みなさんこんにちは、TABIPPO編集部のAsunaです。新しい年を迎え「今年こそは自由に旅がしたい!」と熱望している方も多いのではないでしょうか。

昨年11月、TABIPPOメディアマーケチームで熊本県・阿蘇市と宮崎県・高千穂町を旅してきました。大自然が織りなす景色、恩恵を受けたおいしいご飯、神話と歴史の関係など、たくさんの学びを得ることができました。また、高千穂ではローカルな方々と交流することで、よりディープな旅に。

ぜひ、今後のプランのひとつとして参考にしてみてくださいね。

■みさきちが書いた、旅の様子や個性豊かなメンバー紹介記事もぜひお読みください♪

熊本県・阿蘇市に広がる壮大な自然と、豊かな水源


まず降り立ったのは、同じく編集部のありーの拠点、熊本県・阿蘇市。火の国・熊本のシンボルとしてそびえるのは阿蘇山。昔から何度も噴火を繰り返している、日本最大の活火山です。

しかし、阿蘇にはもっと美しい自然が広がっているということで、阿蘇の雄大な自然を巡ることにしました。

空気がおいしい絶景スポット「大観峰」

ここは360度の大パノラマを楽しめる、阿蘇屈指のビュースポット。朝は雲海、夜は星空と時間帯によっても表情を変える、写真好きにもたまらない場所です。


大観峰から見える阿蘇五岳(根子岳・高岳・中岳・烏帽子岳・杵島岳)がお釈迦様の見る寝姿のように見えることから「涅槃像」とも呼ばれているのだそう。


心地よい風がふく草原に座ったり寝転んだりしながら話す時間も、とても良い時間になりました。大観峰の石碑からさらに先端まで向かうと、阿蘇市内を一望でき、夜に訪れるとあたり一面に夜景が広がります。阿蘇市内からもほど遠くなく、昼も夜も楽しめるスポットですよ。

草原の緑が美しい「草千里ヶ浜」


太陽が傾いてきた夕刻に到着した草千里ヶ浜は、西日に照らされた草原が金色に輝いていて、現像的な景色に。

ここ草千里ヶ浜では、噴煙をあげる中岳を近くで見ることができたり、草原で暮らす馬と触れ合えたりします。


夏には、あたり一面が若草色に染まり、風で揺れる草の波がとても美しいスポットに。季節を変えて、また何度でも訪れたい場所でした。


また、草千里ヶ浜目の前の建物「ニュー草千里」のなかにある「草千里珈琲焙煎所」では、ドリップコーヒーやアイスクリームなどをいただくことができます。テイクアウトもできるので、ぜひあわせて訪れてみてくださいね。

やわらかく甘い水が湧き出る「白川水源」


ここ、白川水源は、環境庁の「名水百選」にも選ばれるほど有名な水源。常温でおよそ14度の水が、毎分6トンも湧き出ています。水源の水はペットボトルや水筒などで自由に持ち帰ることができ、その場ですくって飲むこともできます。


一見しずかに見える貯水池ですが、水路に流れる水の勢いを見たら、湧き出る水量の多さを実感できるはず。


白川水源のおいしい水を贅沢に使用した「水まんじゅう」を食べることができる茶屋でひと休みするのも、おすすめですよ。

高千穂に眠る「神話」と人々の暮らし


高千穂といえば「神話の里」といっても過言ではないほど、日本の神々にまつわる話が数多く眠る場所です。


有名なのは「天岩戸神社」に深く関係する、太陽の神・天照大神さまや、弟・須佐之男命さまを巡った神話ではないでしょうか。その神話にまつわる伝統行事として欠かせないのが、「夜神楽」です。


今回、普通に旅しているだけでは学べない、より深い知識や歴史の背景を知るために『歩く高千穂』こと佐藤翔平さんに、高千穂町内や神話スポットを案内していただきました。

翔平さんは、主に高千穂などで企画ディレクター、カメラマン、ライターをしながら、高千穂の大切にしていることを知ってもらう活動をしています。また、農家としての一面も持っています。


高千穂の村では秋の収穫祭が終わると、秋の収穫に対する感謝と来年の豊作への願いをこめて、33番の夜神楽が夜通し踊られます。


古くから「祈り」のかたちのひとつとして親しまれてきた「踊り」の文化には、日々の娯楽が少なかった時代のひとつとして発展した側面も持ち合わせています。

いまでは、神様へ奉納される伝統文化となりました。高千穂町内には約40の神楽保存会が存在しており、日本の伝統文化が地域とともに息づいています。


毎年12月〜1月に開催される夜神楽とは別に、毎日観覧することができるのが「高千穂神楽」。高千穂神社境内で、毎晩20時から1時間、33番の神楽のなかでも代表的な4番「手力雄の舞」「鈿女の舞」「戸取の舞」「御神体の舞」をみることができます。


わたしたちが訪れたときには既に満席。舞手が交代しながら奉納する神楽に、客席のみなさんも釘付けでした。

和牛オリンピックで優勝!?高千穂の牛産業


みなさんは「和牛」と聞くとどんな名称を思い浮かべますか?おそらく神戸牛や松阪牛などのような銘柄で有名な「黒毛和牛」でしょうか。


じつは「和牛」には「黒毛和牛」「褐毛和牛」「無角和牛」「日本短角種」の4種類があります。高千穂で生産・飼育されているのは、そのなかでも「黒毛和牛」。高千穂は、2022年の大会で、5大会連続出場を経験する大ベテラン。


話を聞くところによると『高千穂の人は牛が好き』というシンプルな理由にたどりつきましたが、もちろんそれだけではありません。

高千穂の地形には平野が少なく、水田の形がいびつ。生産効率が悪いことが悩みの種だったといいます。そこで、多品目の産業のひとつとして牛の繁殖農家や肥育農家が増えていきました。


今では、各家庭に1〜2頭の牛がいるのがメジャーで、牛舎が併設されているご自宅も多いのだそう。

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牛産業と米産業の繋がり


高千穂には、数多くの棚田があります。そのなかでも観光スポットとして人気を誇っているのは「栃又棚田」。2015年に世界農業遺産に登録されたうちの、代表的な場所のひとつです。


前述のとおり、棚田が多い高千穂の地域一帯は、平野部が少なく広い水田をつくるのに苦労した過去が。そこで、棚田をつくり、その棚田で牛を飼育することで、稲を牛に、牛の糞を肥料に……という良い循環を編み出したのです。


さらに、標高の高い傾斜地にある農地のためにおよそ500kmにもおよぶ山腹用水路が建設され、水が確保されました。その結果、今では1800haもの棚田が出来上がったといいます。


豊かな水源から湧き出た水、稲をメインとした牛の体に良い食事で形成された子どもの牛(0〜1歳)は、肥育してから1年ほどで遠方にわたり、のちの神戸牛や松阪牛になる牛もいるのだとか。

高千穂の自然や環境をうまく取り入れた産業を、多方面にわたり展開している「地域づくり」にとても魅力を感じました。

「たかちほ 旅人とまちの宿 さんかく」で旅の途中で“暮らす”1日を


今回、編集部女子がお世話になったゲストハウスは「たかちほ 旅人とまちの宿 さんかく」。女将を務めるのは、笑顔がとびきり可愛らしくユーモアあふれる、奈須あすかさん。

なんでも優しく包み込んでくれそうな温かいオーラをまとい、どこか落ち着く雰囲気は、宿そのものからも感じられました。


みんなで囲めるテーブルがある談話室では、宿泊者が集まって交流をする場に。2階には、定員3名の個室「サンドイッチ」や、定員2名の個室「おにぎり」など合計4種類の個室があります。


旅する仕事をしている身として嬉しかったのが、ワークスペース完備なところ。コンセントの数も豊富&Wi-fiもサクサクなので、早朝から有り難く使わせていただきました。


旅はたくさんの刺激を受けると同時に、やはり少しの疲れはつきもの。旅の途中で「繋がり」をもつことで得ることができる”安心”や”癒し”。そして、旅をしながら効率的にワークもできる環境。その両方を味わうことのできる宿でした。

ローカルと繋がってディープな旅に


高千穂での夜は、案内してくださった翔平さんだけでなく、同じく高千穂町内で活躍する2名の方とも繋がることができました。

そのひとり福島優さんは、高千穂の棚田でキャンプを運営する活動をしています。棚田キャンプのサービスは3ヶ月更新のサブスク制で、田んぼとして使用されない11月〜4月の間、棚田から見える絶景を目の前にキャンプができるサービス。ソロキャンプはもちろん、友人、ご家族とさまざまな客層の方が利用しているのだそう。

また、本業で旅行業に携わる日高葵さんは、地域と深く結びついている夜神楽の背景や美しい舞に魅せられたひとり。夜神楽がもつ歴史と本気で向き合い、活動をしています。

じつは神楽を舞うことができるのは”男性のみ”とされているのが事実。しかし葵さんは、その歴史に新しい風を吹き込むべく「高千穂さと神楽保存会」を立ち上げました。

今回、高千穂の産業や歴史、地域を支えて盛り上げる活動をしている方々に出会い、繋がることで、わたしたちも多くの学びを得る機会となりました。

豊かな自然の恵みを満喫!編集部旅でいただいた、とっておきグルメ

熊本県・阿蘇編


阿蘇名物「あか牛丼」を食べることのできる「よかよか亭 あか牛館」。レアに焼き上げられたあか牛が、お米の上にきれいに並びます。

温泉卵を崩しながら、タレと絡めて食べると、肉の旨味がじゅわ〜っと広がって、多幸感極まりない。全員ぺろりと完食しました。


「あか牛丼」のほかにも「ハンバーグ」や「カレー」などさまざまなメニューがありました。

さて、熊本といえば、ほかにも地鶏が有名。そこで訪れたのは「​​高森田楽の里」。


地鶏はもちろん味噌も人気なので、囲炉裏をみんなで囲んで、地鶏や味噌焼きおにぎりを焼いて食べます。


熊本の郷土料理「だご汁」もあり、1回までならおかわりは自由。もちろんおかわりしました。プリプリの地鶏もとてもおいしかったです。

宮崎県・高千穂編


和牛オリンピック優勝の経験をもつ高千穂牛。今回は贅沢にローストビーフ丼でいただいてきました。天岩戸神社へ続く参道にある「喫茶 この花」。観光客で賑わいそうな立地にあるのに、お客さんの多くは地元の方なんだとか。


お店を経営しているのは、2人の佐藤トモ子さん(同姓同名なんだとか)。”地元の人の憩い場に”とお店を開かれたのだとか。もともとは、ローストビーフもサンドイッチメニューのひとつだったものの、常連客による『ローストビーフ丼やったら?』のアドバイスから、今では定番メニューになったのだそう。

口の中で溶けてしまうような柔らかさのあとに、噛めば噛むほどじゅわっと広がる肉の旨み。高千穂牛の高すぎるポテンシャルを存分に満喫してきました。

歴史の背景を学ぶことで、よりディープな旅を


旅の醍醐味は「新しい学び」を得られること。翔平さんをはじめ、ローカルで活躍する方々から高千穂の歴史や神楽に関する深い知識、神話、地域産業の変遷などさまざまなことを学ぶことができました。


ただ観光するだけでは得ることができなかった知見や、歴史の背景を知ることで、よりその地域に深く関わることができます。


地域に深く関わったり、現地の人と繋がりが持てることで「また行こう」という気持ちにもなります。人と人の繋がりが「旅」を作っていくのだと感じる旅になりました。

観光地をめぐるだけでなく、学びの深いプランで旅をすることで、よりディープな時間を過ごすことができました。歴史深い地域だからこそ、皆さんも”学び”のあるプランを立て、阿蘇・高千穂旅をしてみませんか?

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