天空の鏡にたとえられるウユニ塩湖や、澄んだフィヨルドを写し出した写真に私たちが旅情をかきたてられるのと同じように、きっとこの動画を目にした多くの外国人が「秋の東北を訪れてみたい」、こう感じているのかもしれません。

真冬に公開したにもかかわらず、わずか1週間で再生回数が800万回に達した『Autumn Colors in Tohoku』を目にしたとき、さながら万華鏡をのぞき込んでいるような、多彩な自然の色に最初に目がいきました。

ああ、万華鏡のような「東北の秋」の多彩さよ

※字幕をONにすると、撮影地が表示されます。

四季折々、自然のみせる豊かな表情に趣を見出すことで、この国特有の美意識がゆっくり時間をかけて醸造されていきました。いにしえの人々が詠んだ詩歌や文学のいたるところに、花鳥風月は登場します。一瞬のきらめきも、繊細な情景も、きちんと言葉に置き換えることで、さまざまな(和色)が生まれました。

たとえば薄い青と紫の中間色、これを「薄い青紫色」といってしまえばそれまで。でもそれを秋の山野に自生するりんどうの花の名前になぞらえて色とすることで、情趣を味わってきたのではないでしょうか。

そこで、ここでは動画に登場するいくつかの景勝地を伝統色になぞらえて紹介したいと思います。自然のたたずまいを美しい色の名前で表現した、大和(やまと)心に思いを巡らせながらもう一度動画を見てみれば、東北の秋の鮮やかさに改めて驚かされることでしょう。

龍胆色(りんどういろ)

松島・

深支子(こきくちなし)

八甲田山・

天鵞絨(びろーど)

山寺・

藍墨茶(あいすみちゃ)

常盤(ときわ)

抱返り渓谷・

猩々緋(しょうじょうひ)

夏井川渓谷・

鶸萌黄(ひわもえぎ)

新宮熊野神社・

東日本大震災から6年、全国的なインバウンド急増の流れから、いまだ東北の観光は大きく遅れているといいます。それゆえ観光庁は2016年を「東北観光復興元年」として、さまざまなプロモーションを展開してきました。

6県と東北観光推進機構の共同事業として製作されたこの動画が、世界へ向けて発信されたことの意味は、決して小さくはないはずです。

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