世界一幸せな国フィンランドで、「自然と暮らすこと」について学ぶ
モイ!TABIPPOデザイナーのさちよです。
3年連続で世界幸福度ランキング1位になったフィンランド。どうしてフィンランド人はそんなに幸せなのかを知るためにライターのあべちゃんと行ってきました!
幸せを感じる瞬間はたくさんあります。サウナに入ること、クリエイティブなことをする時、家族で時間を過ごすこと。その中でも私が注目したのは自然の中で過ごすこと。
フィンランド人にとって自然はとても身近にあります。私も実際にフィンランドでたくさんの自然の良さを感じてきました。
自然の美しさを感じる
フィンランド南部のハメ県の中心部に位置するハメーンリンナにある、アウランコ自然保護地区でノルディックウォーキングを楽しみました。ここは近くの街から車で10分ほどで来られる場所になるので、地元の人もよく来るそうです。
冬でも緑を感じることができ、ひんやりと冷たい空気がとても澄んでいました。夏になるとたくさんのベリーやきのこが取れるので、子供たちはネイチャースクールで森を訪れ、どれが食べられるものなのかを学ぶそうです。
森の至る所にコケが生えていて、900種類ものコケがこの森にはあります。案内をしてくれてたガイドのエリアさんは、木に生えたコケを見て「It’s so beautiful!」と言っていたのが印象的でした。
あなたにとって幸せとは?と尋ねてみたところ、「森に1人で来て、自分の世界に入って物思いにふける時。世界がすごくきれいに感じる瞬間です。」とおっしゃっていました。
日々自然の中で、自分と向き合い美しいと感じることが幸せに繋がるのだなと彼女を見て感じました。
頂上まで行くと展望台があり、シベリウスの森とその先に広がる湖が見れます。ずっと先まで続く自然は開放感があって心地良かったです。寒いこの時期に来ても清々しさを感じるので、夏に来るとさらに楽しいかもしれません。
自然のものを味わう
次の日はタンペレへ移動し、Kintulammi自然保護区に行きました。ここは公共の場所で、トレイル、ダックボード、ハイキング、小屋や道しるべなどがあり、ハイキングコースもあります。
今年は今までにないくらい暖かい年で、冬でもだいぶ雪が降っていなかったのですが、少し積もった雪が凍り足元が滑りやすかったです。寒い時期に来る際は、滑り止めがしっかりしたトレッキングシューズで来るのがおすすめです。
昨日は見られなかったリンゴンベリー(コケモモ)を見つけました。小さくて赤い実は可愛く、あまずっぱかったです。自然の中に生えているベリーは、観光客も自由に積んで食べていいので、夏になるとハイキングをしながら楽しめるのも魅力。
自然の国立公園によくある、オープンシェルターがここにもあります。誰でも使えて、きれいにして帰れば大丈夫。今日はここのKirkkokiviでオーガニックな食材を使ったランチを食べました。
フィンランド人は地元で育った食材をよく食べています。オーガニックなものを選び、心にも体にもいいものを取り入れることで、サステイナブルにも繋がります。
リンゴンベリーのサラダ、レインボートラウト、ズッキーニ、バルサミコ酢とにんにくのソース、ソーセージ、スモークバターで味付けしたポテトを味わいました。どれも食材の味がしっかりして、とてもおいしかったです。ついついおかわりをしちゃいました。
体も心もリラックス
この森をガイドしてくれたマルクスさんによる、薪割りレクチャーがありました。実際に私も体験することに!手を怪我しないようにするポイントと、重力を利用して簡単に割るコツを教えてもらったので、力を入れずに割ることができました。
割った薪を使って火をおこし、コーヒーを作ることに。マッチなどは使わず専用の金属を擦り合わせて摩擦で火花を出し、火をつけました。着火に使う木くずや薪は、周りにたくさん生えている白樺を使います。
1つの炎で、お湯を沸かしたり、体を温めること、濡れた靴を乾かしたり、ゆらめく光を見つめているだけでリラックスもできる。火にはたくさんの活用方法があることをマルクスさんが教えてくれました。
出来上がったコーヒーを自然の中で飲むと、体の中から暖まるのがよく分かり、美味しいだけでなく、気持ちまでほっとしました。
気持ちを落ち着かせた後は森林浴をしました。一緒に来た人たちとそれぞれ距離を置き、目を閉じて自然を感じます。
未来や過去のことではなく、今現在のことに集中するのが大事。鳥の声、風で木の葉がこすれ合う音、空気の匂い。自分を開放させて、今起こっていることに目を向けることでリラックスできます。
太陽の光を浴びる
フィンランドの冬は曇りが多く、一日どんよりしている日もあります。私が訪れた時も中々太陽を見ることができませんでした。
その分太陽が出てくると、その暖かさや嬉しさを感じます。街中も道が広かったり、建物同士の間隔があいています。首都のヘルシンキでも全体的に開けているので、日陰になってしまう場所が少なかったです。
泊まったホテルも窓が大きいところが多くびっくり。曇りでも光をいっぱい取り込めるようになっているのかも。
ホテルの朝食を食べる際も、大きな窓があるので光をたくさん吸収できます。朝からすっきりした気持ちになりました。
2018年12月に新しくできた図書館Oodi(オーディ)にもとても大きな窓があります。北欧デザインの建築もとてもおしゃれだったのですが、光がたくさん差し込んでくる構造になっているのも魅力的でした。
室内にいても太陽を感じることができますが、バルコニーに出てコーヒーを飲むこともできます。日々こうして太陽を近くに感じられるようになっているのは素敵ですよね。
自然と共に暮らす
森林浴はストレスホルモンを軽減させ、自然の中にいるだけで、心拍数が下がりリラックスできるという科学的データがあります。フィンランドの人たちは日々の生活に自然と関わることが取り入れられているため、幸せを感じているのかもしれません。
毎日森へハイキングに行くのは難しいですが、部屋の中に緑を飾ったり、オーガニックの食材で料理をすること、できるだけ太陽を浴びられる空間を作ることを意識してみると、気持ちが明るくなり、リラックスできるのではないでしょうか。
上手に自然と暮らせる日々を送りたいですね。