今回記事で取り上げる「カンボジア」は、アンコールワットをはじめとする神秘的な遺跡群が魅力の国!人気のあるアニメや映画の舞台としてよく登場し、「一度は訪れてみたい!」と考えている人は多いのではないでしょうか?

カンボジアの魅力はアンコールワット遺跡だけではありません。東南アジア最大の湖である「トンレサップ湖」や、よくテレビにも登場する日本人が再生させたカンボジアの絹絣など、興味深い見所がたくさん!

とはいえ、まだよく知られていない国でもあり、旅行先エリアの治安や物価情報などが気になりますよね!この記事では、気になるカンボジアの治安と物価について様々な角度からリサーチした結果をお伝えします!

*編集部追記
2017年10月公開の記事に、新たに項目を追加しました。(2018/1/30)
執筆時点での情報なので、実際に訪れた方で古い情報を見つけた方はmedia@tabippo.netまでご連絡ください。

カンボジアに行ってみての感想

人気ナンバーワン世界遺産といっても過言ではない、アンコールワットがある国として知られるカンボジア。私がカンボジアを訪れたのは春で、すでに気温は暑く、観光をするにも体調に気をつけなくてはなりませんでした。

全体の感想としては、カンボジアの一番の見所であるアンコールワットはやはり自然と遺跡の融合が素晴らしく、このためだけでもカンボジアに来た甲斐があったと感じました。しかしながら、年々入場料が高くなっている、観光客が多すぎてストレスがたまるなど、マイナスの面もありました。

カンボジアの物価は安いですが、外国人が集まる観光エリアや都市部では観光客価格があり、下手すると日本より高い場合もあります。カンボジアの中でも、首都であるプノンペンは治安が良くないとされるので、注意してくださいね。

カンボジア旅行のルート

カンボジアでは、首都・プノンペンとアンコールワットの観光拠点の街・シェムリアップを訪れました。プノンペンには4泊、そしてシェムリアップには2泊しました。プノンペンはあまり治安が良くないですが、それでも以前よりはずっと安全になった印象を受けました。

現在は街のインフラも整い始め、旅行者向けの施設も急増しています。またシェムリアップはアンコールワットを訪れるほとんどの観光客が宿泊する都市なので、やはり物価が高かったです。

カンボジアのおすすめの都市

カンボジアの象徴ともいえるシェムリアップにある、世界遺産のアンコールワット。東南アジアにはバラエティに富んだ世界遺産がたくさんあり、どれもオススメなのですが、やはりアンコールワットの存在感は圧倒的です。

サンスクリット語で、アンコールは王朝、クメールは寺院を意味し、アンコール・ワットは美しい彫刻が特徴的なクメール建築の傑作といわれています。その迫力にはただ圧倒されるばかり!

600年ものあいだインドシナ半島で続いたアンコール王朝の栄華が偲ばれる遺跡に立つと、そこに込められた思想や現在までに至る歴史の重みを感じることができます。

最も気になるイスラム過激派関連のテロ事件は、カンボジアでは発生していません。2003年にジュマ・イスラミーヤ(JI)の活動に関与していたとされるイスラム系団体の構成員4名の逮捕、2015年にタイ爆発事件の関係者とされる男が逮捕された以外、テロ組織によるとみられる誘拐を含む大きな事件の発生は確認されていません。

しかしカンボジアでは、闇市場で什器類の取引が依然として行われているといわれ、実際にここ数年プノンペンなどで,手榴弾の爆発によりカンボジア人等数名が負傷した事件や、カンボジア人が拳銃で撃たれ金品を強奪される事件が発生しているのです。

スリやひったくり、置き引きといった一般犯罪も少なくなく、身の回りの携帯品には注意が必要です。また、いかさま賭博詐欺(日本語で話しかけて親しくなり、自宅での賭けトランプに誘い大金を巻き上げる手口が多い)が多発しており,日本人が被害に遭うケースも少なくありません。

狂犬病やジカウイルスなどの感染症リスクがあり、動物に触らない、生水は絶対に飲まないなど、衛生維持には十分注意が必要です。

物価

2017年前半のカンボジアリエルの対円レートは、100カンボジアリエル = 2.5〜2.8円で推移しています。果たしてカンボジアの物価事情はどのような状況でしょうか?

観光地のご多分に漏れず、外国人が集まる観光エリアや都市部では、明確に現地カンボジア人価格と観光客価格があり、レストランやカフェでの飲食代は日本と同じかそれ以上に感じることも多くなります。

現地の人々が購入するマーケットで買い物や食事をする場合は非常に安く、日本の三分の一くらいの感覚です。バスやタクシーなどの交通手段も非常に安く、旅行者にはありがたい旅先です。

カンボジアで絶対注意したい行動指針とは?

危険なエリアには近づかない!

市場や観光地など人が多く集まる場所での貴重品携帯、そして夜間の行動には十分注意が必要です。また、治安上危険、というほかにも、日本ほど安全管理が行き届いているとは言えない国です。

道路の整備も悪いうえに、建築ラッシュで工事現場があちこちにありますが、自己のリスクを考えるとあまり近づかないようにしたいですね。

なれなれしく近寄ってくる人は相手にしない!

外国人観光客のセールストークはどの国でも見られる光景ですが、ここカンボジアは前述の通り賭博詐欺に巻き込まれるケースが非常に多いところが厄介です。夕食を取るレストランの席でやたらと話しかけられる場合は要注意。怒らせないように注意しながら、距離を置くのが無難です。

交通ルールはないも同然!道路はぼんやり歩かない!

活気あふれる東南アジアの国々ではよくみられるように、道路は無法地帯そのもの、歩行者優先という言葉はどこへやら、というのがカンボジア道路事情。

スマホを見ながらボンヤリ歩いていたら、ケガをしますよ!アイコンタクトを取りながらゆったりと歩きましょう。バイクや車の方で避けてくれます。

犬や動物には触らないこと!

カンボジアの中でも地方を旅すると、アジアのほかの国々同様に犬の数の多さが目につきます。狂犬病の予防注射を接種していない犬たちが、放し飼いにされている状態です。犬好きであったとしても、彼らには近づかないようにしましょう。

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カンボジアで安全に注意が必要な場所は?

首都プノンペン

最もカンボジアで犯罪発生率の高いプノンペン。国外からも窃盗集団が集まるともいわれており、貴重品管理には注意が必要です。

ひったくりで多いパターンは、背後から来たバイクにバッグをひったくられるというものです。常に背後には気を付けて、なるべく車道から離れて歩くようにしましょう。ナイトマーケットなど人の多い場所に出かける際には、余計な貴重品を持たないようにするのが一番です。

また、夜間に移動した場合にドラッグなどに誘う悪徳ドライバーの存在も報告があり、なるべくホテルに近い場所で食事をした方がよいでしょう。

シェムリアップ

観光客が落とすお金が重要な収入源となっているシェムリアップでは、政府主導による観光客保護のためのセキュリティが強化されているため、プノンペンよりは窃盗などの犯罪発生率は低くなっています。しかし、注意を怠らず、人気のない場所に近寄らないことは絶対に守りましょう!

ぜひ外務省の海外渡航登録「たびレジ」の登録や、海外安全アプリのダウンロードをおすすめします。バンダ発生時も在カンボジア日本大使館からお知らせメールで注意が促されるので安心です。

カンボジアで安全な移動方法は?

鉄道のないカンボジア。移動の基本は飛行機と長距離バスになります!

■短距離移動手段(都市部)

シェムリアップやプノンペンでは、アジアでおなじみの乗り物である三輪タクシー「トゥクトゥク」が便利です。2~3ドルも出せば、近距離移動ならほぼカバーできます。もう一つバイクタクシーの数も多いのですが、日本の整然とした交通に慣れていると、とてもスリリングな運転に気が遠くなるかも。安全面ではあまりおすすめできない交通手段です。

通常のタクシーは台数が非常に少なく、ホテルフロントで依頼するのが確実です。

運転に自信があるならレンタルバイクやレンタル自転車を借りる方法もありますが、都市部の混乱した交通事情ではおすすめできません。レンタカーを利用する手もありますが、カンボジアのレンタカーは、原則ドライバー込みとなり、貸し切りタクシーと変わりません。

■中・長距離移動手段

カンボジア国内の中~長距離移動は、鉄道がないため、長距離バスもしくは飛行機を利用することになります。

カンボジアローカルの国内会社、「カンボジア・アンコール航空」「ワット・プノン・エアラインズ」「バッサカ・エア」「カンボジア・バイヨン・エアラインズ 」「スカイ・アンコール・エアラインズ 」「JCインターナショナル航空 」のほか、カンボジア国外LCC「ジェットスター」「エアアジア」などいくつか選択肢があります。

ただし基本的には全てシェムリアップ拠点となると覚えておきましょう。費用を抑え、かつ空港のないエリアに旅する場合には長距離バスを利用します。バス会社によって車体グレード他、サービスもピンキリですから事前リサーチは欠かせません!

おすすめする「ゴールデン・バイヨン」は、2012年開業の新しい日本人企業のバス会社です。大型バスと異なり、VIPというバンタイプの15人程度のバスになります。車両はすべてトヨタで保険完備という安心感もうれしいですね。

そのほか、「メコン・エキスプレス」、「ジャイアント・アイビス」も車体が新しく、サービスがよいと外国人観光客の評価が高いバス会社です。

宿泊事情は?

カンボジアの宿泊事情はかなり外国人観光客にやさしい、お得感が感じられる価格設定です。アンコールワット周辺やシェムリアップの外資系のファイブスター級ホテルは、全世界共通の価格設定のためそれほど割安感はありませんが、中から中の上クラスのホテルが大変リーズナブルなのです。

「Booking.com」「Agoda」「Expedia」などの予約サイトを確認しても、雰囲気の良いホテルが一万円以内の価格でたくさん見つかります。旅費の節約は大切ですが、カンボジアでは少し贅沢してみても、コストパフォーマンスを考えれば断然お得ですよ。

主要観光地の治安状況は?

結論から言えば、どの観光スポットも治安はすこぶる良い状況が保たれています。敬虔な仏教国であるカンボジアは対日感情もよく、観光地はよく取り締まられており、ツーリストの街歩きには安心な国であるといえるでしょう。

夜間の単独行動を避け、スリや置き引きの被害にあわないよう貴重品管理を心掛け、料金の食い違いなどのコミュニケーショントラブルに注意する、といった旅の基本的な注意事項を守っていれば、まず安心して旅を楽しめることでしょう。

現金を手に入れたい時は?

日本で当座のお金としてドルに両替しておく

カンボジアリエル紙幣の種類は11種類もあり、覚えるのが大変。しかも日本で両替ができない通貨の一つです。けれど安心してくださいね。実はカンボジアの基本通貨は「ドル」となっている状況です。市場やタクシー、トゥクトゥクの料金もドルで支払いが可能です。

ただし地方の小さな空港では両替カウンターが見つからない場合もあります。行先によってはタクシー代など当座使用する金額程度は、日本で両替しておくことをおすすめします。

市内ではホテルかカンボジア銀行

ホテルのフロントでも両替は可能ですが、小規模ホテルの場合は断られる場合もあります。

一番レートがよくおすすめの両替先は銀行での両替です。両替には基本パスポートが必要になります。そして余りにも汚れている・しわがひどい・敗れている紙幣は受け付けてもらえないため注意しましょう。

両替商を利用する

アジアの多くの国々同様に両替商の数が多いカンボジアですが、なるべく利用している人が多い路面店を利用するようにしましょう。

海外ATMを利用する

最近ではこのような「キャッシュ両替」とは別にATMを利用した海外キャッシングもおすすめです。キャッシング枠を設定してあるクレジットカードを利用するか、銀行のインターナショナルキャッシュカードやデビッドカードを利用する方法があります。

また、最近では、新生銀行のように口座から直接チャージ可能な海外プリペイドカード(GAICA)といったサービスもあります。

クレジットカードを利用したキャッシングは利息が付きますが、銀行のインターナショナルキャッシュカードなら、自分の日本の口座から直接現金を引き出すのと変わりはありません。手数料無料のATMなら為替レートが若干不利になる程度(プラス2~4%程度)で済みます。

これらのATM利用については、「Canadianban PLC」や「Union Commercial Bank」は引き出しの際に手数料がかからないといわれていますが、突然体制が変わることもあるので、確認してから利用しましょう。

平均的な物価は?

急速な経済成長を果たしているカンボジアの物価は上昇しているといわれています。果たして実際にカンボジアで食事やお買い物をした場合の実際の物価の現状はどうなのでしょうか。

都市部そして観光地においては、高級レストランで食事をとったりマッサージを頼んだ場合にかかる費用は日本と変わらないか、逆に割高に感じられることも多いでしょう。

ただし、飲料水などの日用品の場合、日本と比較すると非常に安価に購入できるものがほとんどなのです!日本の半額以下、中には10分の1に感じるようなものも多くあります。

例えばミネラルウォーターの値段は500ミリリットル一本で500~1000リエル前後で購入することができます。日本円で言えば20円もしません。また、共働き世帯が多いカンボジアは外食社会。飲食店が非常に多く、庶民的な食堂なら、丼ものや麺類であれば、都市部であっても100-リエルもしないメニューがほとんど。

まとめるとカンボジア現地の人々が日常生活でよく購入する類のものについては総じて非常に安価、しかし観光客が行くような店で買い物や食事をする場合は日本とほぼ同じか、それ以上の費用が掛かります。

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安く買い物ができる場所:食べ物など

カンボジアでお土産類のショッピングなら、市場やスーパーマーケットが一番です!品数が多く、しかも値段が安く、市場ならば価格交渉でさらにお得感のあるお買い物が可能です。

おすすめは、日本人女性経営のショップ「アンコールクッキー」。カンボジアが誇る世界遺産アンコールワットをモチーフにしたクッキーは、テレビや雑誌にもたびたび登場する話題性も、お土産として人気がある理由です。

また、石鹸やクリームなどのナチュラルコスメは、スーパーマーケットに多数そろいます!そのほかスパイス類も人気のお土産になっています。

安く買い物ができる場所:カンボジアの民芸品

カンボジアで人気アイテムといえば布製品。特に「クロマー」と呼ばれるコットンの織物は、風呂敷代わりにしたり、ストールにしたりと様々な使い方ができる便利な布です。きれいな色合いのものがとても安く買え、何枚もそろえたくなるでしょう。

また、カンボジアの織物といえば、シルクでできた絣の織物です。「情熱大陸」ほか、たびたび有名テレビ番組にも登場する森本喜久男氏が主宰する「クメール伝統織物研究所(IKTT)」は、内戦で失われた世界最高ともいわれるクメール絹絣の復活に成功しました。

高価なものは数十万円する最高級絹織物は、織物が好きな人ならば勇気を出して手に入れても決して後悔しない逸品です。

チップ

基本的にはカンボジアではチップを渡す必要はありません。ただレストランやホテルなどで良いサービスを受けたと感じた場合には、合計金額の10%程度をチップとして渡すようにしましょう。

マナー

男性の間では、握手をする挨拶のしかたも浸透しつつありますが、異性や女性同士が挨拶をする場合は、合掌が一般的です。内戦時代の話は以ての外、反タイ・反ベトナム感情も強いため、軽々しく口にしないほうが無難です。

会話例

チョムリアップ・スオ
こんにちは

オー・クン
ありがとう

ニッヒ・チア・アウェイ?
これは何ですか?

トライ・ポンマーン?
いくらですか?

タウ・ミアン・ボントゥップ・トゥムネー・テー?
客室はありますか?

まとめ

いかがでしたか?カンボジアをまだまだ未開の発展途上国と思っていたら大間違い!内戦の痛手も癒え、世界が恋する魅力的な観光立国に生まれ変わりつつあります。

しかし、日本とは主義を異なる社会主義の国。加えて敬虔な仏教国です。カンボジアの習慣を尊重して、「旅させてもらっている」という気持ちでいれば、きっと心優しきカンボジア人はそれ以上のやさしさで旅人を包み込むことでしょう。

海外旅行中の基本的な注意事項を守って、無用なトラブルを避けて、存分にカンボジア旅行を楽しんでくださいね。

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