長崎・佐世保にある港から、高速船で約2時間。美しい海に囲まれた小値賀島の魅力を島民に聞くと、「いや〜小値賀は何もないんで〜」ハハっと笑う人ばかりと出会います。よく聞くと、コンビニも大型モールもなく、あるのは必要最低限のお店やレストランだけ。

そんな「何もない」と聞くと、急にワクワクしてくる東京生まれ東京育ちでの私が、「何もない」と噂の長崎・小値賀に行ったら必ずしたい10のことを見つけてきました。

佐世保港で甘いマヨネーズの佐世保バーガーを食べる

小値賀島に行くには、長崎県佐世保から船に乗る必要があります。佐世保と言えば、佐世保バーガー。……ってあれ、私だけじゃないですよね?食べますよね?食べたいですよね?

佐世保駅には佐世保バーガーが食べられるお店がいくつかあり、お店によって若干バーガーの内容が異なるので、食べ比べてみても良さそう。今回は夜21時まで営業している「ハンバーガーショップ ヒカリ」のビッグチキンバーガーを頼みました。

チキンが通常のバーガーよりも大きいのに柔らかく、マヨネーズは甘くてチキンとの相性抜群。20:30に食べたのですが、本気で「この時間じゃなかったらもう一個食べられた……」と呟いてしまいました。

小値賀の新鮮な魚をお腹いっぱい食べる

小値賀は漁業も非常に盛ん。漁師や漁業に携わる人も多く、お魚と野菜などを物々交換をする文化も残っているそうです。

小値賀島で頂けるお魚は、どれも身が引き締まった新鮮なものばかり。

小値賀で美味しいお魚が食べたい!と思った時におすすめしたいのが、古民家レストラン「敬承 藤松」です。その日取れた魚を新鮮なままのお刺身を、優しく丁寧な料理長が作ったお造りとして食べられます。この日のメインはアカハタ。

九州の醤油は甘く作られていることが多く、新鮮なお刺身の美味しさをじゅうぶんに引き出してくれます。お醤油を多めにつけて食べると、私のように箸が止まらなくなるので、気をつけてくださいね。

小値賀島の古民家は、まさに理想の家そのもの!

今流行の昔の家を利用した古民家ステイ。小値賀島でも古民家ステイが非常に人気で、島内に計6つの宿泊可能な古民家があります。

小値賀島にある古民家は、アメリカ出身の東洋文化研究者アレックス・カー氏監修のもと、作られています。非常におしゃれで過ごしやすく、水回りなどは非常にキレイでホテルのよう。全体的にレトロな雰囲気も味わえるので、新しい古民家ステイの体験ができます。

一度気に入ってしまうと、古民家に泊まるために小値賀に足を運ぶ人もいるとか。常連さんは毎年同じ時期に3,4泊〜一週間同じ古民家に泊まる人もいるそうです。

ひとつひとつデザインも内装も違うので、好きな古民家を選んで一泊するだけで、小値賀ステイが非常に快適になるはず。

赤い砂浜が珍しい穴場スポット「赤浜海岸」でゆっくりする

「何もねえ」と言う小値賀島にも、写真を撮るために訪れたいのが赤い砂浜。小値賀の砂浜の多くは真っ白でさらさらしていますが、ここの海岸だけ砂浜が赤いのです。

この真っ赤な砂や砂利は火山礫からきており、鉄分を多く含んでいるから。小値賀島が火山だったという証拠です。

今は、この珍しい赤い砂浜を背景に写真を撮ろうと、多くの人が訪れる小値賀のフォトスポットになっています。

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波の勢いで変わる珍しい石「ポットホール」を玉石鼻で見る

海に囲まれた小値賀島では、さまざまな海に関する観光スポットがあります。その中のひとつである「玉石鼻」という場所は、真っ白な鳥居がポツンとひとつ立っており、その後ろには海が広がっています。

この玉石鼻にあるのが「ポットホール」。岩の裂け目にある深さ3メートル、口径2メートルの穴の中に、玉石が入っています。このポットホールは国の天然記念物に指定されました。

岩の中の玉石を見るときは、海の水しぶきがかかって濡れないよう、気をつけてください。

長崎鼻と姫の松原で、ここ日本?と疑うような写真を撮る

小値賀島には自然が溢れていますが、その自然が規格外。「ここ、本当に日本なの?」と疑うような場所も多くあります。

上の写真の放牧地は、普段は多くの牛が広大な土地に離され、自由に過ごしている場所。奥に広がる海と広大な土地が、日本だと思えない光景に仕上げてくれています。

もう一つの写真スポットである姫の松原には、日本の名松百選および新・日本の街路樹百選に選定された松並木があります。この日は曇りでしたが、晴れて青空と太陽が見えると、もっとすてきに彩られます。

小値賀島で長崎名物ちゃんぽんを食べる

長崎県に来たら、一度は口にしたいグルメのちゃんぽん。離島の小値賀島でも、ちゃんぽんが美味しいお店があります。

長崎のちゃんぽんと他のちゃんぽんは、ラードを使っているか使っていないかの違いだとか。ラードを使った長崎ちゃんぽんは、非常に濃厚でしっかりとした味付けの一品。ちなみに、全国チェーン店のリンガーハットはちゃんぽんにラードは使われていないそうです。

甘いものが食べたくなったら「カフェ tantan」へ

小値賀島で人気のカフェがここ「カフェ&お菓子のお店 tantan」。シーズンに合わせて、ケーキやかき氷、タピオカやシェイクなどがいただけます。

店内は、全部で10席のイートインスペースが備わっており、こじんまりとしている落ち着けるカフェ。夕方、学校が終わった子供たちが、お菓子を買いに来る場所の一つでもあります。

人気のクリームたっぷりのロールケーキとあたたかいコーヒーを注文しました。ついつい長居してしまいたくなるほどリラックスできる、小値賀島にきたら必ず訪れたいスポットの一つです。

小値賀島からライオン・キングの世界のような野崎島へ行く

2019年完全フルCGで実写化されて盛り上がったディズニー映画「ライオン・キング」。どこまでも続く自然と野生の動物たちを見ているだけで、ただただ感動しました。

小値賀島を経由しないとアクセスできない野崎島は、今は人の代わりに鹿やイノシシ、鳥たちが住んでいます。

少し丘を登ると、そこは鹿たちが思いっきり走り回れる広大な土地と、その先に見える海も大きく見晴らしは最高。昔の学校を利用した宿泊施設もあるため、昼は海と土地が、夜は星空を鑑賞できる場所として絶景が楽しめます。

島では、野生の鹿がそこら中に。人を警戒しながらも草を食べる鹿を、写真で捉えられました。

小値賀島の名産物・落花生のお土産を買う

小値賀島には、ピーナッツや味噌など、名産物が多くあります。そのため、お土産には困りません。

佐世保へ帰る時に利用する船のターミナルに、お土産ショップがあります。お土産はそこで購入可能。小値賀でしか食べられないアイスクリームも売っているので、最後にさくっと食べて帰るのにぴったりなサイズです。

小値賀でしかできないことがある

「何もねえ」と小値賀島民から聞いた時は、割と本気で「どうしよう」と思っていましたが、何もないからこそできる楽しみや魅力あふれる島でした。ご飯は美味しいし、空気は新鮮だし、時間がゆっくり流れているし。

パスポートは持ちたくないけど、ちょっと遠くに旅に行きたいと思ったら、小値賀島に決定です。

All photos by 桃

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