街の本屋さんが次々と灯りを消していくなかで、個性を出しながら本好きの心を奪う店が増えてきている。

札幌の北18条にある古本屋「BOOK LAB.」も、そのひとつ。ここでは、くまなく書棚を見るブックラバーだけが “面白本” に出会うことができる。

BOOK LAB.の棚にはステキな「分類学」を感じる

雑誌をおろそかにしない古書店はいい。

とくに、昨今の雑誌はモノによって保存性が高い内容をアーカイブしていて、書籍と同じように読書欲を高めてくれる。「BOOK LAB.」の素晴らしいところは、雑誌の性格や内容を理解し、再解釈した分類に当てはめているところだ。

たとえば、『GINZA』の置き方。

マガジンハウスが発行している『GINZA』は女性ファッション誌だけど、実はユニセックスで読める記事が多く、メンズの愛読者も多い。BOOK LAB.では、号によって女性誌枠ではなく、ファッション総合枠にカテゴライズし直している。

同じように『GO OUT』も、ファッションの強い号はファッションの棚へ、アウトドアの強い号はアウトドアの書籍がある棚へ差してある。

従来通り、『GINZA』→女性誌『GO OUT』→ファッション誌

と分類のルールを作ればキレイな棚になるし、分類も簡単だ。でも、本屋にとっての棚は、本との出会いの場所。店員の鴨田花枝さんは「いかにワクワクするか。本を入れるときはいつもそれを考えています」と言う。

いかにAmazonがレコメンドの精度を上げたとしても、人の温かさをもった書店が生み出す「出会いの価値」には勝てないはずだ。

それは、店内に足を踏み入れるところから始まっている。入り口では、美術や写真の棚が出迎えてくれる。

「本好きの人を引き寄せてくれるかなって」

本屋は時に攻撃的。BOOK LAB.の名物店員、鴨田さん

鴨田さんは言う。

「BOOK LAB.は、世の中の『本を廻す』っていうコンセプトを持っています。家の中に本が眠っていることがありますよね。それってすごくもったいないと思うんです。一度役目を終えて眠っている本を、いま必要としてくれる人のところへ届けて、そこで再び価値が出る。だからBOOK LAB.では、セールは、ただ売るためだけにやるんじゃないんですよ」

鴨田さんは、自他共に認めるブックラバー。旅行先でも書店を巡るほどで、たとえば東京では「かもめブックス」などに立ち寄るそうだ。

つねに、どうしたら本がワクワクするものに見えるかを真剣に考えながら、日々お店を整えている。

鴨田さんにとっての書店は、コミュニケーションの場だ。普段は静かな書店だけど、同じブックラバーのお客さんとつい話し込んでしまったりすることもあるという。その様子たるや、まるで書店とは思えない。アパレルを売るかのように、本を一冊ずつ丁寧にオススメする。

「せどり」がBOOK LAB.を支えている

昔から、古本を漁って安く仕入れ、高値で売れるところへもっていく「せどり」稼業は存在したけど、Amazonができてからせどり商売は拡大した。BOOK LAB.は約10坪の小さな中古本屋だが、じつは札幌市内に体育館ほどの大きさをもった倉庫を持つせどり屋がバックボーンだ。

「やはりネットだけではダメだな、と。それでリアルのショップを作って、まずは北海道大学の学生向けに教科書を売りながらいろんな実験をしていこう、っていうのがコンセプトなんです」

BOOK LAB.は、本と人をつなぐ場所。

その裏には膨大な在庫を抱える倉庫があって、本を偏愛する店員さんが僕らと本をつないでくれる。それだけで、ワクワクしてこないだろうか。

「BOOK LAB.」

住所:北海道札幌市北区 北18条西4丁目2-20 北18条ハイツ1FTEL:011-374-1034営業時間:11:00〜20:00定休日:水曜日公式HP:http://www.book-lab.net

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