猫って、どうしてあんなにかわいいんでしょう。どうしてこんなに癒されるんでしょう。

仕事で疲れたり、上司に嫌なこと言われて落ち込んで家に帰ってきたとき、部屋には猫がいて「どうしたんだにゃー?」なんてすっとぼけた顔で見られたら、悩みもどこかに吹っ飛んじゃいます。まあ、猫は飼ってないんですけど。

日本には猫島として知られる島がいくつかありますが、香川県の離島、佐柳島(さなぎじま)もその一つ。島民より猫の数の方が多いといわれています。

これは行くしかない。猫好きとして、行かないわけにはいかない。謎の使命感にかられ、TABIPPO編集部では珍しい既婚者・喜多ちゃんと一緒に旅をしてきました。くそ、左手薬指の指輪がまぶしいぜ。

香川の離島、佐柳島へのアクセスはフェリーで


成田からLCCを利用して高松空港へ、そこからバスに乗って高松駅まで移動し、フェリー乗り場がある多度津駅まで向かいます。多度津駅からフェリー乗り場までは徒歩20分ほど。

チケットはどこで買うんだろうと思ったら、今まで見た中で一番レトロで年季の入った販売口を見つけました。往復のチケットを購入して、船に乗り込みます。


思ったよりも大きくて立派な船。多度津〜佐柳島は1日4本運行しています。


船に乗ると、なぜか外に出て風を浴びたくなる不思議。


風を浴びるといっても、暑すぎて外にいたのは10分もしなかったと思います。あ、そうそう。佐柳島にはコンビニもスーパーもないので、飲み物やお菓子は事前に用意しておきましょう。

同じ便に乗っていたギャルたちは、カップ麺(スーパーカップ)とピザポテトと持参していて、ギャルのチョイスは予想を裏切らないなと思いました。

佐柳島に到着してすぐ出迎えてくれる猫に興奮


偶然SNSで存在を知ってから、ずっと来たかった佐柳島……。すぐに島の情報をググって、いつかいきたいと思い続けて約1年。やっと来れた!!!!!猫の楽園!!!とうとう会えるぞ〜〜〜!!!と気持ちを高ぶらせていたら、秒で発見。発見というより、船から降りたところに出迎えてくれていました。

 

きゅん!!!!!ぎゃんかわ!!!!!あげみざわ〜〜〜〜

 

念願の佐柳島に来れたことと、お目当の猫をすぐに見つけたことで、どんどんと語彙力がなくなっていきます。まじ卍。


ちなみにこちらの佐柳島は、飲食店や商業施設はありません。この島を訪れる人の目的は、ほとんどが「猫」なんです。島はとても静かで、のんびりとした時間が流れています。


喜多ちゃんの頭頂部が気になる猫。


カメラの気配を感じ取ったのか、場所取りを始める猫たち。みんなかわいくかっこよく撮ってあげるから、ちゃんと整列してくださーい。

とにかく人懐っこい佐柳島の猫


普通は道端で猫を見かけると、何もしていないのに逃げられたり、警戒心むき出しで硬直されたりすることがほとんど。近づいて話しかけるなんてことは、夢のまた夢です。

しかし、その夢が叶うのが佐柳島。人の気配を感じると、(えさをもらえるとわかっているのか)自分たちから近づいてきます。モテキ、到来です。


気がつくと、猫集団に囲まれます。


「僕たちにえさくれにゃー」

 


「にゃーにゃーにゃー(腹減ったよう)」


撮影したのが、なぜかトイレの前という残念なロケーション。後方に見えるトイレは無視してください。


この猫の多さと勢い、伝わりました?

佐柳島で出会った、お気に入りの猫


以上、島で出会ったお気に入りの猫でした。ぎゃんかわですね。

えさは食べられる分だけ、ゴミは持ち帰り


佐柳島を訪れるにあたって、事前準備として島を訪れた方のブログをいくつか拝見していました。その中に「CIAOちゅ〜る」を持参している方がいたので、真似をして高松で購入して持っていくことに。

これさえあれば人気者ににゃれるぞ〜〜〜と思い、いざCIAOちゅ〜るを猫にあげてみると……


CIAOちゅ〜る争奪戦です。これぞ、にゃんこ大戦争。


「ぺろぺろ」食べるというよりも、無理矢理がっついてくるので袋ごと噛みちぎろうとしてくるアグレッシブ猫も。お願いだから、「ぺろぺろ」してくれ。こら、隣の子の頭に猫パンチをしない。

どうやら島の猫たちには、CIAOちゅ〜るは危険なようです。えさを持参する場合は、無難なカリカリなどがよさそうです。


あ、その袋は食べちゃだめだよ。


こらこらこらこら、だめだってば。


なんとか、猫たちをなだめて落ち着かせます。本当にこの島は、猫がたくさん。島民は約80人というデータがありますが、猫は一体何匹いるんだろう。

猫が現れるスポットは島内に複数あります


現地でゲットした佐柳島マップによると、猫たちがいるスポットは島内に5カ所。1匹見つけると、どこからやってくるのか5〜6匹続けて顔を出してきます。

歩くとすぐ猫を見つけてしまうので、なかなか前に進めない……。


お昼寝にゃんこ、気持ちよさそうだねぇ。


人懐っこい猫は、歩いていると後ろをいつまでもついてくる場合も。でも猫たちにはそれぞれナワバリがあるので、違うナワバリに連れていって喧嘩にならないようにしてくださいね。


「ゴミは忘れずに持ち帰ってくれよにゃ」


君は……どうしたんだい。

噂の「飛び猫」撮影にチャレンジ


佐柳島が有名になったきっかけの一つに、写真家・五十嵐健太さんが撮影した写真集「飛び猫」があります。猫が塀と塀のあいだを身軽にジャンプする瞬間を捉えた写真で、美しい瀬戸内の海をバックに猫が飛ぶ様子が話題になりました。

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海沿いを歩いていると、塀の上を歩く猫を発見。これは、飛ぶ瞬間を撮れるんじゃないか!えさをチラつかせながらカメラを構えていると……


おっ


 

飛んだーーーー……!!!!!

 


えさを目がけて飛んでいるせいか、かなり鋭い眼光をしていますが、なかなかいい写真になったんではないでしょうか。飛んだあとは、もちろんご褒美にえさをあげましたよ。

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島唯一の宿泊施設「ネコノシマホステル」


スーパーもコンビニもない離島。泊まれるところなんてあるのかな?とあまり期待していなかったところ、想像をはるかに上回るおしゃれな場所を見つけました。

「ネコノシマホステル」は佐柳島唯一の宿泊施設で、なんと元小学校だった木造校舎をリノベーションしたゲストハウスなんです。この木造の雰囲気、ものすごく懐かしい感じがします。


くるくるダイヤルを回す式の電話なんて、かなり久しぶりに見た気がします。どうやら、ここでも猫のえさをゲットできるようです。


離島のゲストハウスとは思えないほど、おしゃれな内装。細かいところをよく見てみると、懐かしい学校グッズがちらほらと見られます。


本棚には猫にちなんだ写真集が雑誌がずらり。記事に使えそうな参考文献の宝じゃないですか、これは。

懐かしい学校の雰囲気漂うゲストハウス


元小学校ということだけあり、懐かしい気持ちにさせるポイントがあちこちに見られます。例えば、この黒板。この黒板あったわー。教室の後ろにあって、次の日の授業内容を先生に聞きに行って毎日書いてたわー。

いけない、気を抜くと昔の記憶がフラッシュバックしそう。


当時は毎日通うのが当たり前で、なんとも思っていなかった教室も、今見るとエモい気持ちにさせられます。リノベーションで、こんなにもおしゃれで素敵な雰囲気になるんですね。


いや、エッモーーー!小学生の時は教室にエアコンがなかったので、夏になるとエアコンが効いて涼しい職員室にいるのが楽しみでした。

今回、泊まったのは「図工室」


チェックインをして、外に面した廊下を歩いて今日宿泊する「図工室」に向かいます。図工室という響きすら懐かしい。ちなみに他には理科室、資料室、図書室があります。

一番奥の音楽室は予約制のフリースペース。宿泊した日は、猫専用のお部屋になっていたので入ることはできませんでした。


こちらが、今回泊まった図工室。2人旅だったので、1〜3名で利用できる部屋を予約しました。他にも、ドミトリーのお部屋や最大4名で泊まれる個室も用意されています。

テレビがないシンプルな部屋で1日過ごすのは、なんだか新鮮な体験でした。


窓からは、目の前に瀬戸内の海が見えます。これぞオーシャンビュー。

猫とたくさん戯れてだいぶ満足していましたが、ここに来てまた満足度が上がってしまいました。佐柳島、すきです。

新鮮な魚介類をふんだんに使った絶品ごはん


ネコノシマホステルは喫茶店を併設しており、事前に申し込んだ人はこちらで夕食を食べられます。佐柳島はタコ壺を使ったタコ漁が盛んで、甘いタコが採れることで有名。

この日の夕食にも新鮮なタコがふんだんに使われた炊き込みご飯、タコのお刺身が出てきました。これがもう、甘くて最高。程よい弾力で、噛めば噛むほど旨味が口の中に広がります。


きらきら輝くプリップリのお刺身、おいしくいただきました。


炊き込みご飯って、おこげの部分があると嬉しいよね。他にもその日漁師さんが採ったというサザエもいただいて、新鮮な海の幸をたくさん食べられてとっても満足な夕食でした。

もう、満足度ぶち上がりですよ。

ちなみに完全に余談ですが、猫ってけっこう夜行性なんですよね。夜になってから、あの子たちはわいわい騒ぎ出すんです。この日の夜も、寝ているあいだにニャーニャー聞こえてきます。鳴き声で目を覚ましつつ、「あーまた猫がじゃれているのかなー」と思って、また眠ろうとすると……

 

−−−−−−−−−ダダダダダダダダダッ
ニャー!!!シャーーーー!!
ンニャアアアア!!!ドン!ドドン!

 

「ええええええ……?」と部屋にいる自分が少し不安になるくらい、激しいケンカが勃発していたようです。次の日の朝、歯を磨いていると「昨日の猫が走る音すごくなかった?」と話すギャルの声が聞こえてきました。

みんな同じことを思ってたんだと、少し安心。次の日にも、かわいい猫とたくさん遊ぶことができましたよ。

■詳細情報
・名称:ネコノシマホステル
・住所:〒764-0040 香川県仲多度郡多度津町佐柳1353
・アクセス:香川県多度津港から三洋汽船(フェリー)で約1時間。港から徒歩15分。
・営業時間:チェックイン : 5pm〜 チェックアウト : 〜10am
・電話番号:0877-35-3505
・公式サイトURL:http://neconoshima.jp/

また来るね、佐柳島


はあ、もう大満足すぎました。どうして猫はこんなにもかわいいのか、癒されるのか。その答えはわかりませんが、気ままにのんびりと暮らす佐柳島の猫たちを見ていると、日頃のストレスもすっと消えていくような気がしました。

そんな佐柳島ですが、最近は猫を見ようと島に来る観光客が増えているようで、その中にはマナーが悪い人たちもいるそう。猫たちにストレスは与えない、えさは食べられる分だけ。ゴミは持ち帰るなど当たり前のマナーを守ったうえで、猫と触れあうようにしましょう。

記事を書きながら猫の写真をたくさん見ていたら、また会いたくなってきました。近いうちに、また佐柳島に行くね。

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