日常生活でソーシャルディスタンスが意識され始めて、早1年近くが経ちました。まだまだ旅を自由にできるような状況とは言えませんが、密を避けた旅の形を考え始めてもいいのではないでしょうか。

今回ご紹介するのは、福井県の三国を拠点とした1泊2日の観光モデルコース。

完全プライベート空間を楽しめるほぼ一棟貸しの宿など、密になりにくい場所・時間帯などを考えてみたので、今後の新しい旅の形の参考にしてみてください。

1日目はご当地グルメを食べつつ、お宿でゆったり

福井駅へは、新幹線や特急列車を使って大阪駅からだと2時間、東京駅からだと3.5時間ほどの道のりとなります。

今回は恐竜が迎えてくれる福井駅から旅がスタート。まずは、旅の拠点となる県北部の坂井市三国町へと向かいます。

ランチは「そば処 どうぐや」で、ご当地グルメを



福井駅から車で30分ほど走ると三国町に到着。ランチは福井のご当地グルメが味わえる「そば処 どうぐや」へ。

このお店では、「ソースカツ丼」と「越前そば」という、福井県を代表する有名なご当地グルメが提供されています。

カツ丼というと一般的には、大きな一枚のトンカツを卵でとじた料理を指しますが、福井では、ソースで味つけられた数枚のカツが載せられた丼が主流。

ソースだと重い味のイメージがあるかもしれませんが、カツが薄めということもあって、かなりあっさりとした味わいに仕上げられています。



蕎麦も、県北部で日常的に食べられているグルメの一つ。「越前おろしそば」「越前そば」と呼ばれ、冷たい出汁に大根おろしを入れて食べるスタイルの蕎麦です。

こちらのお店では、蕎麦の上に油揚げと大根おろしを載せた「あげおろしそば」が一番人気のメニュー。

福井県における油揚げの歴史は古く、現在でも消費額は全国トップというくらい県民からも愛されている食材で、蕎麦との相性も抜群なのです。

話題だけではない、地元でも愛されるご当地グルメをぜひご賞味ください。

■詳細情報
・名称:そば処 どうぐや
・住所:福井県坂井市三国町山王4丁目5-6
・地図: ・アクセス:えちぜん鉄道三国芦原線「三国神社駅」から徒歩14分
・営業時間:11:00~18:00(L.O.17:30)
・定休日:金曜日
・電話番号:0776-82-5659
・関連サイトURL:https://fukui.mypl.net/shop/00000359394/

古民家ゲストハウスにチェックイン



宿泊場所にも悩まされる現在ですが、今回のモデルコースでぜひ注目して欲しいのが、古民家ゲストハウス「詰所三國(つめしょみくに)」という宿です。

チェックインすれば完全なるプライベート空間を確保できるので、感染症対策としてもバッチリ。



「行雲」と「流水」という二つの宿泊スペースが合わさった形なので、完全な一棟貸しではありませんが、中に入ってしまえば、隣は全く気になりません。

元々は薬屋だった、築100年を超える古民家を改装してお宿にしているので、外観の重厚さや内部に置かれている看板など、見所たっぷり。



吹き抜けのリビングと和室からなる「行雲」、母屋と奥に続く離れの蔵も使える「流水」と、それぞれのタイプで利用できるスペースも変わってくるので、好きな方を選びましょう。

古民家ならではの雰囲気の中で過ごす時間は、これ以上ない落ち着きを与えてくれますよ。

■詳細情報
・名称:詰所三國
・住所:福井県坂井市三国町南本町3-3-17
・地図: ・電話番号:080-2964-9613
・公式サイトURL:https://tsumesyomikuni.jp

夕焼けに映える東尋坊の自然美



さて、お宿でそのままゆっくりしていてもいいのですが、やっぱり福井に来たなら外せない観光名所にも行っておきたいもの。

県内でも最も有名なスポットである東尋坊までは、詰所三國から車で10分で到着します。海を見渡す広い空間なので、人との距離も気にならないはず。

ランチからチェックインという流れであれば、東尋坊に着くのは夕方ごろ。人が減って、より安心して散策ができますよ。



しかも、あまり注目されることはありませんが、東尋坊は夕日を望む名所としても素敵なスポットなのです。

日本海に沈む夕日と、東尋坊の荒々しい自然のコラボレーションを楽しんでみてはいかがでしょうか。

■詳細情報
・名称:東尋坊
・住所:福井県坂井市三国町安島
・地図: ・電話番号:0776-82-5515(坂井市三国観光協会)
・公式サイトURL:http://www.mikuni.org/010_spot/tojinbo/

宿で食べられる安心のケータリングサービス



夕方の東尋坊を楽しんだ後にはディナーの時間帯となりますが、実は詰所三國では夕食のケータリングサービスも行っています。(3日前までに予約が必要)

三国は漁業が盛んな町で、美味しい海鮮料理を食べられるお店が多いのですが、地元の名店の食事を詰所三國まで運んでもらえます。



ケータリングといっても、茶碗蒸しやお味噌汁などもしっかりついていて、味だけでなくボリュームも大満足のセットです。

食器などの引き取りはチェックアウトの後なので、時間を気にすることなく、じっくりと宿での夜のひとときを楽しめますよ。

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2日目は三國湊エリアの散策からスタート

詰所三國で迎える福井2日目の朝。チェックアウト前後には、周辺の散策もしてみましょう。



詰所三國があるのは「三國湊(みなと)」という地区で、観光地としてそれほど有名ではありませんが、かなり見応えのある建物が並ぶエリアです。

実は、詰所三國のチェックインを行う「みくに園」もその一つ。築100年を超える町家をリノベーションした空間です。



詰所三國の受付としても機能していますが、盆栽作り体験(要予約)や盆栽ショップとしても営業されています。

外観も内装も、とても洗練された空間なので、チェックインの時だけと言わず、ゆっくり時間をかけて楽しんでみてください。



他にも、三國湊エリアでは、「旧岸名家」や「旧森田銀行本店」といった見応えある建築物が並び、歩いているだけでも楽しめます。

近年では、モーニングやランチを提供しているカフェや、ジェラート屋、フレンチレストランなどもオープンしているので、食事に立ち寄るのもおすすめです。

「みくに隠居処」で越前ガニの目利き体験を



チェックアウトも終了し、三国を去る前にぜひ寄っておきたい場所をもう一つご紹介。それが、「みくに隠居処(いんきょじょ)」です。

海産物が美味しい土地ということはすでにご紹介しましたが、福井の自慢の食材はズワイガニ。

水揚げされる場所によって名前が変わるズワイガニですが、ここでは「越前ガニ」と呼ばれています。(越前ガニの漁期は、毎年11月6日〜翌年の3月20日まで)



みくに隠居処の興味深いところは、ただ越前ガニを食べられるだけでなく、美味しいカニを見極める「目利き体験」を行っていること。

カニというと、高級な食材として知られますが、あまり見分け方などは知らないという人がほとんどではないででしょうか。



このお店では、そんなカニの目利きの仕方を一から細かく教えてもらえます。

カニ関連の業者でしか知り得ないようなことまで教えてもらえるので、とても楽しい時間になること間違いなし。

さらに、教えてもらった見極め方を使って、自ら選んだカニを食べるところまでが体験コースとなっています。



選んだカニは茹でられて提供されますが、その間に時間が少しかかるので、ランチを兼ねての訪問の場合は、食べながらその到着を待ちましょう。

目利き体験は時間がなくて参加できない場合でも、カニ料理をはじめ、ランチメニューは充実しているので、ご心配なく。



みくに隠居処でぜひ食べたいのが、「みくに海鮮丼」です。ホタテの貝殻を屏風のように見立て、その前に新鮮な刺身が並ぶ豪華な海鮮丼。

見た目にも美しいですが、さすがは漁業の町と、思わず唸る一杯となっています。

カニと並ぶくらい人気のご当地食材である「甘エビ」など、どのネタも味が濃く、しっかりと身がしまっていて食べ応え抜群です。



シンプルな「茹蟹」もありますが、「蟹飯」や「甲羅盛り重」などバラエティ豊富なカニのメニューも提供されていますよ。

目利き体験をした場合には、自ら選んだカニが出てくるので、そのカニとの味の違いを比べるという楽しみ方もおすすめです。



目利き体験で選んだカニは、スタッフの方が部位を説明しながら、手際よく身をほぐしてくれます。

選んだだけとはいえ、自分で目利きして食べる一杯は特別なものになることでしょう。

楽しい体験としても知識を得る経験としても、大きな収穫になるので、ぜひ挑戦してみてくださいね。

■詳細情報
・名称:みくに隠居処
・住所:福井県坂井市三国町宿3丁目7-22
・地図: ・営業時間:ランチ11:00〜14:00 ディナー18:00〜21:00(要予約)
・定休日:木曜日(祝日の場合は営業)
・電話番号:0776-82-8558
・公式サイトURL:https://inkyojo.jp/

福井駅へ戻る際には、永平寺もチェック



ランチを楽しんだ後はもう帰り道になりますが、最後に福井駅に向かう途中で永平寺へ立ち寄りましょう。

ここも東尋坊と同じく、福井県に行くなら見逃せない場所ですよね。

お寺とはいえ、永平寺はとても広い境内で有名ですし、その見所のほとんどは外と繋がっている開放的な場所ばかり。



人との距離を気にするようなシーンは、ほとんどないスポットと言えるでしょう。

内部で人気のある傘松閣(さんしょうかく)の大広間も、156畳の広い空間に並ぶ天井絵が自慢の場所。



天井絵は144人の日本画家によって描かれた超大作で、見事の一言。

230枚の絵は花鳥風月をテーマとしたものがほとんどですが、実は5枚だけ鯉など違った絵柄のものも存在するので、ぜひ探してみてくださいね。

■詳細情報
・名称:永平寺
・住所:福井県吉田郡永平寺町志比5-15
・地図: ・アクセス:えちぜん鉄道・勝山永平寺線「永平寺口駅」から、京福バス「永平寺門前行」または「永平寺行」に乗り換えて終点下車、徒歩5分
・営業時間:8:30~16:30
・電話番号:0776-63-3102
・公式サイトURL:https://daihonzan-eiheiji.com/

最後は福井駅に戻り、帰途へ

ディスタンスを意識した新しい旅の形、といってもそれほど特別なことはありません。

人の少ない場所や広い場所などをきちんと選べば、むしろ旅中のリスクはかなり低く抑えられるでしょう。



今回は、三国を拠点としたモデルコースをご紹介しましたが、福井県の中でも同じように対策をしながら楽しめる場所は多くあります。

コロナ禍の中ではありますが、あなたの安心できる形で旅を楽しむ計画を立ててみてはいかがでしょうか。

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