「京都は狭い」なんて言う人もいる。でも、観光客からすれば広い街だと思う。名所旧跡は数えきれないほどあるし、それも訪れる季節や時間帯によってまた表情が変わる。新しいスポットだって続々登場している。何度訪れても楽しめる、それが京都だ。

そんな京都という街だからこそ、あえて「5回以上訪れている人」に向けて、宿を紹介したい。

華美な装飾はなくとも、こだわりが詰まった本物の「

町屋は日本の古い都市文化が凝縮された、コンパクトな住まいだ。喜ばしいことに、京都のみならず全国の都市には少なからず江戸の風情を残す町屋が残っている。ただ、町並みそのものが観光スポットになっていたり、宿泊施設として整えられていることも多い。

それはそれで素晴らしいことなのだけれど、今やほとんどの町屋は、本当の意味での住まいじゃなくなっちゃっているわけだ。

その点において二条城近くに位置する『RAKUTOKO』はリアル。「SAKURA」と「UME」と名付けられたたった2部屋だけのこの宿は、Airbnbで貸し出されている。

現代的な機能を備えてはいるものの、それは宿泊者向けじゃない。オーナーがいつか自分自身が暮らす家、としてリノベーションしたものだ。だから『RAKUTOKO』には華美な装飾が存在しない。その代わり、こんな家に暮らしてみたいなあと思えるような、空間になっている。

まずは1階から、玄関と居間。宿としてみると少し簡素かも。でも、(京都町屋の)住まいとして見れば、とても落ち着いた部屋。

生活感のある電化製品などは極力控えたミニマルな空間は、“住み心地”が良さそう。

居間の奥の戸を開ければ、現代的なキッチンが。洗面所やお風呂も、木の素材を活かしながらも、ちゃんと機能的に。

このあたり、長期滞在を考えている人なら気になるところでは?

「UME」の寝室のモチーフは、もちろん梅の花。

注目は引き戸の和紙と天井の古い建材だ。

伝統的な京から紙が使用されている襖は、高級旅館の部屋にも引けをとらない上質なもの。ロフトにいかされた建材が醸し出す雰囲気も、ここが歴史ある建物であることを感じさせていい。

見せるためのこだわりじゃなくて、あくまで、暮らしの中のこだわりだからこそ、さりげない。

現在、予約のほとんどは外国人だけど……

Airbnbの『RAKUTOKO』のページを見ると、レビューのコメントはほとんどが外国人。Airbnb自体のユーザーの傾向もあるだろうが、どうやら「Kyoto、machiya」というワードに惹かれるのは現在のところ外国人観光客が多いようだ。

国内でも民泊は盛り上がりを見せているし、「暮らすように旅する」(あるいはその逆!)というスタイルを楽しむ人も増えてきている。

正直、観光客としての利便性や快適性だけを追求するなら、ホテルや旅館のほうがいいかもしれない。チープにいくなら片泊まりの宿を利用するっていう手もある。でも、5回目以上の京都観光なら、ゲストとしてじゃなくて、暮らすように京都を堪能したいという欲も芽生えてこようというもの。

そういう人には、ぜひ『RAKUTOKO』をお薦めしたい。

興味のある人は下記でチェックを!「RAKUTOKO SAKURA」「RAKUTOKO UME」

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