。

見どころがたっぷりある魅力的な街なのですが、今回は駆け足で観光します。

マントンからニースまでのアクセス

マントンからニースまでは、電車でもバスでも行くことができますが、渋滞が少し心配だったので、電車を選択。マントン旧市街からマントンの駅までは徒歩20ほどかかるので、時間配分に気を付けてください。

ニースの観光スポットは旧市街に固まっているので、ニース駅に着いたらトラムに乗り換えて旧市街へ向かいましょう。

ニースのシンボル!うずまき模様のパラソル

ニースといえば、このぐるぐると渦巻いたパラソルが立ち並ぶ光景を思い浮かべる方も多いと思います。これは、ニースのビーチ近くにあるレストランが出しているパラソル。ビーチを歩いていると、見つけることができます。

どこまでも広がるコバルトブルーのビーチに美しい青いパラソルが映える光景は、まさにバカンス。海で泳ぎたくなるほど暑い日でしたが、観光優先のためぐっと我慢。

■詳細情報
・名称:Neptune plage
・住所:Prom. des Anglais, 06000 Nice
・地図: ・アクセス:Masséna駅から徒歩約15分

定番ビュースポットは、ニース城址公園展望台から

ニースの景色を俯瞰で撮影できるビュースポットである「ニース城址公園展望台」。こんなに素敵な景色を見られるのに、エレベーター・入場料ともに無料である、ありがたい場所なのです。

展望台まではエレベーターで昇るのですが、エレベーターの場所が非常にわかりづらいので注意が必要。スイスホテルの横にあるので、スイスホテルを目指して歩いてみるとわかりやすいですよ。

無料で素晴らしい景色が見られる観光スポットである反面、エレベーター待ちの行列の進むスピードがかなり遅いことが難点。私が並んだ時は15名ほど前にいたのですが、1回で乗車できる人数が限られているためか、エレベーターに乗るまで30分ほどかかってしまいました。時間に余裕のない旅をしている方は要注意です。

■詳細情報
・名称:ニース城址公園展望台
・住所:Rue des Ponchettes 06300, Nice
・地図: ・アクセス:Masséna駅から徒歩約10分
・営業時間:8時半~18時(4/1〜9/30は20時まで)
・定休日:なし
・料金:無料
・所要時間:約30分

ビーチに周辺あるオブジェで遊んでみよう

ニースのビーチ周辺には、遊び心あふれたオブジェがいくつもあります。ずらっと並んだブルーの椅子は、座ってのんびり海を眺めたり、人を入れた写真を撮ったりできます。

大きなオブジェもビーチの近くに点在しているので、人があまりいない午前中に行って、オブジェとビーチをゆっくり楽しむこともおすすめです。

■詳細情報
・名称:ビーチ周辺のオブジェ
・住所:12 Prom. des Anglais, 06000 Nice
・地図: ・アクセス:Masséna駅から徒歩約15分

まるで映画のワンシーン!マセナ広場でとっておきの1枚を

弾丸ニース観光の最後の目的地は、ニース中心部にあるマセナ広場。カラフルな建物も素敵ですが、注目してほしいのはその地面。なんとチェック柄になっているのです。

ポップなピンク・オレンジで彩られた建物とチェック柄のタイルの相性はぴったりで、その場に立つだけでまるで映画のワンシーンに入り込んだかのような気分に。

リゾートならではの明るく元気な色使いとフランスの持つ洗練されたセンスをふんだんに詰め込んだような場所にときめきながら、旅は終了。次の目的地に行くため、南フランスを後にしました。

■詳細情報
・名称:マセナ広場
・住所:Place Massena 06000, Nice
・地図: ・アクセス:Masséna駅から徒歩約2分

旅ビギナーもチャレンジしてほしい!「かわいい」にときめく南フランス旅

街を歩けばどこかから陽気な音楽が聞こえ、漂う海風とバカンスを楽しむ人の笑い声であふれる優しい世界。太陽が降り注ぐコバルトブルーのビーチに、ポップでかわいい街並みが映える南フランスは、モノトーンでスタイリッシュなフランスのイメージをいい意味で覆してくれました。

目に焼き付けておきたいほどかわいい街並みや美しい自然、フォトスポットがたくさんあり、公共交通機関で行動できる南フランスは、海外旅行ビギナーの方にこそぜひチャレンジしてもらいたい場所。

短期間でも十分に堪能できるので、フランスの他の場所と組み合わせたり、他の国と一緒に観光したり、いろんなプランを組んでみることをおすすめします。

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