新しい時代の都市と自然と人々のありようや、新たな建築、空間のありようを模索する建築集団「チームラボアーキテクツ」が保育園を設計。3月16日に竣工を迎えた。

千葉県流山市に建てられた「キッズラボ南流山園」は、情報社会の幼児教育の場となることを目指す。幼児期から多様性を肯定し、多様な人々と共に過ごす体験ができる場所となるよう設計されている。

一緒にいながらそれぞれの活動がある自立した多角形の空間は、それぞれの個性を伸ばしながら、同じ空間を共有するための仕掛け。完全に外である外庭と、外と内の中間のような内庭により、曖昧な環境・空間をシェアする能力を育む。

遊び場には平たい場所がほとんどなく、凸凹した地面や柔らかい網など、全身を使わないと遊べない立体的な空間を創出。都市ではなかなか得られない空間認識能力を鍛えてほしいという思いが込められている。

園庭には山、砂、水しかなく、子どもたちはこのシンプルな環境を前にして、皆で力を合わせて遊びを考え、ルールを作る。空間で使う色や形はなるべくバラバラにし、「同じでなくても大丈夫」ということが伝わるような、多様な個性を認め合える空間を目指した。

以前のように、働き始めてから定年まで同じ仕事、同じ職業をし続けるというよりも、職能を変化させながら、異なる職能の人々と共に何かを実現する必要がある昨今。

幼児期から多様性を肯定し、多様な人々と共に過ごす体験ができるこの保育園が、情報社会で必要なマインドを育ててくれそうだ。

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