富岡製糸場が世界文化遺産登録へ!「次の候補地」は一体ドコ?
©Sean Pavone / Shutterstock.com
富士山に次いで、国内における世界遺産が新たに誕生しようとしています。群馬県にある「富岡製糸場と絹産業遺産群」。6月15日~25日にカタール・ドーハで開かれるユネスコ世界遺産委員会で正式に決まる見通しです。
世界遺産委員会での審議は、毎年1回開催されていますが、国からの推薦枠は1つだけ。今後、国の代表となりえる遺産たちはどんな魅力や景観を持っているのでしょう?
まずは知っておきたい「富岡製糸場」
正式決定すれば、国内14件目の世界文化遺産となる「富岡製糸場と絹産業遺産群」。明治4年(1872年)、明治政府が日本の近代化のために設置した国内初の模範器械製糸場です。富岡付近は養蚕が盛んで生糸の原料の繭が確保しやすいことから、この地が選ばれました。
昭和62年(1987年)3月まで稼働しており、繰糸場、東・西繭倉庫、外国人宿舎、検査人館、ブリュナ館等の主要建物は国から重要文化財に指定。
現在も大切に保存され、明治政府がつくった官営工場の中で、ほぼ完全な形で残っているのは富岡製糸場だけだそう。GWには5万人(昨年の3倍!)になる観光客が訪れており、その人気は今後ますます高まると思われます。
2016年推薦枠は長崎県の教会群か
また、2016年の世界文化遺産登録を目指して、文化庁が次なるユネスコ世界遺産センターへの推薦候補として挙げているのが長崎県の「教会群とキリスト教関連遺産」。
キリシタン文化が根付いた町として、長崎市「大浦天主堂」をはじめとする教会やキリスト教ゆかりの史跡など、13の文化遺産で構成されます。佐世保市「黒島天主堂」、平戸市「田平教会堂」など、教会は一つ一つ異なった美しさを放っていて、つい見惚れてしまうほど。
未来の「世界遺産」を狙う観光地
世界遺産への正式登録は、まず国内の「暫定リスト」に仲間入りし、その中から条件が整ったものが推薦されます。
神奈川県「古都鎌倉」、滋賀県「彦根城」、大阪府「百舌鳥・古市古墳群」、新潟県「佐渡鉱山の遺産群」などがリストに入っており、古都鎌倉は2012年国からユネスコ世界遺産センターへ推薦書が提出されましたが、2013年4月、ユネスコの諮問機関である国際記念物遺跡会議(イコモス)による現地調査で「不記載」との結果になってしまっています。
認められるまでの道のりは長く、険しいですが、これをきっかけとして世界中の人々が日本の文化に興味をもってくれたら…と、街全体が一体となって世界遺産登録を目指す取り組みを行っています。