ヨーロッパ最後の原生林「ビャウォヴィエジャの森」で“野獣”バイソンに出会う
こんにちは!現在、妻と世界を旅しているタカヤンです。近年、ビザフリー滞在が解禁されて入国しやすくなったベラルーシへ旅行してきました。
その際に、ベラルーシ西部にある「ビャウォヴィエジャの森」という森林へ。噛まずには言えないような名前の森ですが、ここはベラルーシが誇る世界遺産です。
こちらへ訪れたことがある方はまだ少ないと思うので、実際に行った私が案内をさせて頂こうと思います。
ビャウォヴィエジャの森とは?
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「ビャウォヴィエジャの森」とは、ポーランドとベラルーシとの国境にまたがる広大な原生林です。
「ヨーロッパに残された最後の原生林」や「ヨーロッパ最大の原生林」と言われるほど、手つかずの自然が残っていてとても貴重な森林です。一度絶滅しかけたヨーロッパバイソンの生息地としても知られています。
ポーランド側では1979年、ベラルーシ側は1992年に世界自然遺産へ登録されました。森の大部分は保護されているため、決められた場所のみ観光することができます。
ベラルーシでは「ベラヴェジの森」という名前でも呼ばれています。敷地内には動物園もあるので、自然や動植物が好きな方には是非おすすめのスポットです。
森への行き方
photo by Kanako Ota
今回私はベラルーシを旅行中だったので、ベラルーシ側の森林へ行きました。国境をまたいでいるので、もちろん今回はポーランド側の森林には行けません。
「ビャウォヴィエジャの森」を目指すために、まずはベラルーシ西部にある「ブレスト」という街に行きましょう。ベラルーシ首都のミンスクより、バスや電車で行くことができます。私はミンスクから夜行列車で行きました。
この街が森への出発点。森はブレストより70km北にあります。ブレストには他にも「ブレスト要塞」等の観光地があるので、時間があればブレストの街を観光するのもおすすめです!
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ブレストの街から「ビャウォヴィエジャの森」までは、バスで行きます。ブレスト中心部にあるバスターミナルへ行き、森の入り口付近のバス停「kamianiuki」までのチケットを購入します。
ベラルーシでは英語が通じないのでちょっと大変ですが、ここではGoogle翻訳の出番!ロシア語をオフライン保存しておきましょう。翻訳のおかげでなんとかチケットを買うことができました。
ここから森までは約1時間半の道のりです。1時間半後、無事に森の入り口に到着。それでは、森へと入って行きます。
いざ「ビャウォヴィエジャの森」へ
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森に入る前に、チケットを購入します。森の中は歩きだととても時間がかかってしまうため、自転車で周ります。自転車好きな人は、自分の自転車をバスで持ち込んで来ていました。
レンタサイクル4時間券と動物園の入場券を購入。パスポートを自転車のデポジット代わりに預けるようです。
レンタサイクルが15ルーブル、動物園が3ルーブルの計18ルーブルでした。(2018年現在のレートだと、日本円で約950円)ベラルーシの物価からするとちょっと高めですが、観光地なので仕方ないでしょう。これでようやく、森の敷地へと入れます。
森の動物園へ
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敷地内は森だけでなく、レストランや宿泊施設、動物園、お土産屋等、いくつかの施設が入っています。入って少し進むと、さっそく動物園を発見!
動物園は「ビャウォヴィエジャの森」で一番人気の施設と言えるでしょう。何しろ、貴重なヨーロッパバイソンが見れるのですから。
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広い敷地の中で、自然に近い状態で動物たちが生活しています。ヨーロッパバイソンだけの動物園かと思いきや、熊や鹿、狼、馬、その他小動物も何種類かいました。
白い馬は私が柵に近寄ると、寄ってきました。何か食べ物をもらえると思ったのでしょう。
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狼は2匹いて、少し大きめの犬のようでした。この狼が人慣れしているのか、柵に近寄ると駆け寄ってきました。そして犬みたいにじゃれてきて、妻は指を舐められていました。狼に指を舐められるなんて、そうそうないですよね。可愛い狼でした。
もちろん、噛まれないように気をつけて下さいね。
ついにヨーロッパバイソンに出会う
photo by Kanako Ota
動物園を進んで行くと、ついにヨーロッパバイソンに遭遇!人生初のヨーロッパバイソンです。大きくて貫禄があります。
こんな動物が森の中にいるんだと思うと、面白いですよね。野生のバイソンには出会えるのでしょうか。
ヨーロッパバイソンの雄は顔まわりがフサフサしていて、映画「美女と野獣」の野獣にそっくりです!絶対、野獣のモデルになったと私は思っています!
森をサイクリング
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動物園を見終わったので、森へサイクリングに行ってみます。いくつかのサイクリングコースがあるのですが、私は全長27kmのコースを走ってみることにしました。私が行ったのは10月上旬。紅葉が少し始まっていました。
一本道の横には広大な森が広がっていて、どこかにバイソンや動物がいないかと目を凝らしながら走ります。
ですが、バイソンが出てきそうな気配なんて全くしません。森の大部分は保護されていて行くことができないので、やはり森の奥深くに潜んでいるのでしょうか。道に急にバイソンが現れたらびっくりしますし。
なんとなく、そんな気はしていました。世界遺産ですもんね。
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途中で湖があったので少し休憩。
私は時間の都合上行きませんでしたが、サイクリング中には「マロースじいさん」というロシア版のサンタクロースの家もありました。クリスマスシーズンにはたくさんの子どもが訪れるようです。
マイナスイオンを感じながら走り続け、27kmを走り終えました。自転車を借りてからちょうど4時間後に返却。それではブレストの街へと帰りましょう。
帰りにトラブル発生!
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帰りのバス停に行くと、この後のバスがほとんどないことが判明しました。時刻表によると、次のバスは4時間後……。バス停は屋外にある簡素なものだし、周りには何もありません。
4時間後のバスに乗るとしたら、ブレストに着くのは夜遅くなってしまいます。寒いし、こんなところで4時間も待つなんて、大変です。
というより、4時間後本当にバスが来るのかも本当かわかりません。観光シーズンが終わって時間が変更されている可能性もあります。
これはヒッチハイクをしてみようと思い、親指を立てて道路脇で待ちます。すると、すぐに一台の車が止まりました。近くの街まで行ってくれるらしく、そこからならブレスト行きのバスは出ていそうでした。
無事に近くの街のバスターミナルまで送ってもらい、そこからはちょうど良い時間のバスが出ていました。ベラルーシの人は親切な人が多いです。スムーズにブレストへ帰ることができました。
まとめ
photo by Kanako Ota
ベラルーシの観光地は、まだまだ観光客の数が少ないのであまり整備されておらず、バス等の本数が極端に少ないことがあります。「ビャウォヴィエジャの森」に行かれる際は、朝早くから行動して帰りのバスの時間もちゃんと把握しておくことをおすすめします!
また、森の敷地内にある宿泊施設にも泊まれるので、ゆっくりしたい方はそちらに泊まってみてください。
「ヨーロッパ最後の原生林」と呼ばれるほど貴重な「ビャウォヴィエジャの森」。ベラルーシはこれから観光客が増えてくると思われるので、観光客がまだ少ない今がゆっくりと観光するチャンスです!