岡山県の、(くらしきびかんちく)。

定番の観光地だから、初めて岡山に来た人はもちろん足を運ぶ人が多いと思うけれど、美観地区の魅力は、何度来ても “気持ちが落ち着くところ” にある。

たとえば、。「cafè EL GRECO(エル・グレコ)」「倉敷珈琲館」「夢空間はしまや」は、観光客が立ち寄るスポット、というよりは “倉敷市民がゆったりコーヒーを味わう御用達感” が強かったりします。

歴史があって美観地区の有名店なのに、足を踏み入れると肩の力がするりと抜けてホッとする。

01.大原美術館のとなりで50年以上愛される【エル・グレコ】

1959年(昭和34年)にオープンした「cafè EL GRECO(エル・グレコ)」は、倉敷美観地区の老舗喫茶店。お店の名前は、隣の大原美術館に展示されている絵画、『受胎告知』の作者に由来しているそうです。

美術館の事務所として大正時代につくられた建物で、板張りの床、升目の竿ぶち天井や、上げ下げ窓は当時のまま。コーヒーが日本で飲まれるようになって間もない頃、文化人のサロンとして愛されていた喫茶店って、こんな感じなんだろうな〜。

なにを頼もうか迷ったけれど、選んだのはレアチーズケーキ。

案内された席に向かっている間、新聞を読みながらこのレアチーズケーキを食べているおじいちゃんを見たのが決め手でした。ブルーベリーソースがたっぷりかかった、昔ながらのビジュアルにきゅん。

このチーズケーキは、現在のオーナーがニューヨークで出会って惚れ込んだ味。どうしてもこの味をお店で出したいと思い、知り合いのパティシエに頼んで再現してもらったそうです。

cafè EL GRECO(エル・グレコ)

住所:岡山県倉敷市中央1-1-11電話番号:086-422-0297営業時間:10:00~17:00定休日:月曜日(祝日の場合は営業)

02.“琥珀の女王”を生んだ自家焙煎の専門店【倉敷珈琲館】

倉敷に行くと伝えたら、知り合いのバリスタから「ここのコーヒーは絶対に飲んでおいで」と言われてやって来ました。「倉敷珈琲館」は、1971年からつづく焙煎珈琲専門店。倉敷川沿いを歩いていると現れる、赤い門がお店の目印です。

カランコロン、と音のいいベルを鳴らして店内に入るとカウンター席が広がっていて、「いつもの」とオーダーしている声が聞こえました。奥には開店当初から使っている焙煎機があり、香ばしい豆の香りが店内に広がります。

倉敷の名物コーヒーといえば、このお店の「琥珀の女王」。6~8時間かけて水出ししたコーヒーに、オリジナルのリキュールとハチミツを混ぜたクリームをのせた飲み物です。ティーカップに注がれた真っ白なクリームと一粒の氷のビジュアル、10月〜6月の期間限定という珍しさが口コミで広まっていったそうです。

開店当初から期間限定のメニューでしたが、これは高い気温や湿度が水出しコーヒーを作るのに適さないため。夏季は同じようにクリームと2層になっているマンデリン・アイスを提供しています。

コーヒーが苦手な人でも、この一杯は感動するはず。ぜひ倉敷で味わってもらいたいです。

倉敷珈琲館

住所:岡山県倉敷市本町4-1電話番号:086-424-5516営業時間:10:00 – 17:00定休日:無休

03.築120年の米蔵を改装、路地裏に佇む【夢空間はしまや】

はしまやは「楠戸家」と書き、明治中期を代表する商家です。1869年(明治2年)創業の呉服店が母体となっています。平成8年に「楠戸家住宅」が市の重要文化財に指定されたことをきっかけに、米蔵を改装して2年前にオープンしたのが「夢空間 はしまや」。

呉服店の入り口は大通りにあるのですぐ見つかるのですが、喫茶店の入り口は路地裏。Google Mapが確かに指している場所にいるのに、入口が見つけられずにまわりを何周もしてしまいました。細い道の先に、ポツリと佇む控えめな看板が見つかったら正解です。

店内には大きなグランドピアノがあり、骨董品や絵画が飾られています。柔らかい照明と落ち着いた雰囲気、勉強や仕事が捗りそうです。

地元で採れた季節の野菜をふんだんに使った、店長手作りのランチが人気です。季節ごとにフルーツが変わる「きょうのてづくりケーキセット」など、メニューの多くは旬のものをベースに作られています。

岡山はピオーネや桃など、美味しい果物がたくさん採れるので、季節ごとに通いたくなってしまいますね。地元にこんな喫茶店があるなんて、いいなぁ……。

夢空間はしまや

住所:岡山県倉敷市東町1-20電話番号:086-451-1040営業時間:11:00〜18:00定休日:火曜日

この季節、倉敷美観地区は紅葉がはじまり、さらに景観が美しくなります。寒くて外を歩くのがつらくなる前に、紅葉狩りと喫茶店巡りを楽しんでみてください。

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