伊吹島という島の名前を初めて聞くという人も多いのではないでしょうか。香川県内の有人島の中では最西端にあるこの島は、讃岐うどんのだし汁に欠かせないイリコ(煮干しいわし)の名産地です。

猫が多いことでも有名で、瀬戸内芸術祭の舞台にもなっています。島の人達が話す言葉には、平安時代のアクセントが残っており、言語学的にも価値のある島として注目されている島です。

*編集部追記
2017年6月の記事に新たに3選追記しました。(2017/12/30)
執筆時点での情報なので、実際に訪れた方で古い情報を見つけた方はmedia@tabippo.netまでご連絡ください。

 

伊吹島に行ってみての感想

photo by pixta

私はまず香川県の高松市から観音寺市へ向かい、観音寺港から伊吹島真浦港行きのフェリーに乗りました。

伊吹島へは主に瀬戸内芸術祭の作品を見に行ったのですが、ゆったりとした島の雰囲気や、のんびりとしている猫、原付を乗り回す高齢者など、アート作品だけでなく島の普段の生活を垣間見れるのも楽しく、できれば1泊して帰りたいなと思ったほどです。

 

また伊吹島は、瀬戸内海で獲れた新鮮な海の幸を使ったおいしいグルメが堪能できると評判で、特に夏は採れたてのイリコの釜揚げが絶品でした。

 

おすすめのベストスポット

sazanamiさん(@sz_nm)がシェアした投稿 – 2016 10月 9 5:45午前 PDT

私がおすすめするのは、瀬戸内芸術祭で展示されたアート作品です。瀬戸内芸術祭は国内の数ある芸術祭の中でも特に人気が高いもので、国内外から集められたアーティストたちのユニークな作品が楽しめます。

野外展示されている作品も多く、瀬戸内海にある島々の自然と調和したアート作品は、周囲の環境によってその表情を変えているかのようです。私は特に、伊吹島ドリフト伝説という作品が面白く好きでした。

*編集部追記(2017/12/30)
以下、観光スポットの一覧となっています。

 

伊吹島はどこにある?

伊吹島は、香川県観音寺市に属する島。観音寺港の西、香川県最西端に位置する周囲の島です。画像は、観音寺市側から見える伊吹島です。

 

伊吹島へのアクセス情報

uran.tさん(@anyopan)がシェアした投稿 – 2016 11月 6 11:36午後 PST

香川県の西にある観音寺市から伊吹島へは、市営の定期船伊吹航路のフェリーが1日4往復しています。観音寺港から伊吹島真浦港への所要時間は、片道25分です。

 

伊吹島の交通事情

伊吹島は細くて急な坂道が多いため、原付バイクが島の人たちの移動手段となっていて、車は少なめです。旅行者は、徒歩が基本となりますが、坂道に備えて歩きやすい靴で訪れるのがおすすめです。

 

伊吹島の観光スポット&イベント

1.金田一春彦歌碑

真浦港から続く坂道を登ると到着する小さな丘の上の公園あるのが「金田一春彦歌碑」。有名な言語学者金田一春彦氏が、貴重な伊吹島の言葉と自然が末永く残っていくようにと、島を訪れた際に詠んだ歌が刻まれています。伊吹島の人たちが使っている言語は、全国でただ1ヶ所、この場所にのみ残っている平安・鎌倉時代の京都のアクセントを残した貴重な言葉なのだそうです。

■詳細情報
・名称:金田一春彦歌碑
・住所:香川県観音寺市伊吹町
・アクセス:真浦港から徒歩3分
・営業時間:24時間
・定休日:なし
・公式サイトURL:https://www.city.kanonji.kagawa.jp/soshiki/21/346.html

 

2.波切不動尊

awa_39さん(@awa_39)がシェアした投稿 – 2017 4月 5 7:54午前 PDT

伊吹島の北の岬近くにある「波切不動尊」。桜の時期になると、高台にある入り口から海側にある不動様の洞窟までの道が、桜の花のトンネルになります。のどかな山の桜並木を下っていくに従って風景が変化し、やがては海を背景にしたみごとなランドスケープが広がります。

ぜんざいやうどんなどが無料で振舞われる4月上旬に開催される桜まつりには、周辺の地域からたくさんの人が花見に訪れます。

■詳細情報
・名称:波切不動尊
・住所:香川県観音寺市伊吹町
・アクセス:真浦港から徒歩約20分
・営業時間:24時間(参拝は明るいうちがおすすめ)
・定休日:なし
・公式サイトURL:http://kanonji-kankou.jp/visit/07/007.html

 

3.ART SETOUCHI 2017

uran.tさん(@anyopan)がシェアした投稿 – 2016 11月 8 1:39午前 PST

okkinさん(@okijiya)がシェアした投稿 – 2016 11月 3 4:24午前 PDT

「瀬戸芸」の愛称で知られる「瀬戸内芸術祭」。「ART SETOUCHI 2017」として伊吹島に展示されているのは、3作品。1軒の家のような形をした「トイレの家」は、建物に設計された無数のスリットから入る光が美しい作品。

屋内に設置されたバイクにまたがり、レーシングゲームを体験できる「伊吹島ドリフト伝説」は、島の高齢者が原付バイクで島の中を走り回る姿からヒントを得たというユニークな作品。

「イリコ庵」は、島の特産品イリコの加工に使われるせいろや島の廃材などを素材に、島独特の建築様式を取り入れて作られた趣のある建物となっています。

■詳細情報
・名称:ART SETOUCHI 2017
・住所:伊吹島の集落内
・アクセス:真浦港から徒歩圏内
・公開時間:作品による
・定休日:屋外作品はいつでも、屋内作品は定期的に公開
・電話番号:087-813-0853 瀬戸内国際芸術祭実行委員会事務局
・公式サイトURLhttp://setouchi-artfest.jp/artworks-artists/artworks/ibukijima/

 

4.3月21日のお四国さん

四国といえばお遍路さん。地元では歩き遍路をする人たちを「お四国さん」と呼び、飲み物やおやつなどを用意して「接待」と呼ばれる振る舞いをします。そんなお四国さんを迎える行事が、旧暦3月21日弘法大師の命日にあたる日で瀬戸内の島々にて行われます。

この日は、伊吹島にもお四国さんがたくさん訪れ、島の札所をめぐる「島遍路(島四国)」を行います。参加は自由なので、飛び入りで島遍路を楽しむのもいいですね。

■詳細情報
・名称:お四国さん
・住所:観音寺市伊吹町
・アクセス:真浦港から出発
・開催時間:日中
・電話番号:080-1921-9535
・所要時間:約2時間
・公式サイトURL:https://www.sanlabo.net/event/event.shtml?id=150

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伊吹島の楽しみ方

町歩きと看板探し

gonさん(@go0125)がシェアした投稿 – 2016 10月 26 5:33午前 PDT

伊吹島の町を散策していると「伊吹小○年」と書き入れられた手書きの看板にあちこちで出会います。地元伊吹小学校の生徒さんたちが手描きしたもので、観光スポットへの行き先や商店の看板として使用されています。

島の名産「伊吹イリコ」の素材となるカタクチイワシがモチーフになっていて、どれも愛嬌があってかわいい!生徒さんの看板がある商店で、名物の「伊吹イリコ」を買い求めたり、町を散策しながら看板探しをしてみるのも楽しそうです。

 

リアル猫あつめ

uran.tさん(@anyopan)がシェアした投稿 – 2016 11月 11 1:57午前 PST

uran.tさん(@anyopan)がシェアした投稿 – 2016 11月 10 1:54午前 PST

猫の大好物イリコが生産されているからか、伊吹島には島で自由に暮らす猫たちがたくさんいます。人に慣れているフォトジェニックな猫たちの写真を撮り歩いていると、いつの間にかリアル猫集め状態になって、うれしい悲鳴をあげることになってしまうかもしれませんよ。

 

伊吹島のグルメ

春日旅館

伊吹島には、コンビニはもちろんスーパーもありません。いつでも利用できる食堂などの施設もないため、滞在時間が長くなる場合は、あらかじめ準備して行くか、真浦港近くの「春日旅館」さん(下記でご紹介)に食事の予約をしておくのがおすすめです。瀬戸内芸術祭の期間中は、カフェや食事処が開かれることもあり、2016年は「いりこバーガー」のお店が島にお目見えしていました。

伊吹島の宿

民宿いぶき

「民宿いぶき」は、伊吹島の北部地域にある、オーナーが素潜りや一本釣りで収穫魚介を使った料理が自慢の、1泊2食付きのお宿。部屋からの景色を楽しみながら、静かな島の時間を味わえるのんびりとしたお宿です。

■詳細情報
・名称:民宿いぶき
・住所:観音寺市伊吹町1233-1
・アクセス:真浦港から徒歩約18分
・営業時間:7時~23時
・定休日:なし
・電話番号:0875-29-2162
・料金:1泊2食付き 大人〜中学生8,500円、小学生6,000円、幼児2,000円、乳児無料
・公式サイトURL:http://setouti.crayonsite.net/

 

春日旅館

@asadamariがシェアした投稿 – 2015 6月 19 11:25午後 PDT

真浦港から続く坂道を登ること3分。港と瀬戸内海が見渡せる場所にあるのが「春日旅館」。1泊2食付きで宿泊が可能なほか、数日前に予約すれば、海賊焼きや刺し身の盛り合わせ、天ぷらなどがセットになった「海賊焼きコース」やランチの「おまかせ定食」などを用意してもらえます。

6月~8月のイリコ漁の時期は、採れたてのイリコの釜揚げも味わえますよ。

■詳細情報
・名称:春日旅館
・住所:観音寺市伊吹町5-2
・アクセス:真浦港から徒歩3分
・営業時間:チェックイン・アウトの時間は要問い合わせ
・定休日:なし
・電話番号:0875-29-2416
・料金:1泊2食付き 大人8,000円、小人7,500円
・公式サイトURL:https://kasuga-ryokan.jimdo.com/

 

まとめ

瀬戸内に浮かぶ伊吹島の基本情報をご紹介しました。元気な島人と多くの猫達が暮らし、イリコ漁の時期には活気あふれる小さな島。実際に訪ねてみると、個性的で、島って面白いなという感想を持てるかもしれません。

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