世界遺産「白神山地」に広がる太古の森!その魅力に迫る
ブナは栄養たっぷりの実をつける落葉広葉樹ですが、そのブナが秋田県から青森県にかけて広がる白神山地に深い森を作っています。
人の手のほとんど入らないブナの原生林とブナの実を中心に形成されている豊かな生態系が世界遺産に登録されました。核心地域は登山道も整備されずできるだけ人が入らないように保護されています。
秋田県側からは入山禁止、青森県側も決められた道だけを通って入山届けを出して世界遺産地域に入ります。周辺に広がる緩衝地域では入山届けは必要なく、きちんと装備していけばブナの原生林の持つ魅力を楽しむことができます。
ブナの原生林は命を育む森
人の手の入らないブナの森では、老いて倒れた木は茸や虫、菌類の養分となって森を守っていきます。ツキノワグマやニホンザルに食べられたブナの実は糞とともに地に落ち、新たな芽生えとなります。
届けなくても入れる緩衝地域
緩衝地域は入山届けを出さないでも入れますが、原生林の状態を守るために案内板や道路の整備はほとんどありませんから、歩きやすい靴で行きましょう。ごみを捨てない、ペットは連れて行かないなどのマナーを守るのは核心地域と同じです。
森を飾る花々
森の中にはキクザキイチリンソウ、カタクリなど日影に強い花々が目を楽しませてくれます。アオモリマンテマやツガルミセバヤのような希少な植物に出会うこともあるかもしれません。
ツキノワグマも住んでいます
森の中のブナの木をよく見るとツキノワグマの爪とぎのあとが見られる事があります。爪あとの高さを見るとツキノワグマの大きさがわかります。
十二湖の吸い込まれそうな青い水を見に行こう
白神山地の中にある津軽国定公園十二湖はブナの原生林を散策していると出会う美しい池の数々です。インクのように青い青池、緑がかった沸壺の池など水の色がそれぞれ違い、さらに木漏れ日を浴びて表情を変えていきます。
深山の滝に出会う
3つの滝からなる暗門の滝はブナの原生林の持つ豊かな保水力を背景に清冽な水を落としています。
田苗代湿原の秋が美しい
白神山地の500種にも及ぶ豊かな植生は紅葉の季節を迎えると美しく山を飾ります。田苗代湿原では足元も紅葉に包まれます。
藤里駒ヶ岳から核心地域を遠望できる
田苗代湿原をすぎると藤里駒ケ岳への急な登りが始まります。1158メートルの高さがあり、秋田県側の最高峰です。登山準備で行きましょう。秋のナナカマドは鮮やかな赤い実をつけて楽しませてくれます。
まとめ
有名になって以来観光目的で山に入る人が増えて自然が破壊される恐れが出てきたため、今では世界遺産の核心地域は入山届けが必要になりました。
世界遺産に指定されている地域は人工的に手を加えられないため登山道も荒れたままですので慎重な行動が必要です。