島根県を侮るなかれ。自然・文化・サウナありの温泉津を大満喫|ひぐの旅先案内人 08
こんにちは、ひぐです。山口を離れて、続いて訪れたのはゲストハウスrucoのスタッフさんにオススメしてもらった島根県の温泉津(ゆのつ)。
山陰地方自体が初めての訪問で、山陰地方に対するイメージは、正直まったくありませんでした。が、しかし……!
福岡育ちなので、九州を贔屓しがちなのですが、今まで巡った九州地方に引けを取らないほど、山陰地方も魅力がいっぱい!
リアス式海岸によって生み出された海の豊かさや、鉄分豊富な山の恵み。
他にも後世へと残したい伝統文化など。
そして、意外と東京からのアクセスが良いということも判明。飛行機を使えば、東京から島根の出雲空港までは1時間半で行けちゃうんです。
今回訪れた温泉津は、じつは石見銀山の遺跡の一部として世界遺産にも登録されている場所。人口が3,000人しかいない町だからこそ、のびのびとした暮らしがありました。
そんな温泉津での3泊4日。印象的だったオススメスポットや体験をご紹介します。
石見神楽 (龍御前神社)|初心者歓迎!大迫力の伝統文化を楽しむ
地元の方に聞くと、「これは行った方が良い」とこぞって名前が上がるのが「石見神楽」。
温泉津以外でも行われているそうなのですが、温泉津では龍御前神社で毎週土曜日の夜に開催されています。
正直、伝統文化に対する興味って若い人は薄れてきてるのでは?実際に僕も「2,000円かかるし……うーん」と思っていました。
しかし、記事を書くなら行っとくか。なんて軽い気持ちでチケット販売をしている輝雲荘へ。
「おひとり?すごい良い席がひとつだけ空いてるよ。」というラッキーにも恵まれました。そして、夜になって会場を訪れます。すると……
(!?!?!?これが2,000円で見れるんですか!?)
舞台との距離は50cmほどと本当に良い席。目の前に広がる劇の迫力たるや、劇団四季に引けをとらないのではと思うほど。
なんなら距離が近い分、臨場感は石見神楽が圧勝かもしれません。5,6kgほどある大蛇の装飾をしなやかに動かす様はまさに”職人芸”でした。
劇団の方いわく、神楽団体は150くらい残っており、団体によって個性があるそうです。神楽では昔の言葉を使いますが、言葉がまったく分からなくても、理解できるシンプルなストーリー。
子どもから大人まで楽しめる石見神楽にぜひ触れてみてください。
・名称:石見神楽 (龍御前神社)
・住所:〒699-2501 島根県大田市温泉津町温泉津イ736
・地図: ・アクセス:JR温泉津駅から徒歩10分
・営業時間:20:00~21:00
・定休日:日曜日〜金曜日(土曜日のみ開催)
・電話番号:0855-65-2998
・公式サイトURL:https://iwami-kagura.jimdofree.com/
WATOW|料理人が入れ替わる?キッチン&ホステル
ここ「WATOWA」は3泊お世話になった宿。
もともと温泉津は1泊だけ……と思っていたものの、なんだかんだで3泊するほどお気に入りの場所に。
ドミトリーだけでなく個室もあるのがうれしいポイント。和風なテイストで、清潔感のある素敵な宿でした。
また、WATOWAでは「WATOWAキッチン」という取り組みを行っています。期間限定のポップアップスタイルで、全国各地から素敵な料理人さんが腕をふるいます。
3,000人ほどと小さい町で、宿で美味しいご飯が食べれるというのは、とてもありがたいことですね。滞在中にもよくお世話になりました。
素朴なラーメンも、ブリトーも両方絶品でした。
・名称:WATOWA
・住所:〒699-2501 島根県大田市温泉津町温泉津19-1
・地図: ・アクセス:JR温泉津駅から徒歩15分、山陰道「江津IC」から車で25分
・電話番号:090-9349-6558
・公式サイトURL:https://watowa.club/
薬師湯|温泉津といったら、やっぱり温泉!
温泉という名前が地名に入る場所って日本で温泉津くらいじゃないでしょうか?
温泉津にはその名にふさわしいふたつ温泉があるのですが、そのひとつが「薬師湯」です。
浴室にひとたび入るとびっくりするくらい鉄のにおい。
そして、温泉の温度がとても高いったらありゃしない!でも、疲れがじわっと引いていきますし、人生で初めて温泉の効能を感じました。
ちなみに温泉津にあるもうひとつの温泉は「元湯」というところなのですが、そちらの方が上級者向けとのこと。
そして、なぜ「元湯」の方が上級者向けかというと、お湯の温度が薬師湯より高い48℃なんだとか。もはや入れるのか?(笑)
・名称:薬師湯
・住所:〒699-2501 島根県大田市温泉津町温泉津7
・地図: ・アクセス:山陰道「江津IC」から車で25分、WATOWAから徒歩2分
・営業時間:9:00~21:00(日曜のみ8:00~21:00)
・電話番号:0855-65-4894
・公式サイトURL:https://www.yunotsu.com/
時津風|サウナー必見のニュースポット
ここ「時津風」は3つの機能が集まった複合施設です。
ギャラリーや物販を行っている「時」
カフェとスナックを運営する「津」
そして、2022年7月にニューオープンしたフィンランド式サウナ「風」
ギャラリーもスナックも、めちゃくちゃ推しなのですが、個人的にはサウナが非常にアツかった!(色んな意味で)
定員が6名と半貸切サウナとなっていて、ゆっくりサウナを堪能したいサウナー必見のスポットです。
温度自体は60度ほどと低いように感じますが、時津風の熱波師である戸倉さんの頑張りがとにかくすごくて、体感温度はぐんぐん上昇していきます。
そして、サウナーにとってはサウナや水風呂の温度と同じくらい、休憩所の充実度合いは大事ですよね。
どうぞご覧ください、この休憩所の充実具合!
空気も美味しいし、まさに整うための休憩所。このサウナでは自分たちが持っている里山で取れた薪を使っているなど、地産地消の動きもとても素敵です。
サウナを終えたら、スナックで地元の人たちとの交流を楽しむのも良いですね♪
・名称:時津風
・住所:〒699-2501 島根県大田市温泉津町温泉津ロ23
・地図: ・アクセス:山陰道「江津IC」から車で25分、WATOWAから徒歩1分
・営業時間:
金曜日:11:00~19:00、20:00~23:00
土曜日:11:00~19:00、20:00~23:00
日曜日:11:00~19:00
・定休日:月曜日〜木曜日
・電話番号:0855-52-7402
・公式サイトURL:https://tokitsukaze.satoyamainstall.com/
一朶|江戸時代から残る柱と空気感
WATOWAから歩いて1,2分、時津風のすぐ近くにある「一朶(いちだ)」
普段は器などを販売しているのですが、果物やお茶も出しています。この日は冷凍された西条柿をいただきました。
女将さんが長いこと温泉津で育ってきた方で、温泉津の歴史を親切に教えてくれます。
このお店に使われている柱の一部は江戸時代から残るもの。国の重要伝統的建造物群保存地区として選定されていて、守られているんだそうです。
周辺にも江戸時代から残る建物があるということで、あわせて見学。
長い年月、残ってきたものを通して、今の自分を鑑みる。せかせかしがちな日常の中で、ふと立ち止まる時間はとても意味深いものなのかもしれません。
そんな思いに触れられた一朶でのひとときでした。
・名称:一朶
・住所:〒699-2501 島根県大田市温泉津町温泉津ロ163
・地図: ・アクセス:山陰道「江津IC」から車で25分、WATOWAから徒歩1分
櫛島キャンプ場|海に囲まれたキャンプ場
最後にご紹介するのは「櫛島キャンプ場」です。僕自身はふらっと遊びに行ったのですが、いつかまた来てみたい!ということでご紹介。
前日に雨が降っていたので、少し濁っていたのですが、キャンプ場のそばには綺麗な海が広がっています。
そのため、釣りをする人もしばしば。
キャンプ場ではSUPやカヤックといったアクティビティが用意されているので、アウトドア派な方にはもってこいな場所ですね。
オーナーのたけちゃんは元々エンジニアだったのですが、今はキャンプ場の管理人として活動しています。
ふらっと訪れたにも関わらず、丁寧にご案内いただき、優しさに心があたたかくなりました。
・名称:櫛島キャンプ場
・住所:〒699-2501 島根県大田市温泉津町温泉津 櫛島
・地図: ・アクセス:山陰道「江津IC」から車で30分
・営業時間:9:00~17:00 予約受付
・定休日:火曜日
・電話番号:0855-65-2669
・公式サイトURL:https://www.city.oda.lg.jp/update_info/6107
歴史と未来を楽しめる温泉津に足を運んでみよう!
原付バイクで町に入った瞬間に、「あ、この町は落ち着いた活力に満ちている」と直感した温泉津。実際に3泊するなかで、2拠点生活を営む若い人や、キャリアや年齢を問わずチャレンジし続ける方々と出会いました。
抽象的になってしまいますが、実際に訪れて”空気の違いが伝わる町”ってあんまり多くないと思うんです。しかし、温泉津にはたしかに他の町と違う居心地の良さを感じました。
築かれた歴史の上に、新しい未来を重ねていく。
人口が少なくなっている地方では、危機感とともに挑戦する人があらわれやすいように思います。温泉津はその動きが強く、これからがとても楽しみな地域です。
温泉津で出会った、小林新也さんは伝統産業を残すべく、里山再生に挑むデザイナー。今回、ご縁あって小林さんにインタビューさせていただくことができました。
その内容は【こちら】。ぜひあわせてお読みください!
All photos by Yuki Higuchi