撮影したArkadiusz Podniesinskiさんは、自身のwebサイトでこう語っています。

「7年前にチェルノブイリを訪れた時には、同じような災害がまた起こるなんて思いもしませんでした。原子力は安全で技術も進歩している、だから同じような災害は起こらない』そう、科学者や政府は言いました。

しかし、間違いは起きました」

事故から4年後の福島を訪れた彼は、浪江町や双葉町などを訪問、写真を撮影し現地の人々の話を聞いて周りました。彼のWEBサイトから、その一部を紹介します。

原発事故から4年後」の今

「私はフォトグラファーとして、またフィルムメーカーとして福島にやってきました。災害の影響をこの目で見たかったんです。原子力発電所の事故による効果や悲劇、特に避難した人々のこと、その考えを写真によってまとめたかったんです。

そうすることで、メディアの視点や政府によるプロパガンダ、被害を小さく見せようとするロビイストの干渉を受けずにこの目でその姿を確かめることができました。

事故から4年が経った今でも、120,000人もの人々が家に帰れずにいます。多くは一時的な住まいに暮らしていますが、チェルノブイリの時と同じように避難指示に従わずに自宅に戻った人々もいます」

汚染土を詰めた除染袋

「多くの人が一刻も早く住人が戻れるように除染作業を急いでいます。しかし、未だにいつ終わるのかわかりません。彼らは、『除染袋が30年後になくなる』との政府による保証を信じていません。永遠にそこにあるだろうと考えています」

放置された車両

「草むらの中に車があるのを見かけました。近づいてみると、そこには列をつくった車が。きっと、汚染されて放置されたものでしょう」

廃墟化した
スーパーマーケット

「チェルノブイリがそうであるように、事故から30年も経てば数千人の観光客が訪れ、人の手が触れていないものを見ることは難しくなります。ガスマスクをつけたテディベアが、1ヶ月後には窓際に移動していたこともありました。そうすれば、光が当たっていい写真が撮れます。

福島は観光客も少ないため、多くのものは4年前のままです」

メッセージが残った小学校の黒板

「小学校の教室には、『必ず復興する!』などの書き込みがありました」

その他にも、仮設住宅に住む人々や復興作業に取り組む人々の姿。街の風景や、放射線量の表示。大きな地割れを起こした牧場。そこで飼育されている体に白い斑点のある牛などなど。彼のWEBサイトでは、福島の今の様子を垣間見ることができます。

 

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