温泉地・箱根には、数多くの美術館があることでも知られています。その中でも彫刻作品に特化した「彫刻の森美術館」は、室内に作品を展示している普通の美術館とは異なり、野外に作品がある珍しい美術館です。

中に入ると、大人や子ども、外国人のお客さんがのびのびとアート観賞を楽しんでいる姿が印象的で、老若男女問わず愛されていることがわかります。本記事では、そんな彫刻の森美術館についてご紹介します。

彫刻の森美術館の概要

彫刻の森美術館は、1969年に開館した日本初の野外美術館。近現代の彫刻作品が約120点展示されており、ほかにも子どもが楽しめるアート作品や箱根らしい足湯もあるなど、バラエティに富んだ内容になっています。

敷地面積は東京ドームの1.5個分と広く、3時間以上かけて全部ゆっくりと見てまわる方もいるのだとか。


また、本美術館で人気を集めているのが、パブロ・ピカソの作品を集めた「ピカソ館」。絵画のイメージが強いピカソですが、晩年は3次元での表現に挑戦し、陶芸作品を作っていたそうです。

2019年の夏にリニューアルされ、白を基調とした開放的な雰囲気になりました。館内は撮影NGですので、実際に訪れて自分の目で作品を楽しんでくださいね。

気軽に楽しめる彫刻の森美術館

「彫刻」と聞くと難しい印象を持っていましたが、実際に訪れてみてイメージと館内の様子のギャップに驚きました。まずびっくりしたのは、野外美術館ということで自然の中にアート作品があること。

自然と作品が一体化しているのが特徴で、こちらに展示されているアートは箱根の自然ありきで楽しむものなのだと感じました。箱根の山を奥に見ながらアート観賞ができるなんて、とても贅沢ですよね。

 

日本の美術館は外国と比べ、常に混み合っていて落ち着いて見られないことが多いですが、こちらは広大な自然の中にあるのでその心配は不要。また野外の中にアート作品を展示することは珍しいそうで、外国人のお客さんも多く訪れるそうです。

彫刻の森美術館のスタッフの方によると、「アート作品だからといって難しく考えずに、箱根観光のついでにふらっと遊びに来て楽しんでほしい」とのこと。作品を見ておもしろいと感じたり、実際に触れてみたりして、身近に感じてみましょう。

目玉焼きのベンチのような、写真を撮りたくなるような作品もたくさん。家族と、友達と、恋人とふらっと遊びに来て楽しめる場所のように思います。

子どもが楽しめる野外作品もたくさん

先ほど少し触れましたが、彫刻の森美術館は子どもも楽しめるのが特徴です。実際に館内では、子どもたちが自由に歩き回る姿をたくさん見かけました。

こちらの「ネットの森」は、木の枠の中に設置されたネットで遊べるアート作品。登ったり跳ねたり、目で見たり、体を使って作品を楽しめます(遊べるのは小学生までです)。

幾何学模様のような、化学式のような不思議な形をしたこちらは、「しゃぼん玉のお城」。しゃぼん玉を模したカプセルの中に入って、アスレチックのように遊ぶことができます。その日の天候によって光の差し込み方が変わるのも、この作品のおもしろさのひとつです(雨天は利用できません)。

カプセルの中を写すと、近未来や宇宙船っぽくも見えるような気がしませんか?こちらも遊べるのは小学生までなので筆者は外から見ていましたが、写真を撮るだけでも楽しめました。

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SNSでも大人気のステンドグラス

最近SNSで特に人気を集めているのが「幸せをよぶシンフォニー彫刻」。中に入ってみると、ステンドグラスを通して明るい光が差し込んでキラキラとしています。高さ18メートル、内径8メートルの塔は、ずっと上を見上げていてもいつまでも見飽きることはありません。

元気のある人は、塔の上まで登ってみましょう。上からは美術館の全体の様子や、箱根の自然を見渡すことができます。

箱根「彫刻の森美術館」へのアクセス

彫刻の森美術館まで公共交通機関で行く方法は、以下の通り。2019年11月現在、台風19号の影響によりバスの運行時間やルートに変更が出ている場所もありますので、事前に確認しておきましょう。

[電車]小田原駅→箱根湯本駅→箱根登山鉄道「彫刻の森」駅下車、徒歩2分
※箱根湯本から箱根登山鉄道代替バスで約20分、彫刻の森駅バス停下車、徒歩2分
[バス]小田原駅→箱根湯本駅→箱根登山バス、伊豆箱根バス「二の平入口」下車、徒歩5分
箱根登山観光施設めぐりバス「彫刻の森美術館」下車

車で向かう場合は、以下の通りになります。駐車場へは係りの人が案内をしてくれるので、その指示に従いましょう。5時間まで500円で利用できます(5時間マックスまで美術館を楽しむ方もいるそうです)。

■東京方面より
東名厚木IC→小田原厚木道路→国道1号線→宮ノ下交差点左折
→強羅方面右折→県道723号線、約500m■御殿場方面より
東名御殿場IC→国道138号線→宮ノ下交差点右折→国道1号線
→強羅方面右折→県道723号線、約500m

彫刻の森美術館へ遊びにいこう

なんとなく敷居が高いイメージがある人も、ぜひ一度気軽な気持ちで「彫刻の森美術館」を訪れてみてください。夢中になって、時間を忘れてしまいそうになるかも。箱根の自然を感じながら、アート作品を純粋に楽しんでくださいね。

■詳細情報
・名称:彫刻の森美術館 (THE HAKONE OPEN-AIR MUSEUM)
・住所:〒250-0493 神奈川県足柄下郡箱根町ニノ平1121
・地図:
・開館時間:9:00〜17:00(*入館は閉館の30分前まで)
・定休日:年中無休
・電話番号:0460-82-1161
・料金:大人1600円
・公式サイトURL:https://www.hakone-oam.or.jp/

All photos by Abe saxophone

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