切るたびに絵柄が違うなんて、素敵じゃないですか?

福島県会津若松市にある老舗の和菓子店・長門屋のようかん、「Fly Me to The Moon 羊羹ファンタジア」の話です。

しかも、切り分けられたようかんを並べると、あるストーリーが浮かび上がってくるのです。それを、じーっと眺めていたら、なんだかようかんの中に吸い込まれてしまいそうになりました。

最後まで飽きずに食べてもらえますように

創業1848年の老舗・長門屋では、以前から福島県産の材料を使った美味しいお菓子を作り続けてきました。しかし、2011年の東日本大震災以降、長門屋のある福島県の西部・会津地方は、風評被害に苦しむことに。その影響で、県産をアピールするのも厳しい状況となり……。

それを打破するために、従来の技術と融合させて何かおもしろいことができないか。そんなことを考えていた時、六代目の鈴木哲也さんはお客さんのこんな声を耳にします。

「ようかんがとても美味しいんだけど、大きいから一本も食べきれなくて、いつも冷蔵庫にしまったまま美味しくなくなってしまう」

せっかく一生懸命に作ったのに、それでは悲しいなと思って、それならむしろ「切るのが楽しくなるようなものを作ろう」と思ったそうです。そうすれば、最後まで飽きることなく食べてもらえるんじゃないかって。それから1年ほどかけて試行錯誤の末に出来たのが、「Fly Me to The Moon 羊羹ファンタジア」なのです。

切るたびに違う絵柄が現れるこのようかんは、一羽の鳥が、小さかった翼をだんだんと大きく広げて満月へと向かい飛んでいくストーリーになっています。なんと、景色も少しずつ暗くなって、夜の帳が下りていくという素敵な演出も。味も、切るところによって微妙に違います。

トップとボトムスには小豆を使ったようかんになっているのですが、ボトムスは、少しずつ変化していく山並みが表現され、トップのようかんの中には、クランベリーやレーズン、会津産鬼クルミなどが混ぜ込まれています。

その間の透き通った部分はシャンパンを使ったようかんで出来ていて、そこに浮かぶ月と鳥の部分はレモンのようかんになっています。

アジアのデザイン賞を受賞したパッケージもとっても素敵

中身のようかんが美味しくて素敵なのはさることながら、パッケージも気になりました。これは、福島県出身の日本画家・舛田玲香さんにお願いして描いてもらったものなんだそうです。

以前、長門屋の鈴木さんが舛田さんに会った時、「震災の影響を跳ね返すようなことをやっている」と話すと、舛田さんがその想いに共鳴し一緒にお仕事をすることに。なんでも、県の東部・浪江町にあった舛田さんのご自宅や作品は津波で流されてしまっており、彼女自身も何かできることを探していた時だったのだとか。

「“月と鳥”というテーマだけを伝えて描いてもらったんです」

というパッケージは、ようかん自体もそうであるように和と洋のテイストが雑妙な具合で混ざり合い、素敵な世界観をさらに盛り上げてくれます。食べ終わった後も、小物入れとしてとっておきたくなるかわいさ。

グローバルに活躍するデザインプロフェッショナルを審査員に迎え、アジア内の優れたパッケージデザインを評価する、アジアで唯一のパッケージデザイン賞「TOP awards Asia」で、2019年11月のwinner awardにも選ばれたんだそうですよ。

「Fly Me to The Moon 羊羹ファンタジア」は、本家長門屋の本店と七日町店で購入できますが、人気で売り切れてしまうことも多いので、事前に予約をしてからお店に伺うほうが確実とのこと。

紅茶や、ワインに合わせるのもおすすめとのことですが、新年のワイン会に持参したら、あまりのセンスの良さにみんなを驚かせてしまいそうです。

「本家長門屋 本店」住所:福島県会津若松市川原町2-10TEL:0242-27-1358営業時間:9:00~17:00定休日:年末年始を除き、年中無休公式HP:http://www.nagatoya.net/home

 

「本家長門屋 七日町店」住所:福島県会津若松市七日町3-30TEL:0242-29-7070営業時間:9:30~17:30定休日:年末年始を除き、年中無休公式HP:http://www.nagatoya.net/home

 

【オンラインショップ】https://shop.nagatoya.net/

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