みなさんこんにちは、食後はコーヒーを飲んでまったりするのが日課のAsunaです。遠出しない休日はカフェに行って、昼下がりのお日様が少しずつ傾いた時間に、のんびりコーヒーを飲むことに幸せを感じます。

みなさんはコーヒーが好きですか?実はわたし、コーヒーは大人になってから好きなったんです。今の夫と一緒に住むようになって、しばらくは彼がコーヒー豆をごりごり挽いてから淹れてくれるコーヒーだけ、飲むことができていました。

今では、自分一人でも好んでカフェに足を運ぶようになるほど。当初憧れていたのは、都内にあるちょっぴりお洒落なカフェ。所々に“緑”があって、雰囲気はレトロもしくはナチュラル系。

カフェ激戦区の都内には、もちろんお洒落なカフェはたくさんあります。でもどこも混んでいるんです。そしてちょっぴり値段が高い。それに、思っていたよりも人が密集していて、私の理想である静かな空間ではなかったのです。



そこで、地元千葉県にもきっと隠れ家のような素敵なカフェがたくさんある!と思い、夫とカフェ散策を始めました。あるときは南房総市、またあるときは松戸市…野田市…とさまざまなカフェに訪れるようになって、【お気に入りの隠れ家】を見つけることができたのです。

それでは、千葉県在住のわたしが、千葉県にある静かにコーヒーを楽しめる隠れ家的カフェを、ご紹介していきたいと思います。コーヒー豆の仕入れ先やブレンド方法、焙煎の仕方など、マスターのこだわりについてもインタビューしてきました。

雑居ビル2階を特別な空間に「ym.」【松戸市】



ここは、千葉県松戸市にある静かなカフェ「ym.」。常磐線や新京成線など、東京への交通の便がいい松戸駅から徒歩5分の雑居ビルの2階にあるのに、それを感じさせない雰囲気のお店です。

「ym.」のはじまり

お店の名前は、お二人のイニシャルから考えたもので、マユミさん(M)がごはんものを担当し、パティシエであるユキさん(Y)がお菓子を担当し、ドリンクは2人でといったふうに、二人三脚でカフェを経営されています。

2人はもともと、同じカフェで働く同僚だったのだそう。マユミさんが独立するタイミングでユキさんを誘ったことが、一緒にお店を始めるきっかけだったのだとか。独立当初は、「期限は1年間」というルールのもと、今とはまた違う場所「One Table」にて、2018年4月「ym.」をスタート。

1年後、2人が出した結論は【これからも一緒にカフェをやっていこう】でした。松戸市に店舗を構えるリノベ住宅や古民家カフェ店舗の賃貸に特化している不動産会社にて今の物件「buildingC」を借り、2019年12月「ym.」を再スタートさせました。

2人のこだわり

建物自体は、築45年という、割と年季の入ったビル。でも実際にお店を訪れると、過ぎた年月のあとこそがいい味を出している、レトロな空間が広がっていました。

壁の内装は、お世話になった人やお客さんなどのみんなで塗ったのだそう。今まで関わってきた人との“繋がり”を大切にし続ける、2人のこだわりの壁なんだとか。

そして入り口のドアは、デザイナーさんから「取り壊す前のレトロなドアはいらないか?」と声をかけてもらい、残しておいてもらったのだとか。

シックな色の壁×くすみブルーのレトロなドアという組み合わせが女子の心をくすぐるカフェの入り口。ドアを開ける前から、わたしをワクワクさせてくれました。

ドアを開けた正面には、特注でデザイナーさんがデザインしてくれたロングライト。「ym.」にしかない、世界にたったひとつのライトです。

ライトの下のカウンターの壁には、ヨーロッパから買い付けたアンティークタイルが敷きつめてあり、さらにレトロ感を際立たせます。

シンプルなデザートとコーヒーで過ごすひととき

わたしはその日、カフェオレとプリンをいただきました。パティシエであるユキさんの手作りのデザートは、「おいしい」の一言で片付けられない、とても繊細で丁寧な味でした。

仕入れからこだわる濃くて黄色いプリンは、卵の味が濃厚で、どこか懐かしい昔ながらの固めのプリン。ミニサイズのビーカーに入っているエモさが、女子の心をくすぐってきます。

淹れていただいたカフェオレは、こだわりのブレンドを使った少し深めの味で、スイーツのお供にぴったりでした。2人が実際にテイスティングしてから仕入れを決めているこだわりのコーヒーは、テイクアウトのお客さんもいるようで、人気なのだそう。

友人と【カフェを開く】という夢を実現し、そばにいる人との“繋がり”を大切にし続ける2人が営んでいるのは、薄暗かったビル街のイメージを払拭する、お洒落なひとときを過ごせるカフェでした。

■詳細情報
・名称:ym.
・住所:千葉県松戸市本町5-3
・地図: ・アクセス:松戸駅から徒歩5分
・営業時間:11:00〜18:00
・定休日:金曜日・土曜日
・電話番号:090-6312-8700
・公式InstagramURL:https://www.instagram.com/ym10_ym7

誰かの旅の目印に「ROUTEMAP COFFEE ROASTERS」【千葉県千葉市】

高校時代の友人、松村恵佑さん(愛称:けいちゃん)と、相方まゆさんが始めたカフェは、現在オープン3ヶ月目を迎えました。ここは、千葉県千葉市にあるコンテナカフェ。中学校や高校、住宅街に近い地域で経営する松村さんは、カナダでのワーキングホリデーを経て、カフェの聖地メルボルンにてコーヒーについて勉強をしてきた生粋のコーヒー好き。

私は、彼の淹れてくれるカフェラテの大ファンなので、今回取材をお願いしたところ、快く引き受けてくれました。それでは、本場の味と環境で修行してきた彼が語るコーヒーに対する愛情とこだわりについて、ご紹介していきたいと思います。

はじまりはイタリアンバルでの感動から


高校時代の彼は、THE高校球児。大好きな野球のためには努力を惜しまず、普段の練習にプラスして、時間を見つけては筋トレを行うほどで“筋肉バカ”といじられるほど、努力家でした。

そんな彼の実家は、お父さんが営むラーメン屋さん。ご両親がお店を経営している姿を間近で見て育ち、「いつかは俺も自分の店を開きたい」そんな夢をもっていたのだそう。

大学生になり、大学ではそのとき勉強したいことを学びたいという思いから、アルバイトを通して飲食業界の勉強を始めました。彼が働いたのは、地元のピッツェリア。そこで、イタリアのバール文化と出会いました。

それまでコーヒーなんて飲めなかった彼が出会ったのは、嫌な苦味なんて残らない、すっきりとした紅茶のようなコーヒー。「これなら俺でも飲める!ってか、コーヒーっておいしい!」コーヒーが苦手だった自分にも飲めたという成功体験から、コーヒーの虜になったのだとか。

大学卒業後、就職したのはカルディコーヒーファーム。のちに店長に就任し、店舗としての経営方法を習得した彼が次に目指したのは、カフェの本場メルボルンでのワーキングホリデーでした。ただひとつ難点なのが、英語をまったく話せないことでした。

コーヒーの修行をしにメルボルンに行きたいけれど、まずは英語を話せるようにならなければ…。その準備期間として、まずは1年間、カナダでワーキングホリデーをすることに決めました。

もっと見る

言語の壁を越えた、カナダでの出会い

カナダで暮らし始めて1週間が過ぎ、宿のチェックインをするのにも一苦労だった彼は、やっとアパルトメントの契約に成功しました。それからは、近所のカフェを散策しながら仕事探しに必死。1年間契約のワーホリ生を雇ってくれる場所を見つけるのは困難で、途方に暮れていました。

「毎日通って顔を覚えてもらえたらなにか変わるかも?」そう考えてから毎日、自分が一番働きたいカフェに通う日々が始まりました。そしてついに、カナダに来て2週間、彼の根気と情熱が通じてそのカフェで働くことができるようになったのです。

日中はカフェの仕事、夜はレストランの皿洗いの仕事をして生活費を稼ぎながら、とにかく英語を話す機会を増やそうとしました。そうこうしているうちに、あっという間に1年間のワーホリ期間が終了しようとしていました。

職場の仲間たちと英語で話しながら仕事ができるようになったころ、職場の上司の知り合いから、あの憧れのメルボルンで店を開くことになったと連絡が入りました。そこで声をかけてもらえたのが、彼、松村さんでした。

バリスタの原点、カフェの本場メルボルンにて修行の毎日



努力とご縁と行動力により、憧れのメルボルン行きのチケットを手にした彼が次に働き始めたのは、メルボルンでも有名で、毎日長蛇の列ができるクロワッサンカフェ、Lune Croissanterie。その店のバリスタを任されることになったのです。

日本とも、カナダとも違うコーヒーの淹れ方に最初は戸惑い、ミルクの温度ひとつで厳しく指導されたときもあったのだそう。「毎日長蛇の列を作るほどのカフェでの仕事は目まぐるしくて、あっという間に1日が過ぎてたよ」そう彼は当時の思い出を語ってくれました。

それでもひたむきに努力し続け、店の一員として働く彼の姿勢は、高校球児の時ときっと変わらず、むしろパワーアップしていたのだと思います。

コーヒーで受けた恩恵を、コーヒーそのものに還元したい



日本に帰国後、松村さんは実際に現地のコーヒーファームへ訪問することに。グアテマラ共和国では100種類以上ものコーヒーを1日でカッピング(さまざまな種類を比べて風味を評価すること)して、数多くのコーヒーにふれたのだそう。

コーヒーファームに実際に足を運んで気がついたことは、コーヒーを売買する人にはお金が入っていくのに、農園の人やコーヒー農園そのものに還元されている割合が少ないということ。そして、コーヒーを通した貧富の差や奴隷制度の歴史の影響がまだまだ残っていることでした。

そして「お客さんに気軽にコーヒーを飲んでもらいたい!」という想いでバリスタを目指し始めた彼ですが、徐々に、コーヒーと向き合う理由が少しずつ変化してきたのです。

それは、コーヒー界のサードウェーブ渦中の代名詞ともいえる「ブルーボトルコーヒー」に出会ったからでした。2000年初期、音楽家でコーヒー愛好家であったジェームス・フリーマンは、【お客様ひとりひとりのために作る】というタイトルを掲げ、2005年にサンフランシスコのベイエリア、ヘイズバレーに「Blue bottle coffee」をオープンさせました。

その後、地域に根ざした取り組みや、鮮度と味へのこだわりが人気を呼び、カフェは地域の人々やコーヒー愛好家たちが集う場となったのだそう。大量生産でコーヒー豆を焙煎する過程では、どうしてもよくない豆が紛れ込んでしまったり、雑味が残るコーヒーになってしまう危険性がある。

でも、コーヒー豆の収穫からすべてを農園と直接契約すれば、質の良い豆を手に入れることができて、さらにダイレクトに農園に収入が入り、コーヒー農園やコーヒーそのものに還元される。このようにコーヒーに恩返しができるようなこの仕組みをもっと広めたい。松村さんは、そう夢を語ってくれました。

今後は、コーヒー豆を挽くときの出涸らしを使った畑の肥料作りなどを通して、環境保全への取り組みも進めていきたいのだそう。

【コーヒーを通じて地図のように、繋がり、広がっていく】

この言葉は、2人がカフェをオープンするときから一番大切にしているテーマです。帰国した後、松村さんは店をオープンするために、まゆさんを相方として店のオープンにむけて準備を進めます。ですが、この新型コロナウイルスの影響もあって、望んでいた場所でのオープンは難しいことがわかりました。



そんなとき、ご縁あって声をかけてくれた今のコンテナハウスにて、「ROUTEMAP COFFEE ROASTERS」をオープンすることができたのです。松村さんとまゆさんが作るカフェは、店舗内デザインやパッケージデザインを相方のまゆさん、コーヒーの品質管理を松村さんが担当し、コーヒーは2人で淹れているのだそう。



仲の良い2人は、仕事中も息ぴったり!2人のお写真を撮る際、松村さんの表情がかたくて、相方のまゆさんもわたしたちも大爆笑!なんとも楽しい取材でした。

販売しているコーヒー豆を入れているパッケージのデザインは、なんと、まゆさんの手描きのものもあるんだそう。お店のロゴをモチーフにしたステッカーやレターセットなども店内にて販売しています。



ちなみに、お店のロゴは、わたしとも仲の良い、高校の友人がデザインしたとのこと。みんなに愛されてオープンしたカフェなのだと、改めて実感しました。

ちなみに、ROUTREMAP COFFEE ROASTERSは、千葉県にある【Cube千葉】だけでなく、東京都杉並区にある【Cube蜃気楼】でも毎週水曜日に出張営業しています。今後は都内での出店も増やし、いずれは地元成田で大きくお店を構えることが目標だと語ってくれました。

「ひとつの場所からいろいろな道筋を辿り、行き着く先々でまた繋がり広がる。それぞれが歩む道の起点となる場所は、居心地の良い時間を過ごせる空間であり、ふらりと立ち寄りたくなるご近所であり、心動かされ、何かが始まるきっかけでもある」

彼らが描き守る、コーヒーを通じた“繋がり”が、また誰かの“旅路”の出発点となり、帰る場所となること。そんなことを、わたしも取材を通して感じさせていただきました。

■詳細情報
・名称:ROUTEMAP COFFEE ROASTRES
・住所:千葉県千葉市稲毛区宮野木町2125-3
・地図: ・営業時間
●Cube千葉:土・日(9:00~18:00)・月・火(8:00~18:00)
※2021年〜 Cube千葉では、月・火・金(10:00~18:00)営業になります
●Cube蜃気楼(東京都杉並区):毎週水曜(10:00~18:00)
・定休日:木曜日
・アクセス:
●車の場合…国道16号線「長沼」交差点より約1.8km「千葉市立緑が丘中学校」目の前
●電車の場合…JR稲毛駅より「宮野木小学校線稲12/草野車庫行」乗車→「宮の杜カエデ通り」下車徒歩2分
・電話番号:080-6890-3767
・公式サイトURL:https://linktr.ee/routemapcoffeeroasters
・公式link tree:https://linktr.ee/routemapcoffeeroasters
・公式Instagram:https://www.instagram.com/routemapcoffeeroasters
・公式Facebook:https://www.facebook.com/routemapcoffeeroasters

地元のカフェを探してみよう!



千葉県にはまだまだ魅力的なカフェや、お店がいっぱい。きっとみなさんが住む地域にも、まだまだ知らない魅力的なお店が存在しているのだと思います。

こんな時代だからこそ、地域をもっと愛して、さらなる発展に繋がっていくといいなと思います。みなさんもぜひ、お住まいのエリアで隠れカフェを探してみてはいかがですか?

もっと見る