前稿では、房総半島ワーケーションツアーを企画したYAMAP/高橋さんとJR東日本/利渉さん、そして実際に参加をしたTABIPPOコミュニティマネージャー/浦川のインタビュー記事をまとめました。

続く2記事目には、実際に私がワーケーションツアーに参加をして感じたことを執筆してみたいと思います。

結論から言うと、仕組みとして整えばワーケーションって大いにアリで、軸さえぶれなければ、仕事も休暇も生半可にはならず、むしろサラリーマンのQOLをより充実させるもの。良い意味で目から鱗の働き方でした。

YAMAPが企画する3泊4日アウトドアワーケーション



今回参加したワーケーションの滞在先は、南房総の館山。豊かな海や山に囲まれ、首都圏からも近く、最近リモートワークの流行で、移住先として人気を集めている場所です。

スケジュールは木曜日〜日曜日までの3泊4日。平日は仕事がメインで、土日はアクティビティメインのツアー。私は本業がサラリーマンなので、普段なら参加が難しいのですが、現在コロナで在宅勤務扱いだったので、今回は会社に黙って千葉県でリモートワークをすることに!



「一般のサラリーマンでも、こういうことができちゃうんだぜ」の参考例になってみます(笑)以前からワーケーションという言葉自体は聞いていましたが、実際に自分が行うことになろうとは…。

初めて来る房総半島先端での4日間の取材、しかも初めてのワーケーションだったので、最初はどのようになるのだろう?と少し不安でしたが、終わってみればやり切れた!楽しみ尽くした!!正直、ワーケーションという働き方がここまで充実したものだとは思っていませんでした。

まず初めに、今回のワーケーションの大まかなタイムスケジュールから。

<1日目>木曜
10:00 / ホテルファミリーオ館山に到着。ワーケーションプログラム開始!



参加者同士で和気あいあいと!4日間のプログラムが始まります。

11:00〜16:00 / e-Bike(電動スポーツ自転車)サイクリング&登山



到着後、すぐにホテルから自転車で出発!サイクリングと軽登山をして半日アクティビティを満喫しました。アクティビティが多かったため、有給休暇扱いに。

18:00 / 地元レストランで夕食



地元のレストラン・ベッカフィーコさんで南房総産の魚介を使ったイタリアンを堪能!パスタやアクアパッツァなど、どれも地元の魚介が盛りだくさんで絶品。ビールも進みました。

<2日目>金曜
〜17:00 / 仕事



1日中、フルで仕事をしました。MTGが1日に三つもあったが、その途中には、ちょっとした息抜きや、e-Bikeで散歩も楽しみました。

12:00〜13:00 / ランチ



ホテルに併設している「BOUNO」でランチ、地元魚介と野菜を使ったパスタが本当に絶品。仕事の合間に、”旅”を感じられるのがワーケーションの醍醐味と実感しました。

17:00〜18:00 / 地元の自然保護活動の講演



仕事終わり夕食前に、地元で里山保全活動や、沖ノ島の再生活動など、自然保護の取り組みについて講演をお聞きしました。隙間時間で、ちょっとした現地の学びがあるのは良いですね。

18:00〜20:00 / BBQ



ツアー参加者みんなでBBQ懇親会(害獣として駆除された猪肉も含む)。ワイルドに食材を焼き、星空の下で盛り上がりながらいただくお肉は最高でした!

<3日目>土曜
7:00〜8:00 / 朝ヨガ



身体を整えるために、早起きをしてホテルにあるホールで朝ヨガ。身体を少しずつ呼び覚ましていくのは本当に気持ちがいいですね。

9:00〜12:00 / 南房総サイクリング&野鳥の森ハイキング



モニターツアーとしてホテルから約20kmサイクリングしながら、途中は里山でハイキング。南房総の豊かな自然景観を楽しみました。きつすぎず緩すぎず、程よい運動で気持ちよかったです!

12:00 / 海鮮ランチ



サイクリングの終点、「漁港食堂だいぼ」で名物の地引網丼を満喫。1500円とは思えないほどの豪華さで、〆のお茶漬けも最高っ!

13:00〜15:00 / サンセット・シーカヤック



南房総の美しい海でシーカヤックに挑戦!最初は転覆しそうだったけど、案外すぐに慣れ、海上散歩を楽しみました。後半には幻想的な光芒の情景に感動。

19:00〜20:30 / 夕ご飯



ホテル併設のレストラン「BOUNO」でイタリアンを満喫。美味しい料理が食べられるレストランがホテルに併設している有り難みを再度実感しました。

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<4日目>日曜
10:00〜15:00 / 沖ノ島再生プロジェクト



自分が楽しむだけでなく、自然の大切さ、それに対する現地の人々の思いなど、学びの部分も大きかったです。自然の自己再生を促す大切さも知りました。

17:00 / 木村ピーナッツ



地元の有名ピーナッツ屋さんで、特製パフェを堪能!素朴な甘さと濃厚さがたまらない〆の一品でした。

以上から分かるように、プランが詰まっているようで、それほど詰まっていないちょうど良い内容になっていました!(本当か!?)
だからこそいろいろな気づきがあったので、以下で綴っていきたいと思います。

仕事とバケーションは両立できる



コロナ禍となり、ワーケーションという言葉が盛んに取り上げられるようになってから、私の中では少しモヤモヤがありました。果たして「仕事とバケーションは両立できるのか?」と。

元々、本業=サラリーマン=公と、複業=トラベルライター=私を完全に分けている私にとっては、敢えて公私を一緒にする意味がわからない。どちらも混ぜてしまっては、公私ともに中途半端になるのでは?という先入観を抱いていました。



しかし、実際そんなことは全くなかった!というのが率直な感想。あくまで仕事がベースにあり、仕事にバケーションを添える形に自然と落ち着きました。

たまたま仕事が落ち着いていてバケーションの時間を作れたらラッキー!一方で、仮に仕事が立て込んでいても、働く場所を変えたり、カフェを利用することで気持ちをリフレッシュできるため、ワーケーションをしている価値を十分感じられました。

隙間時間を有効利用して、メリハリを最大化



中でも私にとって大きかったのが、隙間時間の有効活用です!本業の始業時間は8:45。その前の時間を使うことで、とても充実した平日を過ごせました。

5:00 起床
5:15〜6:30 コーヒー&ライティング
6:30〜8:00 e-Bikeサイクリング
8:00〜8:30 朝食
8:45 本業開始



普段とは違う場所に身を置くことで、スッと目が覚め、自然とやるべきこと、やりたいことに着手できました。誰もいない朝のホテルのロビーは快適だったこと、無料のコーヒーメーカーが利用できたことも大きかったです。



早朝に1記事書き上げ、そのまま日の出と同時に、e-Bikeに跨って、サイクリングに繰り出しました!平日に、千葉の房総半島の南端で、自転車をこいでいるという非日常感がたまらず、たったの1時間半だったものの、充実した冒険に!



しかも結局、3日間に分けて朝の時間を累計5時間ほど利用し、館山以南の南房総をe-Bikeで1周することもできました!(走行距離およそ160km)

健康にも繋がるし、ちょっとした時間で旅感覚を楽しめる。私の旅スタイル=自転車旅とワーケーションの相性が良いという発見は、個人的に嬉しい収穫でした。

平日と土日を組み合わせるメリット



今回のワーケーションツアーは平日2日間+土日の4日間でしたが、これが一番良いスケジューリングではないかと感じました。

仕事メインで来ている以上、平日のバケーションはあくまでおまけ。しかし、せっかく旅行先に来ているのに、おまけで旅を楽しむだけでは勿体ない!だからこそ土日と組み合わせて、バケーションも楽しみ尽くす。これであれば一石二鳥ではないか?と思います。



逆に見れば、土日で旅行をした時、「あと1日、2日あれば、他にも色々なことができたのに…」ということもあるでしょう。平日のワーケーションの隙間時間が、その補完要素になってくれるかもしれません。

学び視点ありのワーケーション



元々、バケーション気分を感じながら仕事をするスタイルが「」というイメージでしたが、今回のツアーで意外だったのは、ワーケーションの学び視点です。

ワーケーションという取り組み自体、会社員一人の判断で行い辛いという背景があります。実際、フルリモートが認められている会社や職場以外では、平日ホテルで仕事をするのは難しいでしょう。



そのため学び視点を盛り込み、企業自体へ「」を人材育成プログラムや福利厚生の一環として提案する。そうしてワーケーションを行いやすくする基盤を作る、という構想が見て取れました。

ワーケーション自体魅力的ですが、実際できる環境か!?という根本的な問題を、企画する側も解消するために取り組んでいることが強く感じられました。

サラリーマンをより幸福にするための「



先にも少し述べましたが、ワーケーションとは、元々限られた会社・職種の人でしか実行できない働き方で、完全な仕事でもバケーションでもない、悪い言い方をすると中途半端な働き方だという偏見を持っていました。

しかしながら、実際に自分が体験してみると、全くそうではなく、むしろサラリーマンの生活を質的に向上させる概念でした。



人生において多くの時間を要する仕事・会社の時間を有効活用して、いかに人生を楽しむのか?いかに刺激的な毎日を過ごすのか?ワークライフバランスの新たなカタチ。それこそが「」なのだと思います。

まだまだワーケーションが実行可能な人は一部で、できる環境は社会に浸透していませんが、近い将来、誰もが利用できるように社会が変わっていけば素晴らしいですね。

前編は、企画されたYAMAPさんとJR東日本さんに今回の企画に対しての想いをお伺いしているので、こちらもぜひご覧ください。

前編の記事を見る

All photos by Yuhei Tonosyou

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